185・28・128

2023試合結果


ヤクルト2-0西武

「185・28・128」という数字が何の数字であるのか、ヤクルトファンの多くは理解していると思われる。「185」は石川の通算勝利数、「28」は石川の交流戦での通算勝利数(単独1位)、「128」は清水の通算ホールド数(球団新記録)である。いずれの数字も価値ある数字である。そして今日の西武戦は、決して簡単なゲームではなかった。石川にしても清水にしてもプレッシャーの掛かる場面でも投げ続け、結果を残し続けてきたからこその記録である。
石川の通算勝利数が160勝を超えた辺りから、一ファンとして、チームの勝ち星という部分と共に石川の勝ち星というものを強く意識するようになっていた。そうなると石川が好投したのに打線の援護がなく勝ち星が付かなかったゲームや石川に一旦は勝ち投手の権利が発生しながら、リリーフ陣がその権利を潰してしまったゲームがより強く印象に残るようになっていた。前回登板した日本ハム戦などもそういった類のゲームだった。意識し始めると「何でこんなに勝てないんだ。」などと思ってしまうのだが、おそらく石川はチームメイトに対してそんな不満を感じることは皆無なのではないだろうか?長いイニングが投げられなくなったり、登板間隔を空けなければならなくなったりと、年齢による変化はあるのだが、常に探求心を持って、最善の準備を怠らない姿は、いつになっても変わらない。石川がこれだけ長きに渡ってNPBで結果を残し続けている大きな要因なのだと思う。
石川の登板日には、打線の援護をいつも以上に期待してしまうのだが、今日は、青木が武岡がオスナが守備で石川を援護してみせた。こういった援護も石川にとっては、大きなことである。今日の勝利はチームの信頼関係を深めるだけでなく、長年に渡ってヤクルトファンを続けている方々と新規のヤクルトファンの方々を繋げるような勝利にもなったのではないだろうか?

前回の日本ハム戦は、中6日での登板となったのだが、7回2失点としっかり試合を作ってみせた石川は、今日は中10日でのマウンドとなった。現在のチーム状況、相手先発が西武のエース格高橋光成だったことから、1つの失点が重くのしかかる展開になることは目に見えていた。そんなプレッシャーが掛かるマウンドでも石川は落ち着いていた。前回の日本ハム戦同様、ストライク先行のピッチングで西武の各打者が早めに勝負を掛けなければならないシチュエーションを作り、球数少なくアウトカウントを重ねていった。そんなテンポの良さも手伝ってか、初回には青木がスライディングキャッチを見せ、3回には武岡がダイビングキャッチを見せ、5回にはオスナがイレギュラーバウンドに上手く合わせ、石川を助けていった。特に武岡とオスナのプレーは、120点を付けたくなるような好プレーだった。今日ショートでスタメン起用となった武岡は、源田の三遊間よりのゴロにダイビングし、捕球するとすぐさま一塁へダイレクト送球を見せ、アウトを奪ってみせた。俊足の源田との競争であったため、ダイレクト送球するしかアウトには出来ないプレーだったのだが、きっちりアウトを取ってみせた。首脳陣に対して、大いにアピールするプレーだった。オスナのプレーも、抜けていれば間違いなく同点になっていた場面で、イレギュラーバウンドに反応してダイビングキャッチをしてみせた。捕球出来なくても責められない打球をしっかり捕球したあたりにオスナの反応の良さとハンドリングの良さを感じることが出来た。石川は、自分のボールで打者を圧倒できるタイプの投手ではなく、打たせて取るタイプの投手である。そういった投手が投げている時に守備で未然にピンチを防いだり、失点を防ぐことはとても大切なことになってくる。今日は野手陣が守備で素晴らしい働きをしてくれた。
そんな好守にも助けられながら、石川は、5回2/3で74球を投げ、被安打3、与四死球1の無失点と試合を作ってみせた。2アウト1塁の場面でマウンドに上がった大西もマキノンを1球で仕留め、仕事をすると、7回からは、星ー清水ー田口と1イニングずつ繋いでみせた。星と清水は1点でも失えば、石川の勝ち投手の権利が潰えてしまうシチュエーションだったのだが、西武打線をきっちり無失点で抑えてみせた。現状の西武打線は決して迫力のある打線ではないのだが、1-0というスコアのゲームでこれだけの投球が出来るのは見事である。
そして清水は、今日のホールドで通算ホールド数が128となり、松岡健一が持っていた球団記録を更新してみせた。正直清水がここまでのスピードで球団記録に迫っていたことを知らなかった。先日のロッテ戦でホールドを記録し、球団記録に並んだとの報道を見て、驚いたものである。清水はルーキーイヤーは先発として結果が出ず、2年目からリリーフとして安定した数字を残してきている。リリーフ投手にしては、ストレートのスピードは決して速い方ではないのだが、抜群のコントロールと大怪我をしない低めのフォークという武器を使って、安定感のある投球を毎年披露してくれている。清水と言えばプロ初勝利までにかなりの時間を要した印象が強かった(リリーフ投手であるためもちろん運の要素も強いが。)のだが、ホールドに関してはしっかり数を重ねていた。失敗が目立つポジションを若くして任され、プロ5年目でホールド数の球団記録を更新したことは立派なことである。抑えて当たり前のポジションで結果を残し続ける清水にはこういった時にしっかりスポットライトを当ててもらいたい。

打線は、ここ数試合繋がりに欠ける中で、今日もオーダーをいじってきた。
1番セカンド山田、2番センター内山、3番DH川端、4番サード村上、5番レフト青木、6番ライトサンタナ、7番キャッチャー中村、8番ファーストオスナ、9番ショート武岡というオーダーになった。全体の流れを考えてこういったオーダーになっていると思うのだが、2番内山、5番青木で、サンタナを6番、オスナを8番というのはかなり思い切ったオーダーに感じた。
その打線は、初回、2回に高橋光成相手にチャンスを作ったのだが、得点を奪うことが出来ず、そんなことをしているうちに徐々に高橋の状態が良くなってきてしまっていた。しかし4回に2つの四球でチャンスを作ると中村がしぶとくセンター前に抜けるタイムリーヒットを放ち、先制点を奪うことに成功する。その後追加点を奪えず、じりじりとした展開が続いたのだが、9回に2アウトランナーなしからオスナの四球と武岡のヒットでチャンスを作ると山田が、この回からマウンドに上がったティノコからタイムリーエンタイトルツーベースを放ち、貴重な追加点を上げてみせた。ティノコの150キロ越えのツーシームに力負けせずにしっかり右手で押し込むことが出来た一打だったのではないだろうか?
今日も打線が繋がった訳ではないのだが、チームとしてしっかり噛み合った中で勝利を手にし、連敗を3で止めることが出来た。全体的に見て「ナイスゲーム」と言いたくなるゲームだった。




基本は、真っ直ぐ ?? 石川雅規42歳の肖像

新品価格
¥1,881から
(2023/6/10 19:24時点)




にほんブログ村 野球ブログ 東京ヤクルトスワローズへ
にほんブログ村

コメント

  1. sabo より:

    200勝への期待が高まるピッチングでした

    武岡のファインプレーは凄かったですね。あの体勢からあんなボールを投げられるとは。

    8番オスナなどDHだとユニークな打線が組めますね。DHなしだとどうしても投手で線が途切れてしまいますから

    • fiys より:

      saboさんへ

      ヤクルトも石川もとにかく1つ1つですよね。

      高津監督は全体のバランスを重視してオーダーを決めるタイプですよね。

  2. 超匿名 より:

     交流戦通算最多勝を争う和田が勝てば、すかさず石川も(こんな言葉はないでしょうが)勝ち返すというね。二百勝に向けては徐々に視界が開けてきています。とりあえず本人が来季も現役を続ける気持ちになれる結果を、次回以降の登板でも残せるように願っています。
     清水は新人の時はどうなることかという状態でしたが、入団前の想定と違ってもヤクルトの歴史に残る投手になってくれたのだから万々歳でしょう。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      石川も清水も素晴らしい記録ですよね。2人とも想定以上に投げてくれているのではないでしょうか?

タイトルとURLをコピーしました