11年、12年シーズンのようなゲーム展開

2023試合結果


ヤクルト0-1阪神

試合直前に先発予定だったピーターズにアクシデントがあったようで、ヤクルトの先発は急遽尾仲が担うこととなった。尾仲は緊急登板にも関わらず、3回1失点と役割を果たしてみせた。おそらく先発の準備は全くしていなかったと思われるのだが、初回から飛ばし、疲れが見えてきた3回も何とか乗り切ってみせた。欲を言えば守備陣がもう少し助けてあげたかったのだが、塩見が不在の中でセンターに濱田を起用しているため、仕方なかった部分もあるだろうか?
それにしても投手陣が圧倒的なスタッツを残す中で打撃陣の調子が上がってこない。これはヤクルトだけに言えることではなく、NPB全体的に言えることのようであり、何となく2011年、2012年シーズンのいわゆる統一球(低反発球)問題が騒がれていた頃を思い出す試合展開が続いている。ボール一つで成績が大きく変わってしまうことを経験しているだけに、どこかで「またボールが変わったのではないか?」などと疑ってしまうこともあるのだが、現状ボールの反発係数などは公表されていないと思われるため、一ファンとしてはそんなことはあまり気にせずに観戦を続けていきたいと思う。しかしもうしばらく同じような展開が続くようであれば、各チーム、戦い方を再考する必要が出てくるかもしれない。それにしても2011年シーズン~2013年シーズンの統一球によるすったもんだを経験したことにより、余計な疑念を抱かなくてはならないことは、ファンとして多少ストレスを感じる部分もある。

阪神を戦力外となり、今シーズンヤクルトに移籍してきた尾仲の初登板は奇しくも昨年まで在籍していた阪神相手となった。昨日1軍登録されたばかりなのだが、役割はリリーフとして、イニングを喰ってもらうことだったと思われる。しかしピーターズのアクシデントにより、急遽先発として甲子園のマウンドに上がることとなった。もしかするとプロ7年目で最も尾仲に注目が集まった瞬間だったかもしれない。初回からストレートやファストボール系のボールを多めに使い、阪神打線と対峙したのだが、初回1アウトから中野に濱田が捕球しきれない中での2ベースヒットを浴びてしまうと、その後のピンチで大山に犠牲フライを浴び、先制点を許してしまう。昨日のサンタナ、今日の濱田と投手にとっては不運な形で先制点を献上してしまった。
しかし尾仲はその後、2回、3回と阪神打線を無失点で抑え、3回1失点でマウンドを下りることとなった。元々コントロールには、そんなに苦労しないタイプの投手だと思うのだが、3回は明らかにボールを制御できない場面が見られた。慣れない起用法での疲れもあったようだが、よく投げ切ってくれたと思う。尾仲に求められる役割はこういったものである。1つ1つチャンスを活かしていきたい所である。
4回以降も大西が2イニング、今野が1回2/3、星が1/3、木澤が1イニングと細目に繋いで、阪神打線に追加点を許さなかったのだが、打線の援護がなく、勝利に繋げることは出来なかった。それにしても開幕からここまでどの投手も本当に良く投げてくれている。同じタイミングで調子が落ちてしまわないか心配になってしまうレベルで各投手が安定した投球を披露してくれている。バンテリンドームでの中日戦での負けゲームでも感じたのだが、投手陣が粘ることで、試合をひっくり返すチャンスを作ることが出来ている。戦い方としては悪くない。

打線は、阪神先発大竹を崩すことが出来なかった。濟々黌時代からクレバーな投球に定評があった大竹だが、早大時代の故障もあり、プロには育成ドラフトでソフトバンクに指名されたエリート路線でありながらプロでは叩き上げというある意味珍しい経歴の投手である。現役ドラフトで阪神に指名されたのだが、現役ドラフトで名前が挙がる投手とは思えない程投球術に長けた投手であり、ソフトバンク投手陣の層の厚さを感じさせてくれる。
その大竹の内外角をいくつかの球種で出し入れし、チェンジアップでタイミングを外す投球術の前に、ヤクルト打線は沈黙してしまった。これまでヒットが出ていなかったサンタナに2本のヒットが飛び出したことが、明日以降につながる唯一のプラス要素だと感じたが、こういったゲームだからこそ、山田、村上、オスナの長打が欲しかった。それを許さない阪神バッテリーも流石なのだが、一振りで流れを変えられる打者は限られているため、明日以降もポイントゲッターとしての役割を期待したい。

今日は、低反発球時代のシーズンと雰囲気が似ているのではないか?という部分に焦点を当ててみたのだが、低反発球時代のシーズンを勝ち切るために大切だと感じたことが3つある。①ホームラン、②四死球、③エラー、の3点である。
ロースコアの展開が増えれば増える程、1点の価値が高くなる。最も手っ取り早く得点を上げる方法はホームランである。機動力ももちろん大切なのだが、ロースコアのゲームで動きを出すことはリスクも伴い、ベンチも選手も動きづらくなる部分はあると思われる。そうなると長距離砲の一発長打に期待したくなるものである。
②、③に関しては、極力ミスを減らしたいという意味で挙げさせてもらった。ロースコアになればなるほど、四死球、エラーというものが、重要になってくる印象がある。今日のゲームでも結局は1つのミスが失点、敗戦に繋がってしまっている。現状塩見を欠く中で外野手の起用法は固まっていないのだが、今後の起用法については、高津監督をはじめとする首脳陣の腕の見せ所である。一発のあるサンタナ、濱田の存在価値も高まる可能性が高いのだが、その分守備面でのリスクもある。この辺りのバランスをどのように取っていくだろうか?注目してみたい。




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コメント

  1. アーム より:

    ここ最近、塩見が二軍で出場していないので、丸山、濱田、並木、赤羽はチャンスですね!

    特に赤羽に出場機会をあげてほしいです。いい起爆剤になると思うんだけどなー

    • fiys より:

      アームさんへ

      現在のチーム構成からすると赤羽は様々な役割をこなさなければならないため、本来の特徴であるパンチ力のある打撃を活かすような起用法が難しくなっていますよね。それでも与えられた役割をこなしている赤羽はよく頑張っていると思います。

  2. sabo より:

    春先はしばしばNPB全体的に打低のときがありますね
    気温や気圧や湿度だったり、ボールの保存方法によって変わるのではと言われた気がしますが、純粋な興味としてNPBと大学や野球のジャーナリストたちで研究してみて欲しい気がします

    とにかくチームとしては管理人さんの言うとおり①ホームラン②四球③エラーがポイントになると思います
    ①ホームランはチーム編成の影響が大きいので今から対応というのも難しいでしょうが②四球と③エラーは戦術として組み込めると思います


    怪我したくてケガする選手はいませんがピーターズにはちょっと・・・
    中継を見れていないので内容は分かりませんが尾仲の好投が一筋の光かもしれませんね
    それにしても高津監督がどう先発をやり繰りするのかすごく難しくなってしまった
    石川は中10日のローテーションだと思いますが
    尾仲も小澤も山本が想像以上にやってくれそうだけど5イニング持つかは怪しい
    この日みたいにショートスターター&ブルペンデーを毎週作るのか
    去年同様原樹理と高梨が中6日だったり中10日だったりで投げるのか
    梅野とケラはもう一軍でもやれそう。リリーフはいるんですよね

    • fiys より:

      saboさんへ

      統一球問題をリアルタイムで経験しているため、どうしてもボールのことが気になってしまうんですよね。

      ピーターズの状態は気になりますよね。
      ケラや梅野は、必ず必要になる時が来ますよね。コンディションを整えておいてもらいたいですね。

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