奥川恭伸

高校野球

高校野球ファンであれば誰もが知っている投手ではあるのだが、星稜高校の奥川恭伸がセンバツの舞台で改めてその実力を示して見せた。大阪の強豪履正社相手に17奪三振で完封勝利をあげて見せた。私は長野県民であるため同じ北信越地区で戦う星稜高校の奥川の凄さはこれまでにも味わってきた。特に秋季北信越大会で長野県の強豪校の1つである松本第一高校相手に先頭打者から10者連続奪三振を記録し、5回で13の三振を奪った試合は衝撃的であった。
松本第一と言えばここ15年程で一気に力を付けてきた私立校であり、甲子園を視野に捉えているチームである。そのチームを相手にこれだけの投球を披露する事自体が凄い事なのだが、この奥川は、この1試合だけ絶好調だったということではなく、どのゲームでも安定して結果を残す事が出来ている。ストレートもスライダーもフォークも超高校級のボールだし、それらのボールをしっかりコントロールして操る事が出来ている。

今日の試合前に履正社の岡田監督が「阪神タイガースの開幕投手が甲子園で投げるのを相手にしなければならない。」というような主旨のコメントを残したようだが、私もお世辞でも何でもなく、今日の投球であれば今すぐプロの舞台で投げても5~6イニングくらいであれば試合を作れるくらいの完成度の投手だと感じた。

これまでこのブログでも夏と春の甲子園大会については毎年触れてきており、色んな選手のことを書かせてもらっている。以前県立岐阜商業の高橋純平(現ソフトバンク)の投球を見て、今村猛(清峰→広島)、高橋光成(前橋育英→西武)よりも即戦力度は上なのではないか?と書いた事がある。高橋純平は夏前に怪我をしてしまい、現在もプロでは結果を残せていないのだが、奥川に関しては、当時の高橋純平と比べても完成度もプロでの即戦力度も上だと感じる。試合を支配する程の圧倒的なスキルを持ち合わせている。
横浜高校時代の松坂大輔や駒大苫小牧時代の田中将大辺りの名前を上げなければ奥川と比べられる投手はいないのではないか?と感じさせてくれる。正直言うと新3年生になる直前のセンバツ時点での評価であれば奥川の方が上なのではないか?と個人的には思っている。とは言ってもまだ高校生の投手に過度な期待は禁物なのだが、怪我なく、今のフォームを崩す事なく高校生活を終える事が出来るのであれば、ルーキーイヤーからプロの舞台で活躍するだけの力を持った投手だと感じる。平成最後のセンバツでとんでもない投手に出会える事が出来た。

これまで今年のドラフトに関しては、この奥川と佐々木朗希(大船渡高)、西純矢(創志学園)、及川雅貴(横浜高)のBIG4と言われていたが、奥川の完成度は図抜けているように感じる。これだけコントロールがまとまっている中でこれだけ三振を奪えるタイプの投手が過去の甲子園大会でいただろうか?私の記憶ではちょっと思い付かない。
ドラフトまではまだ時間があるため、何が起こるか分からないのだが、最終的には奥川と佐々木の2人が超目玉となるドラフトになるかもしれない。

P.S 敗れはしたが、履正社高校も流石にタレント集団だな。と感じさせる雰囲気を持っていた。17個の三振を喫してしまったのだが、奥川相手に打席では堂々としていたし、初球から積極的にスイングを掛けて行こうという意図は伝わってきた。トップバッターの桃谷などは結果は残せなかったが、鋭いスイングをしており印象に残った。

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