西村・澤井・北村+橋本

選手


昨年のドラフト後の感想の1つとして、「23年シーズンは2軍のゲームにも注目したい。」というものがあった。理由は、打撃に特徴のある野手3人がヤクルトから指名を受けたからである。
ドラフト時の記事はこちらから→2022ヤクルトドラフト指名選手 | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)

2位西村(京都外大西高)は、ボールを捉える感覚、運ぶ感覚に優れた巧打者という印象があり、1位で消える可能性もある選手だと感じていた。その選手をヤクルトが2位で獲得したことに喜びを感じた。
3位澤井(中京大)は、パワーを活かした打撃をプロの世界でも貫けるかどうか?がポイントになる強打者だと感じていた。
5位北村(中大)は、中学、高校時代の騒がれ方からすると、大学で成長が停滞してしまった印象もあったのだが、澤井同様長打が期待される選手だと感じていた。
この3選手はタイプ的にも1年目から1軍の舞台でプレーすることは難しいかな?と感じていたのだが、逆に2軍のゲームで数多く出場機会を与えられる選手であると予想していたため、2軍の試合も結果を中心に追っている。プロの壁を感じる場面も多いと思うのだが、どの選手も自分の特徴を活かしながら奮闘している様子が伺える。育成ドラフトで指名された橋本含め、簡単に現状レポートを書いてみたい。

※成績は(7月6日時点のもの)
西村 瑠伊斗 50試合 135-19 3本塁打 11打点 打率.141
・西村は完全にプロの壁にぶつかっている。正直2軍でここまで苦労するとは思わなかった。私の中では今年の高卒ルーキーで浅野(巨人)、松尾(DeNA)、西村の3人は、2軍であれば打率.250以上は期待できる完成度の高い打者ではないか?と予想していたのだが、浅野、松尾、また阪神4位の井坪がある程度の数字を残しているのとは対照的に、西村はプロのボールに苦戦しており、三振率も非常に高くなっている。西村のここまでの数字は私の中では予想外だった。しかし力感のないスイングから長打を放つシーンを見ると、やはり只者ではないな。と感じさせてくれる。コンバートされたサードの守備でも苦しんでおり、本人のメンタルも心配なのだが、まだまだ勝負はこれからである。コンタクト率の低さは気になるのだが、時折逆方向にも大きな打球を飛ばしており、ここから巻き返す可能性はある選手だと感じている。

澤井 廉   49試合 167ー44 10本塁打 29打点 打率.263
・澤井はここまでほぼ予想通りの数字を残してくれている。鍛えられた肉体から繰り出されるフルスイングは迫力満点だし、芯を喰った時の打球は圧巻である。2軍レベルでも縦の変化球に苦しむ姿は見られるが、この辺りはまずは打席に入って視覚的に慣れていく他ないと思っている。守備、走塁には課題があり、1軍でプレーする場合に選択肢が狭まってしまうという弱点はあるのだが、今はとにかく打撃で飯が食える選手を目指してもらいたい。今後も外国人選手と競争になる可能性があり、他の選手に比べて多少ハードルは高いのだが、ロマンを感じる長距離砲である。

北村 恵吾  56試合 184ー39 8本塁打 28打点 打率.212
・キャンプで最も早く1軍に召集されたように、打席での落ち着きを感じさせてくれる打者である。流石に中学、高校時代に注目されていただけのことはあるなと感じさせてくれる。もう少し打率、出塁率は高くなるかな?と思ったのだが、思ったほどは数字が伸びてこない。しかし8本塁打を放っているように自分に期待されていることがどういうことなのか?という部分はしっかり整理できているようである。セカンド含め様々なポジションにもチャレンジしている。とにかく実戦経験を積む中で感覚を掴んでいってもらいたい。

橋本 星哉  53試合 167ー46 2本塁打 14打点 打率.275
・橋本に関しては、中央学院大学時代全く知らない選手だったのだが、想像以上のミート力に驚いている。捕手としての動きは確認していないため分からないのだが、これだけ試合に出ているということは、捕手としても可能性があるということなのだろう。まだ将来像がはっきりしてこないのだが、ユーティリティープレーヤーとして生き残る道も残されていそうである。そのためには打撃でどれだけアピール出来るか?という部分がポイントになりそうである。

ヤクルトの野手陣は、大黒柱である村上の2~3年後のメジャー移籍が現実的であり、山田もかつてのような輝きを取り戻すのは難しい状況にある。長岡、内山、濱田、武岡らの若手がアピールは続けているが、おそらくは、今年のドラフトでも西村、澤井、北村、橋本のライバルとなるような選手の獲得があるはずである。その競争に勝ち抜くための術を手に入れる必要がある。
最も期待値が高かった西村がこれだけ苦戦するのは驚きだが、2022年のドラフト指名された野手がいつの日か1軍で輝く日が来ることを期待して待ちたいと思う。




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コメント

  1. アーム より:

    期待の若手が多いのは希望ですよね。
    松井聖は支配下登録されないんですかね?
    万が一、この成績で支配下されないとヤクルトに育成指名された選手に影響がでそうですね。
    モチベーションの低下

    • fiys より:

      アームさんへ

      松井聖と橋本は支配下候補だとは思いますが、どちらか1人でしょうね。2人ともタイプ的にライバルも多く、2軍では圧倒的なスタッツが求められる部分もあるかもしれませんね?

  2. sabo より:

    小川さんがSD(そしてGM)就任以来、明確なビジョンを持ってドラフトを進めてきたと感じていますが長距離打者育成は怪物村上が目立っていますがドラ2である廣岡と中山の育成には失敗したと言えるでしょう。どうしても投手偏重になりがちななかで3人も攻撃型野手を指名したのはワクワクしました。今年のドラフト1位は野手に行ってほしいと個人的には思いますが、とにかく内山と濱田に加えて西村、澤井、北村5人(と今年のドラフト)から将来のクリーンナップを誕生させるのは命題と言えるんじゃないでしょうか。
    特に伊勢元コーチが以前、2軍監督の池山監督が山田にホームランの角度を叩き込んだと語ってましたから、西村澤井北村もきっちりホームランバッターに育てて欲しい
    しかし将来のことは分からないですからね。
    橋本も面白い。これまで独立リーグから育成で野手を獲得しましたけどやはり年齢がね。年齢を重ねて花開く選手もいますけどなかなかね。やっぱ若いだけで価値があるというか。
    契約更新では実力ではなく伸びしろを見られると言ったのは元西武ヤクルトの田代だったっけな。寺島の野手挑戦を見たかった気もしますが

    • fiys より:

      saboさんへ

      私も今の所、今年のドラフトは1位野手で良いかなと思っています。ヤクルトの野手の育成能力は長年に渡って機能しているように見えます。

      西村、澤井、北村のドラフト同期は、おそらく仲間でありながら一番のライバルという関係性なのでしょうね。

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