奥川VS森下 奥川が投げ勝つ!

2025試合結果


ヤクルト3-1広島

奥川と森下、年齢は違うものの2019年のドラフトでともにヤクルトと広島にドラフト1位で指名されたドラフト同期である。私は当時から奥川入札を強く希望していたため、ヤクルトが奥川に入札し、抽選で引き当てたことを大いに喜んだのだが、当時のヤクルトファンの中には、即戦力としてより計算出来る森下への入札を望んでいる方も多かったことを記憶している。このブログ内でもそういったコメントを頂いている。実際に森下は、ルーキーイヤーから結果を残し続け、広島の若きエースとしてそのポジションを確固たるものにしている。そんな森下と投げ合うこととなった奥川は、2021年シーズンこそチームのリーグ優勝、日本一に大きく貢献してくれたのだが、その実力を発揮してくれたシーズンは、その2021年シーズンのみであり、その他の年は、常に怪我との戦いに苦しんで来た印象である。昨シーズン1軍のマウンドに帰ってきてからは、かつての支配的な投球は影を潜めているものの、今ある能力の中で何とか試合を組み立ててくれていた。開幕投手を任され、チームの命運を握るような立場で今シーズンがスタートしたのだが、開幕戦でリリーフ陣が大逆転を許してしまうと、その後も奥川に勝ち星が付くことはなく、精神的にも苦しい状況が続いていたように思う。今日は、今シーズン9試合目の登板にして、広島打線を7回無失点で抑えきり、ようやく勝ち投手になってみせた。打線からプレゼントしてもらった1勝ではなく、しっかり広島打線を抑え、森下に投げ勝っての1勝ということで、1勝以上の価値があるようにも感じられる勝利となった。こういった勝利はファンにとっても嬉しいものである。今シーズンのベストゲーム候補の1つに入る可能性があるゲームとなった。

今日の奥川は、高めのストレートを有効活用しながら広島打線と対峙している印象が残った。150キロを超えるボールも稀にあるのだが、現在の奥川のストレートの球速は、ほぼ140キロ台後半という数値である。高校時代や2021年シーズンに比べればストレートの平均球速は落ちているはずである。そんな状況でも試合を作れてしまうだけの投手としての総合力に優れた投手ではあるのだが、ストレートが相手打者にとって厄介な球種だと感じさせることが出来た時に、本当の意味での奥川の投球が完成すると思っている。今日の投球は、今シーズンの中でも良い部類に入る投球内容だったのではないだろうか?今シーズンは変化球に関しては、フォーク以上にかつて最も得意としていたと思われるスライダーの投球割合を増やして、上手く打者を抑えて行っているように感じたのだが、今日は高めのストレートで空振りやファールを奪えていたため、無理にスライダーの投球割合を増やす必要はなかったのではないだろうか?ストレートとフォークを軸に上手く広島打線と対峙していった。
現状のヤクルト打線の力量と相手先発森下の力量を考えると、先に失点をすることは即敗戦に繋がる可能性が高まったし、石山を欠いていることを考えれば、出来るだけ長いイニングを投げることが求められたのだが、その両方をクリアしてみせた。7回までに3つの四球を与えた部分をどう考えるか?という部分は議論の余地があると思うのだが、個人的には、奥川自身が自分の力量を考えた中で、意図的とは言わないまでも、嫌な空気感を感じた中で「四球OK」くらいの気持ちで中で与えてしまった四球と捉えており、悪い部分だけではなかったのかな?と評価している。奥川独自の危機回避能力の高さ故の与四球という考え方も出来なくはないのではないだろうか?
7回のマウンドに上がり、しっかり投げ切った中での1勝は、奥川にとって大きな1勝になったはずである。


打線は、森下相手に大量得点は期待できなかったのだが、そんな中でも若手が森下相手に喰らい付いてみせた。4回は、四球で出塁した赤羽が2アウト後盗塁を決め、2アウト2塁と得点圏に進むと、今日7番ライトでスタメン出場となっていた澤井が外角のストレートに何とか合わせると打球はレフト前に落ちる先制タイムリーヒットとなった。レフトファビアンの好返球もあり、間一髪のタイミングではあったのだが、赤羽の生還が一瞬速かった。見事な走塁、スライディングだったと思う。
5回は岩田、内山の2本の2ベースで1点を追加してみせた。内山のタイムリー2ベースに関しては、森下のボールが多少中に入ってきたと言えども、非常に上手く捌いた印象である。前の打席のレフトポール際へのファールもそうなのだが、内山はやはりインコースの捌きは非常に上手い打者だと感じる。森下クラスのボールにも対応出来ているということで、今後も数字は上がってくるはずである。
8回は代わった遠藤から1アウト後赤羽が左中間への3ベースヒットで出塁すると、その後1アウト満塁のチャンスが広がり、伊藤のライトへの犠牲フライで1点を加えてみせた。今日は赤羽が打って、走って、躍動感のあるプレーを見せてくれた。
赤羽に関しては、今シーズン常に1軍に帯同しており、1軍の壁にぶつかる場面もあるのだが、それでも着実にレベルアップした姿を見せてくれている。先日は足を負傷したように感じられる場面もあり心配したのだが、今日のプレーには躍動感が戻っていた。育成ドラフトでの入団から着実に練習を重ね、成長した姿は、他の選手や首脳陣、球団フロントに勇気を与えるものになるのではないだろうか?まだまだ伸びしろがありそうな選手だけに楽しみである。




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