連夜の神宮劇場ならず

ヤクルト4-6ソフトバンク

ソフトバンクとの実力差を感じるゲームではあったのだが、終盤戦に山場は作ってみせた。これがホーム神宮球場の魔力なのかもしれないが、結局チャンスを活かしきることは出来なかった。

先発の古野は前回の楽天戦と同様、古野らしく変化球をコースに散らす精一杯の投球を見せてくれたと思う。しかし相手は絶対王者ソフトバンクである。2回、3回と2アウトランナーなしから失点してしまった。結局4回を被安打6与四死球1の2失点で降板となってしまった。
おそらくほぼ想定通りの投球だったと思うのだが、5回からマウンドに上がった中澤が誤算だった。先頭のピッチャー和田を四球で歩かせてしまうと今宮に2ベース、柳田に四球を与えてしまい、1アウト満塁のピンチを招くと内川に2点タイムリーを浴びて降板となってしまった。おそらくベンチとしては少しでも楽な場面からと考え、先頭打者が投手の和田というシチュエーションからの登板になったと思うのだが、その和田に四球を与えてから追加点を奪われてしまうという最悪のピッチングとなってしまった。
その後のピンチの場面で登板したのは怪我から約3年ぶりに帰ってきた平井だった。この平井が150キロを超えるストレートを連発する力強い投球を見せ、このピンチを凌いで見せた。ヤクルト待望のパワー型リリーフ投手の復活である。平井は回跨ぎとなった6回も三者凡退で切り抜け今後に期待を持たせる投球となった。回跨ぎとなった6回は球速が落ちていたこともあるため現状としては、無理な起用は難しいと思うのだが、将来のクローザー候補に名乗りを上げる可能性もありそうである。3年前は「若武者」という雰囲気だったのだが、今日は表情含めて随分精悍になったと感じた。怪我で苦しんだ分これから爆発して欲しい。肩の故障からの復活ということで課題は、「コンスタントさ」ということになるだろう。今日の投球は見事だったと思う。
平井の力投で一旦はヤクルトに流れが来そうな雰囲気もあったのだが、結局7回に村中、8回に松岡が失点してしまい、流れを手放してしまった。村中、松岡も決して調子が良いとは言えない中で頑張って投げてくれてはいるのだが、やはり安定感に欠ける印象である。終わってみれば2点差ということでこの2失点は痛かった。

打線は決して調子が良いようには感じなかった和田の前に5回まで無得点に抑えられてしまった。それでも5回までに93球を投げさせたことがボディブローのように効いてきたのか6回に山田のソロホームランで反撃の狼煙を上げると7回には中村、荒木の連打の後大引にタイムリー2ベースが飛び出し、3点差に迫り、なおも0アウト2,3塁で坂口、川端、山田と続く最高のシチュエーションを作ったのだが、坂口、川端が代わった森福の前に抑え込まれると山田もスアレスの前にセカンドフライに倒れてしまい、結局このビッグチャンスを逃してしまった。山田に関してはカウント2-0から150キロを超える甘めのストレートをしっかり強振することが出来ており、状態の良さを伺わせたが、川端に関しては、カウント0-1からの高めのボール球に手を出してしまった中での内野フライということで非常に内容の悪いバッティングとなってしまった。おそらく森福の外角のストレートを待った中でレフト前に落とすイメージだったと思うのだが、こちらはイメージと身体の動きが合致していない印象である。中々状態が上がってこない。
8回には森からバレンティン、雄平の連打でチャンスを作ると代打今浪のタイムリー2ベースと中村のショートゴロの間に2点を追加し4-6と再び詰め寄り、その後も2アウト満塁とチャンスを広げたのだが、結局ここでも川端が三振に倒れてしまい、ブレーキとなってしまった。神宮のボルテージは最高潮に達していたし、昨日の逆転劇もあっただけにソフトバンクにとっては嫌な雰囲気も漂っていたと思うのだが、この空気感を活かすことが出来なかった。
9回はサファテの前に山田、バレンティン、雄平と三者凡退に抑え込まれてしまい、ソフトバンク相手に連勝することは出来なかった。

今日は実力差を感じたゲームとなったのだが、神宮球場の雰囲気は良く、明日以降に期待を持たせるゲームとなったように感じる。交流戦は残り4試合全てホーム神宮で戦えるということもあるだけに1つでも多く勝利を積み重ねてもらいたい。

P.S 7回0アウト2,3塁で坂口がファーストゴロを打ち、3塁ランナーの荒木がホームでタッチアウトになった場面については皆さんはどういう感想を持ったでしょうか?タイミングは完全にアウトだったのだが、個人的には鶴岡が捕球前から走路を塞いでいたように感じたため、「コリジョンルール」が適用され判定が覆るものだと思っていた。しかし判定はアウトのままということだった。そこまで走路を防ぐプレーを厳密に取る必要はないと感じているため、今日の鶴岡のプレーに関しては、アウトでも良いと感じるのだが、これまでのコリジョンルール適用プレーと合わせて見ると「コリジョンルール」が適用されるべきプレーのように感じた。しかし今日のプレーがアウトになったことで少し流れが変わるのではないかと感じる。確実にタイミングがアウトのプレーに関しては「みなしアウト」のような形で無理に「コリジョンルール」を適用しなくなるのではないだろうか?
但しヤクルトファンの私からすると今日に関しては真中監督が怒る気持ちも分かるような気がする。やはりこのルールは非常に曖昧である。


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コメント

  1. trefoglinefan より:

     山田がホームラン打って追い上げたとは言え、まだ3点差もある場面です。どうしてこんなところで、前日投げた村中を使わなくてはいけなかったのでしょうか。そして失点してしまったのですから余計にがっかりです。
     「竹下しか居なかったから仕方なく上げた」のは分かりますが、逆にこのような場面で使えなかったら、どんな場面で使うのでしょうか。前の中島のように、数試合ベンチで見学して貰う為に一軍に上がってきたということなのでしょうか。
     中澤もお粗末だとしか言いようがないです。完全に試合を壊してしまいました。平井は火消し候補にいかがでしょうか。くだらないランク付けのなかに入れずに、ここぞの場面で使える投手に育てて欲しいです。

  2. trefoglinefan より:

     コリジョン・ルールは本当によくないです。曖昧なうえにこれからどんどん危険な場面が出てくると思います。ランナは障害物がないことを前提に勢いよく走り抜けようとするなかで、捕手は送球のずれなどを理由に妨害しに行くでしょう。鶴岡のプレイが許されるならと、同じことを捕手がやろうとしないとも限りません。荒木が紳士的に走ったからいいのですが、障害物がないのが前提の筈と突っ込んで行ったらどうなっていたでしょうか。捕球前に走路を塞いでいる捕手の方が問題になっていた可能性もあります。
     審判は「明らかなアウト」を根拠にしていますが、これも曖昧極まりなく、今後「明らかかどうか微妙なケース」でまたもめることになるとも思います。
     本塁は他の塁と訳が違うことをコメントしたことがありますが、他の塁はオーヴァランしたらアウトである為に到達後その場に止まらなくてはいけないのですし、また突起しているのですから止まることになっているのです。だけど本塁は通り過ぎてもセーフなのですから、逆にブロックしないと危なくてタッチしに行けない要素はあったと思います。走者はタックルしてはいけない。その代わり捕手もベースの一角は必ず空けておく。それでは駄目だったのでしょうか。

  3. 久保田 より:

    いくらアウトのタイミングだったとはいえ、ルールはルールでしょう。走塁妨害になっていいハズです。ルールにまで見放されて、完全にどん底です。ほか、まだ2点差で中澤投手の投入は危険な賭けすぎだったと思います。村中投手の連投も厳しかったでしょう。古野投手については、もう少し投げさせても良かった気がします。また、西田選手も早く降ろしすぎかと思いました。ところで、由規投手は報道があっただけで、結局は一軍復帰は遠そうですね…。杉浦投手は、たぶん今週末には復帰してくれると思いますが…。

  4. k より:

    古野はバレンティンの送球ミスや中村のセカンド悪送球など味方のマズイ守備で失点なので次回もチャンス与えてもいいかなと思いますね。
    ソフトバンクの拙攻だらけだったので中澤と村中の四死球が絡んでの失点は流れもこないですし接戦はものに出来ないですよね、交流戦明けは村中・松岡を先発で試して欲しいですがキャンプから長いイニング投げる調整をしてないから厳しいかなと。
    この試合は川端がブレーキでしたが春先から坂口・川端の並びは本当に繋がらないですね、この試合も坂口は猛打賞で川端は4三振、理由はないと思いますが1番坂口でで2番大引で3番川端とか二人を離して起用して欲しいですね。
    あと平井は良かったですね、スピードも150出てましたし球威で相手を抑えるのは今のヤクルトにはいないので今後が楽しみです、今年は無理させず来年勝負くらいに考えないといけませんね。
    コリジョンですが広島のサヨナラコリジョンや阪神原口のコリジョンと一緒でセーフなんでしょうけど送球がそれて走路に入ったらコリジョン適用が多いのと捕手がホームベース前から動かない場合はアウトの判断なのかなと感じます、どちらにせよ審判によってバラツキがあるしホームクロスプレーで必ず監督が出てきてビデオ判定を要求しアピールをするのもプロとしてみっともなないので早く止めた方がいいですね、単純にタックル禁止とブロック禁止でいいと思います(メジャー見てても、こんなコリジョン見たことないですし)やるならチャレンジ導入した方がいいですね

  5. トムモリー より:

    どなたかも仰って居ましたか、昨日の状況で荒木選手がキャッチャーにタックルをしていたらどうなったのでしょうか?
    もしそれでキャッチャーが走塁を妨害したとしてセーフにでも成れば、コリジョンルールが出来た経緯を全てぶち壊す事になります。
    本来タックルを禁止する為のルールですからね。
    タックルした者勝ちなんて馬鹿げています。
    一昨日の広島戦の結果を見た時も必要無いルールだと思ったばかりですが、単純にタックル禁止だけでよかったと思いますm(_ _)m

  6. 井野ファン より:

    井野さんは一体いつ起用するつもりなのかな。
    これまで一度も出たことがないし、イニング間に中村などがプロテクターの用意してる間の代わりの投球練習の球を受けるような出方しかしないではありませんか。(中村が来たらボール託してベンチにはけます。)

    西田みたいに捕手以外のポジションを練習したほうがいいと思います。

  7. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    平井はうろ覚えですがクイックも悪くなかったと思いますのでtrefoglinefanさんの言う火消し候補に入る投手でしょうね。

  8. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    報道を見ていると確かに審判団は「明らかなアウト」ということを根拠にしたようですね。これは問題ですよね。「明らかなアウト」であれば走路を塞いでも問題なしという見解なのでしょうか?ちょっと耳を疑ってしまいます。 

  9. FIYS より:

    > 久保田さんへ

    私もまだコリジョンルールというものに慣れていないのですが、昨日の鶴岡のプレーは最初から走路を塞いでいるように見えますよね。審判団は「明らかにアウトのタイミングだったから。」ということを根拠にしたようですが…曖昧なルールですね。

  10. FIYS より:

    > kさんへ

    私もコリジョンルールというものに慣れていないのですが、私の中では広島のサヨナラコリジョンや原口のコリジョンはアウト。昨日の鶴岡のような送球は逸れていないが最初から走路を塞いでいる場合がコリジョン適用でセーフという認識だったのですが…ちょっと分かり辛いルールですね。試行錯誤する中で徐々に分かりやすくしていってもらいたいですね。

  11. FIYS より:

    > トムモリーさんへ

    そうですね。昨日の場面で荒木がキャッチャーを避けずにスライディングしたり、そのままぶつかっていったらどのような判定だったかは気になりますね。

  12. FIYS より:

    > 井野ファンさんへ

    井野選手の個人的なファンの方々からすると今の起用法には不満を覚えてしまうかもしれませんが、第三捕手の役割をしっかりこなしているのではないでしょうか?

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