WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦、井上ーアフマダリエフが9月14日に迫って来た。非常に楽しみな一戦である。
私の予想は6-4で井上有利と見ている。この「6-4」という数字をどう見るかは、人によって違ってくるのではないだろうか?
私は、井上がスーパーバンタム級に階級を上げた時から最も見てみたいカードがVSアフマダリエフだった。私は、そこまでボクシングしっかり追っている訳ではないのだが、馴染みのある強豪ダニエル・ローマン、岩佐亮佑に勝利したアマエリートアフマダリエフの実力は素人目に見ても高いことは理解できた。特に岩佐との一戦に関しては、私が岩佐のスタイリッシュなボクシングが好きだったため、アフマダリエフの前に完敗を喫してしまったショックは大きかった。身体の強さがあり、パンチにパワーがあり、ボクシングテクニックもあるアフマダリエフは、井上の相手として相応しいと考えていた。しかしそのアフマダリエフがタパレスに判定負けを喫し、王座から陥落してしまったことにより、井上VSアフマダリエフは一旦は消滅することになってしまった。それから2年以上の時を経てようやく、井上VSアフマダリエフが実現することとなった。
井上は32歳、アフマダリエフは30歳となり、両者ともに円熟味は増してきているのではないだろうか?
井上に関しては、世界でも屈指のボクサーであり、日本ボクシング史上№1ボクサーであることに疑いの余地はない。ボクシングに必要なすべての要素を高いレベルで持ち合わせている真の「怪物ボクサー」である。そんな井上ではあるのだが、昨年はネリ、今年はカルデナスとの一戦の中でフックをもらってダウンする姿が見られた。ダウンをしても最終的にはTKO勝利を飾り、タフさ、ピンチでの冷静な対応という部分で新たな凄みも感じることが出来たのだが、以前のように負ける姿が全くイメージできないボクサーではなくなってきた印象もある。破格のパンチ力に衰えは見られないし、経験を積んだことにより相手との駆け引きなどでスキルを高めているとは思うのだが、反射神経、スピードと言う部分に関しては、年齢とともに多少なりとも衰えが見え始めているのではないだろうか?
アフマダリエフが井上相手にどういったボクシングを見せるのか分からない部分はあるのだが、ある程度好戦的に仕掛けてくるのではないだろうか?その中で井上のビッグパンチが炸裂すれば、早い回でのKO勝利もあり得ると思うのだが、思うように強いパンチを入れることが出来ないとなれば、アフマダリエフにもチャンスは巡って来ると考えられる。接近戦でパンチをまとめることも出来るし、ジャブで距離を取りながら戦うことも出来る器用な選手だけに初回から激しくペースの握り合いが繰り広げられるのではないだろうか?
先程も書いたように井上の破格のパンチ力については、全く衰えは見られないため、一回効かせてしまえば一気に井上ペースの試合になると思うのだが、アフマダリエフの攻撃を空転させながら、着実にポイントを奪って判定勝利を手に入れることは簡単なことではないと思っている。もし井上がアフマダリエフ相手にフルマークに近い判定勝ちを収めるようなことがあれば、それはもう伝説である。テクニカルでパンチ力もありアフマダリエフ相手にそういった勝ち方をすることが出来たならば、私は井上の評価をもう一段上げなければならないと思っている。
初回はジャブを刺しあうような静かな立ち上がりになるのか?それとも井上、アフマダリエフが初回から大きなパンチを交錯させることになるのか?注目してみたい。私が個人的に、戦前井上であっても簡単には勝てないだろうと思った相手は、ナルバエス、エマヌエル・ロドリゲス、ドネア、辺りなのだが、それらのボクサーと比べても最も怖さを感じるのがアフマダリエフである。しかし、井上にはボクシングという競技と相手ボクサーに対して真摯に向き合うことが出来るという大きな武器がある。実は、この要素が井上の対戦相手にとっては非常に厄介なものなのではないだろうか?ボクシングに真摯に向き合えるからこそ、当日どんなシチュエーションになったとしても自分を見失わずに戦えるのではないだろうか?
アフマダリエフは簡単な相手ではない。私の中で井上有利と見ても「6-4」の割合である。9月14日井上とアフマダリエフはどういった戦いを見せてくれるだろうか?
![]() | 怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ [ 森合 正範 ] 価格:2090円 |


にほんブログ村
コメント