門脇誠の生命力

2023試合結果


ヤクルト2-3×巨人

小澤が6回2失点でまとめ、9回に復帰登板となった大勢から中村が犠牲フライを放ち、一旦は同点に追い付いたのだが、その裏清水が、巨人のルーキー門脇にサヨナラタイムリーを浴びてしまった。8月に東京ドームでサヨナラ負けを喫した試合後のブログ記事でも門脇を称賛した記憶があるのだが、今日も門脇を褒める他ないゲームとなった。
ドラフトと言う部分を考えた時に、私が軽視しがちな選手が門脇のようないわゆる「野球巧者」、「生命力のある選手」と呼ばれるような選手である。阪神の木浪や中野、広島の田中広、DeNAの柴田、中日の村松などといった総合力で勝負する内野手に関しては、その能力がプロの舞台で埋没してしまう危険性もあり、普段アマチュアのゲームを見る機会が少ない私のような者にとっては、どうしても評価し辛い選手になってしまう。しかしそういったタイプの選手がプロの世界で輝きを放ち始めると、長きに渡ってチームを支え続ける選手に成長する可能性が高いとも感じる。門脇については、プロに入って1年ですでにプロのプレースピードにアジャストしているように感じる。フィジカル的なスピードだけではなく、頭で考えるスピードという部分でもすでにプロで通用しているように感じる。そのことによって自分の実力を100%発揮できる状況を作り上げたと言えるのではないだろうか?故野村克也氏が高く評価しそうな選手である。

ヤクルト先発の小澤は、初回からストレートを軸にした配球で巨人打線相手に凡打の山を築いていった。実際には分からないのだが、「ツーシーム系のストレート」と「吹き上がるようなストレート」を投げ分けているのではないだろうか?巨人の各打者が捉えたと思ってスイングしてもタイミングや芯を外され、凡打(特にフライアウト)になる場面が目立った。テレビで見ていると一見厳しく見えないコースのボールでもアウトを重ねることが出来ていた。これが小澤の武器になるのだと思う。そのストレートに球速の遅いカーブやチェンジアップ、横に曲げるスライダー、カットボールを駆使することによって、更に打者からすると対応し辛い投手になっているのではないだろうか?
6回に苦手としている丸に同点ソロホームランを浴びてしまうと、岡本和にも追い込んでからのインコースへのストレートを完璧に捉えられてしまい、ホームラン2発で逆転を許してしまったのだが、今シーズンの小澤は、今持っている力をしっかり発揮してくれたと思う。ソロホームランを被弾することが多かったり、特定の打者に打ち込まれてしまったりしている部分は、来シーズン以降の課題となりそうだが、自分の型は作り上げたのではないだろうか?
リリーフ陣では、タイトルを狙う清水にホールドシチュエーションで登板する機会が巡ってきたのだが、先頭の岡田にヒットを許すと、2アウト1,2塁からルーキーの門脇にサヨナラタイムリーヒットを許してしまった。今日は清水の軸となるアウトローへのストレートとカウント球にも勝負球にも使えるフォークがよく制球されていたと思うのだが、門脇には、追い込んでからストレートもフォークもカットされてしまい、最後は10球目のストレートが少しだけ甘くなったところをセンター前に弾き返されてしまった。この場面については、冒頭にも書いた通り門脇を褒める他ないと思っている。門脇に関しては、すでにショート、サードの守備はプロの1軍で充分に通用するだけのものを見せてくれているし、走塁も只速いだけでなく、シチュエーションに応じた判断が出来る「野球IQ」の高さを感じさせる選手である。今日もサヨナラヒットの場面だけでなく、8回に四球で出塁し、坂本が送りバントを失敗した後にすかさず盗塁を決める場面があった、この辺りが相手チームからすると嫌らしさを感じる良い選手である。

打線は、巨人先発メンデスが多少バタついていた序盤に得点できなかったことが痛かった。初回は、2アウト満塁でオスナがいいスイングを見せたのだが、多少差し込まれたのか打球が伸びず、先制点のチャンスを逃すと、3回のチャンスも村上がダブルプレーに倒れてしまい、得点に繋げることが出来なかった。4回にサンタナがライトスタンドに力で運ぶ「らしい」一発で先制点を奪ったのだが、結局メンデス相手には、この1点に抑え込まれてしまった。終わってみれば、序盤で崩しきれなかったのが敗戦に繋がってしまった部分もあるように感じる。
1点ビハインドで迎えた9回に巨人のクローザー大勢相手にサンタナの2ベースからチャンスを作り、中村の犠牲フライで同点に追い付き、意地は見せてくれたのだが、勝利には繋がらなかった。
7回の0アウト1塁の場面では、長岡が送りバントを決められず、最終的には三振ゲッツーに倒れる場面もあった。この場面については、長岡に送りバントが命じられるのは当然の場面であり、決めなければならなかったのだが、今シーズンバントに苦しんでいる長岡は、今日も身体が固くなってしまっていた。来シーズン以降の課題である。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     巨人になかなか勝てませんね。優勝した年であっても年間の対戦成績で苦戦した年があったりと、ヤクルトにとって元々勝ちにくいチームではありますが、Bクラス同士の対戦なのにちょっと負け過ぎじゃないかと。今季の阪神は巨人にトリプルスコアなんですよね。投手力の良さがそれを可能にしているのでしょうけど驚きの対戦成績です。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      巨人、特に東京ドームでは勝てないシーズンが多いですよね。投手力の向上があれば、もう少し戦えると思うのですが…

  2. sabo より:

    門脇は守備の人かと思ってましたが7月から打ちまくってますね。しかも8月9月と落ちるどころか更に数字を上げるとは覚醒といっても良いんじゃないでしょうか。もし4月からこのアベレージをキープしていれば首位打者争いでした。2年目のジンクスがあるのか…ないんじゃないかな

    • fiys より:

      saboさんへ

      私も門脇に2年目のジンクスはないように感じます。打撃でここまでアジャストしてくるとは思いませんでした。

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