ヤクルト3-2巨人
試合前に茂木が左膝半月板の手術を受けたとの発表があり、ますます戦力が低下してしまったヤクルトだが、とにかく今いるメンバーで戦う他ない状況が開幕からここまで続いている。今現在、夏の甲子園を目指し、各都道府県で高校野球の地方大会が盛り上がっている最中なのだが、ヤクルトの野球はまるで高校野球を彷彿とさせるような戦い方である。強くはないし、綺麗な勝ち方も出来ないのだが、とにかく粘って、失点を減らし、少ないチャンスを作り出し、どんな形でも1点を奪って勝ち切る野球に活路を求める他ない。今日のゲームも決して良い内容のゲームとは言えないのかもしれないが、経験値の高くない選手が多い中でこういった競り合いを1つ勝てたことを喜びたい。
ヤクルトの先発吉村は、初回から球数が多くなってしまい、序盤はピンチの連続だった。2回には丸に先制タイムリー2ベースを浴びてしまうなど苦しい投球となった。2回に丸に打たれたカットボールも6回に中山にホームランを浴びたストレートもコース自体は、それ程悪くないように感じたのだが、そのボールを弾き返されてしまったということは、おそらくはボール自体の走りが良くなかったのではないだろうか?5回までで球数が102球となってしまったことからも、非常に苦しいピッチングだったことが伺えるのだが、それでも自身の好フィールディングで嫌な流れを止めた場面もあるなど、6回2失点でまとめたことを評価しても良いように感じる。ボールの走りがイマイチでもある程度試合を作れるスキルは、先発投手として必要な部分である。
リリーフ陣は、石山を欠く中で、7回荘司、8回星、9回大西と繋いでみせた。おそらく大西は、クローザーに固定するということではなく、2-2というスコアのまま9回に突入したとしてもマウンドに上がったのではないだろうか?日替わりで凌いでいく他ない状況である。それでも今日登板したリリーフの3投手はそれぞれ特徴を出してくれたのではないだろうか?
荘司は先頭の丸にヒットを打たれたものの、続く佐々木に送りバントを許さず、最終的にはショートゴロダブルプレーに斬って取り、続く吉川も抑えて、結果的には三者凡退で抑えてみせた。荘司の武器であるチェンジアップに関しては、右打者相手の方が効果的との話しもあり、左打者対応というものが荘司の課題と言われることもあるのだが、今日は左打者が三人続く場面を任され、しっかり結果を残してみせた。こういう投球を積み重ねてもらいたい。
星は、150キロを超えるストレートにキレがあり、3つのアウトを全て三振で奪う快投を披露してくれた。今日はボールが抜群にキレているように感じただけに、敢えて注文を付けたいのだが、ルーキー荒巻への四球は勿体なかった。失点した訳ではないのだが、責める必要はないのだが、こういうちょっとした綻びが星の課題でもある。
9回を任された大西は、今日は細かい制球という部分で苦しむなど2アウト満塁の大ピンチを招いてしまったのだが、最後は坂本を三振に斬って取ってみせた。得意のシュートでサッと追い込めたことが最後のスライダーの三振に繋がったのではないだろうか?ラスト1イニングを任されるクローザーは他のポジションとは違ったプレッシャーが掛かってくると思うのだが、今日の大西は、岩田のファインプレーにも助けられながら、良く試合をクローズさせてみせたと感じた。こういった経験、成功体験が今後の成長に繋がっていくはずである。
打線は、1番岩田、2番赤羽、3番内山、4番オスナ、5番山田、6番澤井、7番古賀、8番伊藤、9番吉村というオーダーとなった。このメンバーであれば、5番に山田を配置する他ないという状態に苦しさを感じてしまう。それでも今日は、失点した直後のイニングに相手のちょっとしたミスもあったが、すぐさま同点に追い付くなど、粘り強く戦ってみせた。
2回は2アウトランナーなしから古賀が出塁すると続く、伊藤のふらふらっと上がったライトフライがそのままタイムリー2ベースとなり、同点に追い付くと、6回は、内山、オスナの連続ヒットで同点に追い付いてみせた。オスナのタイムリーに関しても2塁ランナーの内山が一瞬ライナーバックで2塁ベースに帰塁しかけてしまい、スタートが遅れたことから危うくホームで刺されてしまう所だったのだが、岸田の落球にも助けられる形で同点に追い付いてみせた。2回の得点も6回の得点も巨人側から見れば、防がなければならなかった失点ということになるのではないだろうか?ヤクルト側からすればラッキーも重なった中での得点ということになるのだが、こういう得点を勝利に結びつけることが大切なことである。
8回も大勢相手に先頭の澤井がヒットで出塁すると古賀の送りバント、伊藤のセカンドゴロの間に澤井の代走で出場した丸山和が3塁まで進み、続く代打宮本の詰まったサードゴロを坂本が処理しきれず、タイムリー内野安打となり、1点を勝ち越してみせた。ロースコアの競り合いの中でもこういった得点も大きな1点になることがある。決して綺麗な攻撃ではなかったし、不格好にも映るのだが、それでも貴重な1点を奪い、ベンチ全員で盛り上がる姿を見ることが出来たことは嬉しかった。今のメンバーでは、NPBの世界で勝ち星を積み上げていくことはいくら何でも虫が良すぎる話だと思っている。しかし、だからと言って勝つことを放棄してもらいたい訳ではない。毎試合毎試合勝利のために戦い、負けたら悔しがり、勝ったら喜ぶチームであり続けてもらいたい。
今は、高校野球のような戦い方で1つでも勝ちを拾いに行く野球を貫いてもらいたい。オールスター明けにも村上と長岡が戻ってくる可能性がある。そうならば戦い方にも多少幅が出てくるはずである。
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