6回裏2アウト満塁代打新井良

ヤクルト5-2阪神

今日のゲームは野球というゲームの難しさを改めて感じるゲームとなった。タイトルにした6回裏の阪神の攻撃が無得点に終わったことで試合の流れがヤクルトに傾いた。非常に重要な場面だった。

今日は最初に6回裏の場面について触れてみたいと思う。この回からヤクルトはピッチャーを杉浦からロマンに代え、継投に出た。しかしそのロマンがコントロールに苦しみストライクが入らない状況になってしまう。福留、伊藤隼、関本に四球を与えてしまい、1アウト満塁のピンチを招いてしまう。回はまだ6回ということもあり、ここでロマンを諦めることは出来なかったと思うのだが、個人的にはここで秋吉を投入しても良いのではないか?と感じるほどロマンの調子は悪かった。結局ロマン続投となるのだが、1アウト満塁バッター大和の場面で阪神ベンチは初球にスクイズを仕掛けてきた。これは驚いた。満塁でのスクイズはホースプレーになるためリスクが高いのだが、初球に仕掛けてきた。ここは大和が甘いボールをミスしてしまい、ファールとなったのだが、阪神としてはここでどうしても1点を取り、藤浪はそのまま打席に立たせようとしていたのではないだろうか?結局大和はサードゴロに倒れ、2アウト満塁となったのだが、阪神ベンチはここで藤浪を諦め、代打に新井良を送ってきた。こうなった時点でこの場面が今日のゲームのポイントになると感じた。結果はロマンが新井良を三振に仕留めてこの回を何とか無失点で切り抜けて見せた。
今日のゲームはこの6回裏が大きなポイントだった。不調のロマンが3つの四球で1アウト満塁のピンチを招いてしまったのだが、大和を打ち取ったことで阪神は藤浪に代打を送らざるを得ない状況となった。阪神はリリーフ陣に不安があるため、ここまで118球を投げていたとはいえ、もう1イニングくらいは藤浪を引っ張りたかったはずである。しかし状況がそれを許さなかった。正直私は、今日のゲームだけを見た場合、そのまま藤浪に打席に入られた方が嫌だったのだが、阪神ベンチの選択は代打新井良だった。ここでロマンが抑えれば一気に流れがヤクルトに傾くのは目に見えていたのではないだろうか?その大事な場面でロマンが何とか踏ん張ってくれた。
ロマンが不調だったからこそ満塁で藤浪に打順が回ったのだが、もしロマンがこの回をあっさり抑え込んでいたら試合展開はまた違ったものになったかもしれない。野球というゲームの難しさと面白さを改めて実感することのできるゲームとなった。


さてここからはいつも通りの記事に戻りたいと思う。
先発の杉浦はけがで戦列を離脱してから5か月ぶりの登板となったのだが、杉浦らしい丁寧なピッチングを披露してくれたと思う。おそらく初回から飛ばしていったと思うのだが、飛ばした割にはストレートのスピードが上がりきらなかったように感じる。やはり本調子ではなかったと思う。毎回ランナーを許す投球となってしまったのだが、それでも粘り強く低めにボールを集めて見せた。5回で82球を投げ、被安打5(被本塁打1)与四死球2の2失点という数字は5か月ぶりの登板ということを考えれば十分合格点を与えられる数字だと感じる。この大けがをしない投球が杉浦の長所の1つだと思う。とにかく杉浦の課題はフィジカルとスタミナである。次回の登板がどんな投球内容になるか注目したいのだが、今日のところは杉浦の潜在能力の高さを感じることが出来た。
2番手のロマンはおそらく本調子であれば2イニングを予定していたと思うのだが、ストライクを投げることに苦労するような苦しい投球に終始してしまった。何とか無失点で凌ぎきれて良かったのだが、前回の巨人戦、今日の阪神戦と調子が上がっていないのが気になるところである。
7回、8回は久古、秋吉が素晴らしい投球を見せてくれた。久古は、3点リードを奪った後の7回、左の鳥谷、今成との対戦を任されたのだが、素早く追い込み、しっかり抑え込んで見せた。今シーズンのゲーム終盤に関しては、秋吉、ロマン、オンドルセク、バーネットに頼りっきりの状況だったのだが、ここにきて左バッターを抑えるために久古を起用するというオプションが1つ増えたように感じる。以前はこの久古に関しては、右左関係なく1イニングを投げきれる投手になってほしいと考えていたのだが、今のチーム事情から行くと大事な場面できっちり「左殺し」の役割を担ってくれればそれで充分である。今後も大事な場面での登板が予想される。
秋吉は今日も回跨ぎという厳しい起用法となったが、回跨ぎとなった8回は三者連続三振を奪うなど素晴らしい投球を披露してくれた。本当にタフな右腕である。
9回は、バーネットがきっちり三者凡退で斬って取り、がっちり勝利を掴んで見せた。

打線は藤浪の適度な荒れ球の前に苦しんだが、3回に四球で出た川端を山田のタイムリー2ベースで返し、先制すると同点に追いつかれた後の4回には雄平が豪快に右中間スタンドに放り込む勝ち越しソロホームランを放ち、苦手藤浪から2点を奪って見せた。結局藤浪からは6回で3安打しか打てなかったのだが、いい場面で山田と雄平が仕事をしてくれた。特に雄平のホームランは右中間の深いところに飛び込む完璧な一撃だった。藤浪相手に甲子園のあの場所に叩き込むことが出来たということは、今回こそ復調したと見て良いのではないだろうか?今後が楽しみになる雄平の一発となった。
藤浪が降板した後の7回には代わった安藤から上田がヒットで出塁すると川端もしぶとく内野安打でつなぎ、チャンスを広げ、山田の左中間を破るタイムリー2ベースで勝ち越しに成功してみせた。その後畠山が四球を選び満塁のチャンスを作るとバレンティンも押し出しとなる四球を選び、追加点を奪ってみせた。続く雄平も代わった高宮から犠牲フライを放ち、試合を決めて見せた。ピンチの後にチャンスありとはよく言ったもので、7回は1アウトから上田がヒットで出塁したことで一気にヤクルト打線が安藤に襲い掛かった。安藤もヤクルト打線のプレッシャーの前に押しつぶされた格好になったのではないだろうか?まだ本調子ではないが、やはりバレンティンが打線にいることで相手が感じるプレッシャーは今まで以上に強くなっているようだ。

昨日の敗戦で連敗も覚悟したのだが、今日は杉浦がゲームを作ってくれたおかげで藤浪相手にロースコアの競り合いに持ち込めたことが大きかった。首脳陣が思い描いたようなゲームが出来たのではないだろうか?

P.S 今日の球審のジャッジは辛目でしたね。藤浪は元々細かい制球で勝負するタイプではないのですが、球審との相性も良くなかったかもしれませんね。そういう意味では今日はヤクルトに運があったのかな?と感じました。杉浦は元々コントロールがいいタイプの投手だけにストライクゾーンが狭く感じる中でも上手くアジャストしているように感じました。
ヤクルトが勝ったので良かったのですが、個人的にはもう少しストライクを広めにとってくれても良いかな?と感じました。

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コメント

  1. sabo より:

    今日は藤浪への代打が全てでしたね
    これは藤浪からは3安打しかしてないとはいえ山田と雄平で2点奪っていたのも代打への伏線になったと思います
    もしも、0-0という展開だったなら代打を出さなかったかもしれませんが2-2という展開ゆえに代打の可能性を高められましたね

    杉浦はまだ本来のピッチングでは無いようですがそれでもやはりコントロールPは自滅が無いので大崩れしませんね
    なんとか先発枠がひとつ埋まって良かった

  2. k より:

    このゲームは6回裏の攻撃が全てでしたね。藤浪の先発した試合を取れたのは今後にも良い影響ですが黒星を付けられなかったので、まだまだ苦手意識はあるかもですね(おそらく10月1日の神宮で、また対戦だと思いますが、その頃は優勝が掛かった試合になってそうなので必ず攻略して負けを付けて欲しいですね)
    それと久しぶりの割には杉浦は良かったですね、球速は140前後位でしたが相変わらず低めにしか球がいかないので大ケガしませんね、やっぱりスピードより制球を磨いて欲しい投手ですね(私も課題はフィジカルとスタミナだと思います)
    おそらく来週の中日か広島に再登板すると思いますが何とか今シーズン初勝利をあげて欲しいですね。
    次は広島で前回対戦した戸田と黒田ですがホーム神宮ですしバレンティンが戻って雄平が好調な状態で迎える今回は前回とは全く別なヤクルトなので、相手にプレッシャーをかけまくる事が出来ますね。
    先制点を取れば優位に試合を運べるのでバレンティンの前にランナーを出したいですね。
    あと関係ないですが中日の谷繁も引退会見を行いましたが和田・小笠原・朝倉と立て続けに会見と、何かやっつけ仕事みたいでバタバタ感もあって違和感を覚えますね(2000本打った選手達なのに) 
    こういう状態だと中日は、しばらく低迷が続きそうな気配ですね。
    ヤクルトはアットホームなチームですけど、こうならないようして欲しいですね。

  3. ケマル より:

    巨人、阪神との上位4連戦を2勝2敗で乗り切る事ができたのは大きいですね。
    スワローズが追いかける立場なら勝ち越さないとダメなのですが、首位なのでこの結果は良しとしていいと思います。

    今日からは広島戦ですが、勝たなければいけない相手投手の場合はきっちり勝つ、を積み重ねていってほしいです。

  4. trefoglinefan より:

     私は21日の回跨ぎさえ心を痛めているのですが、それでいて22日に連投など狂っているとしか思えません。広島の拙攻に助けられましたが。松岡がどうして使えないのかさっぱり分かりません。

  5. FIYS より:

    > saboさんへ

    そうですね。山田のタイムリーと雄平のホームランで2点を奪っていたことも大きかったですね。

  6. FIYS より:

    > kさんへ

    このゲームは6回裏が全てでしたね。悪いなりによくロマンが踏ん張ってくれました。

    10月1日はどんな状況で迎えますかね?

  7. FIYS より:

    > ケマルさんへ

    そうですね。一戦必勝で行ってもらいたいですね。

  8. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    この状況での酷使は仕方ない部分もあると思います。何と言っても優勝することが目的ですからね。但し秋吉の来シーズン以降の投球に影響はありそうですよね…

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