1枚の写真から伝わるもの

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7月11日にヤクルト球団創設50周年を記念した「Swallows DREAM GAME」なるものが開催された。いわゆるOB戦なのだが、野村克也監督率いる「GOLDEN 90’S」と若松勉監督率いる「Swallows LEGENDS」が対戦し大いに盛り上がったようだ。私自身はOB戦にはそれ程興味を持っていなかったのだが、ネットなどの反応を見ると非常に良い企画だった事が伝わってきた。

翌日の新聞に代打で野村監督が登場した際の写真が掲載されていたのだが、この写真が素晴らしいものだった。打席に立つ野村監督の身体を支えるように池山氏、古田氏、川崎氏、真中氏が寄り添っている写真である。野村監督の表情、野村監督を支えている4名のレジェンド選手の表情ともに素晴らしい表情をしており、この1枚の写真だけで物語が見えてくるような素晴らしい写真となっていた。
私は88年シーズンからヤクルトファンになったため、90年代のいわゆるヤクルト黄金時代は特別な時代である。その時代の監督、選手が終結して野球をしている姿を見ているだけで感慨深い思いに浸る事が出来た。動画自体は見ていないのだが、上記の野村監督が打席に立つ写真だけで沢山の感情を思い起こす事が出来た。
そしてあの時代のヤクルトというのはやはり野村監督と共に選手が成長して作りあげたチームだった事を改めて感じる事が出来た。93年の日本シリーズで西武を破った後ヤクルトの選手たちがグラウンドで嬉し涙を流している写真も1枚の写真として印象に残っているのだが、その姿も思い出させてくれた。

沙知代夫人を亡くし、一人身となってしまった野村監督は最近では体調不良もあり、テレビ出演をしていても老いを感じる事が多かった。しかしヤクルトのユニフォームを着て写真に映る姿は「野球人」そのものの姿であった。そして過去の教え子達の嬉しそうな表情が野村監督の選手との関係を物語っていた。
もしかすると野村監督にとっても黄金時代を作ったヤクルトの選手達は特別な存在なのかもしれないし、選手達にとっても野村監督は特別な存在なのかもしれない。
テレビで野村監督が当時の選手達のことを皮肉っぽく語ったり、選手達が野村監督をいじるような話しをすることもあるのだが、その関係性は私達一般人には分からないような特別な関係性なのかもしれない。イチローは引退会見の時に現役生活中に貫けたものとして「野球を愛したこと。」と語っていたが、野村監督もまた野球を愛し続けた野球人であるように思う。どこか偏りもあり、偏屈に感じることもあることは事実なのだが、憎めない可愛らしさのようなものも身に纏っているのが野村克也という人物の特徴ではないだろうか?

あの写真から伝わるものはファンの年代によっても違うのかもしれないが、大袈裟ではなくヤクルト50年の歴史に残るような貴重な写真になったと感じる。自分の身の回りの人物以外の写真でこれほど暖かい気持ちになれたり、感情が動かされた写真はなかったかもしれない。

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コメント

  1. 南国燕 より:

    お疲れ様です。
    個人的には、オールスターより楽しみにしていたヤクルト50周年企画でしたね。
    ヤクルト1期生と言われる、大矢 明彦、松岡 弘から、昨年引退した松岡 健一、山本 哲哉など、どの時代でヤクルトファンになっても楽しめる企画でした。
    以前管理人さんが平成のヤクルトベストナインの企画を行っておりましたが、正しくそのメンバー達がヤクルトのユニフォームの袖を通しプレイしたのですから、楽しめました。背番号『1』も若松、池山、岩村の3選手揃だし個人的にもう一度観たいと思った八重樫、杉浦など皆さん老いまいたけど、あの構えやバットの振り方は懐かしさを感じました。

    その中でヤクルトOB選手ではない野村監督が代打したり、最後の締めの言葉を行ったことがヤクルト50年の歴史を語るには野村監督は外せない人物と言うことでしょう(私はそう思います)
    最後の古田、野村、若松、小川の並びで野村が小川に野村節で渇を入れるシーンは忘れられないですね。

  2. k より:

    レジェンドマッチは感慨深いものがありましたね。
    やはりヤクルトは90年代の黄金期ですよね、私は80年代の暗黒時代からファンだったので強いチームと弱いチームとの差を感じましたね。その強いヤクルトと弱いヤクルトのOBが一緒に野球してるのを見ると改めてヤクルトの歴史を感じましたね。
    また映像を見ても野村ID野球と古田敦也という存在がヤクルトというチームそのものだったんだなとファンの反応や報道を見ると改めて思いましたね。
    その二人と野村監督の教え子達が至るところで指導者になってるのを見ると凄い野球をしていて本当に強かったんだなと再認識しましたね。
    また個人的な意見ですが野村監督は数多くの教え子を育てたのですから、古田敦也も解説ではなく現場に戻って若い人達に伝えないといけない立場だと感じましたね。
    ヤクルト球団はこれだけ貢献した古田敦也にGMとかポスト用意してもいいのでは?と思いますし、今の世代に野球観を伝導する立場になってもらいたいですね。

  3. FIYS より:

    > 南国燕さんへ

    様々な年代のヤクルトファンを繋げる企画でもありましたかね。

    やはり野村監督はヤクルトに欠かせない人物ですよね。

  4. FIYS より:

    > kさんへ

    私は古田の解説が好きなため、そういう方向で野球の面白さを伝えていくのは「あり」だと思っています。しかしkさんのおっしゃる通り、古田が現場でどのような指導を行なうか?というのはもう一度見てみたいですよね。これ以上年齢を重ねると少し厳しくなってきそうですしね。

  5. タラちゃん より:

    私も関根監督時代からのファンなので、
    本当言われた感じの感想でしたし、

    初の日本一メンバーでどちらかというと疎遠な感じだった、
    松岡氏、大矢氏もこういうイベントでまたスワローズとかかわりモテたのはすごく良かったです。

    この時期ではなく、12月頭とかで、
    現役監督、コーチなどやられている方も出やすいのでその時期に見たいが、
    そうなると寒すぎていろいろと問題もあるだろうなと。

    ただ気になったこと。1つ。
    それは広沢氏。
    いないことになっていることへの違和感。
    確かにFAで読売へ移籍したことっていうのは大きいし、フロントはいろいろな禍根を残しているのもわかるが、
    もうあれから25年。もうお互いに歩み寄って良いし、
    ノムさんのときに優勝、日本一になった92年、93年のときって、
    イケトラが中心に関根監督時代から引っ張っていたわけなんで、その歴史をなかったこと(黒歴史)にしてしまうと、
    関根監督時代時代からのファンからすると違和感しかないですね。

    心配なのは山田哲人がFAで読売への移籍になった場合の対応。

    広沢氏と同様になってしまうのかな?

    それ以外は良かったと思います。
    またこういう機会あったら見たいですね。

  6. FIYS より:

    > タラちゃんさんへ

    広澤氏がいないことへの違和感は感じますよね。私が応援し始めた頃の主力選手ですから。それでもヤクルト球団を振り返るような雑誌には登場しているのでそこまで関係が悪いとは思っていなかったのですが…何かしら事情があるのですかね?

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