代打川端が決めた!それにしても巨人は強い…

ヤクルト6x-5巨人

昨日とは違う。防戦一方ではなかった。チームとして80点~90点は付けられる出来だったと思う。それでも逃げ切れなかったのは、巨人が強かったからである。しかしそんな巨人に競り勝てたことは評価して良いのではないだろうか?

先発の小川は、おそらく今シーズンの中でも最も良い投球内容だったのではないだろうか?ストレート、変化球ともにコントロールが抜群だった。初回こそ丸に先制ホームランを浴びた後にバタついたが、そこを凌ぐと、そこからは危なげない投球を披露してくれた。結局初回同様に2アウトランナーなしから丸、ウィーラーにソロホームランを浴びてしまったのは、痛かったと言えば痛かったし、勝ち星を逃す要因にもなってしまったのだが、7回を被安打5(被本塁打3)与四死球1の3失点という数字は、強力巨人打線を相手にしたことを考えれば合格点を与えらえると思う。打席できっちり送りバントを決めることが出来たのも小川らしかった。

今日は5-3の2点リードで8回から継投となったのだが、昨日は巨人打線を抑えてみせた清水、石山がともに1点を失ってしまい、同点に追いつかれてしまった。もちろん抑えてもらいたかったのだが、終盤の巨人の強さ、原監督の駒の使い方は流石である。清水、石山ともにその後のピンチで失点しなかったことがチームのサヨナラ勝ちに繋がった。よく粘ってくれたと思う。

打線は2番山田哲が明らかにフィジカル面に異常が出ている中で、多少迫力に欠けてしまっている部分はあるのだが、それでも他の選手がカバーし、相手のミスにも付け込みながら6点を奪ってみせた。この辺りは昨シーズンまでにはなかった攻撃である。先制点を奪われた後の初回に山田哲の2ベースと青木の2ランホームランですぐに逆転した攻撃は見事だったし、5回のチャンスで変則左腕大江からしっかり踏み込んでタイムリーを放った山崎のバッティングも見事だった。そして今シーズン初めてスタメン出場となった廣岡も3三振しながらもライトスタンドに飛び込む廣岡らしいホームランを放ってみせた。サードでのダイナミックな守備含めて「ブンブン丸」池山が帰ってきたようなプレーぶりだった。
4回のチャンスで大江の前に坂口がダブルプレーに倒れてしまったり、山崎のタイムリーにしても亀井が後逸したのを見て山崎自身がホームを狙い、チャンスを潰してしまったり、廣岡がホームランを放った後のチャンスで村上が凡退してしまったりと、中々点差を広げられないもどかしい攻撃が多かったことも確かなのだが、四球を選んだり、送りバントを決めたりという基本的なことがしっかり出来ていたため、最後の仕上げ以外は機能していたように思う。大江や堀岡という若手相手に崩しきれなかったのは、課題ではあるのだが、今日のゲームに関しては、しっかり最低限の仕事を果たしていた選手が多かったのではないだろうか?
同点に追い付かれた後の9回の攻撃に関しても相手のミスからチャンスを作り、山崎がしっかり送ってチャンスを広げた中で代打川端のサヨナラタイムリーに繋げてみせた。選手がしっかり監督の期待に応える場面が多かったのではないだろうか?その最たるものが川端のサヨナラタイムリーだった。相手ピッチャーは巨人のリリーフ陣で最も安定していると言っても良いサウスポーの中川、1アウト満塁で打者は井野という場面で高津監督は敢えて左の川端を代打に送った。右打者が古賀しか残っていなかったということもあっただろうが、川端を1軍に置いているということはここで使うということなのだろう。
川端は中川の初球のストレートに完全に振り遅れていたため、やはり今の川端の状態では厳しいのでは?という思いもよぎったのだが、2球目の外角のストレートを狙いすましたように捉え、三遊間を破るサヨナラタイムリーを放ってみせた。しびれる場面でしっかり仕事を果たした川端は流石である。

これまでの戦いぶり、今日の試合を見ていてもやはり巨人は強い。しかしヤクルトも本当によく粘り強く戦っている。昨シーズンであれば勝てなかったのではないか?と感じさせるような展開でも今シーズンは今日のように競り勝つことも出来ている。もし今日の試合を落としていれば、かなりダメージが残る敗戦になったはずである。しかし苦しみながらも勝利を手にすることが出来たことによって逆に昨日の引き分けの価値が高まったように思う。悪い流れになりそうなところを断ち切る川端の一打だった。

※SKさんからコメント頂き、川端が代打に入った場面、代打を送られたのは渡邊ではなく、井野だったため記事を訂正しました。

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コメント

  1. sk より:

     細かいことかもしれませんが、川端が代打に入ったのは渡辺ではなく

     井野ですね。

  2. FIYS より:

    skさんへ

    ありがとうございます。細かくありません。非常に重要なことです。打者が井野であれば、当然の策ですからね。記事を訂正します。

  3. JEF九郎 より:

    昨日の試合を取れたのは非常に大きいですね。しかも、獲り方としても最悪のケースと紙一重ではあっただけに、非常に大きい形だったと思います。これで一昨日のドローが我々にとっては価値のあるものに変わり、相手にとっては痛いドローになったと思います。

    個人的には川端推しとしては、無論彼の一打を絶賛したいところですが、それ以上に光ったと思ったプレーは、その前の山崎の送りバントです。
    ここまで小兵“としては”非常にパンチ力はあるものの、一方で小兵“なのに”小技が全くダメな印象があった山崎ですが、昨日の痺れる場面では見事なバントを決めてくれました。あのバントがあればこその川端のタイムリーだったような気がします。

    あとは球場の雰囲気ですね。川端登場の折の雰囲気は、コロナ前に近いものがあったのでは無いでしょうか。追い風になったと思います。

    そして今日は3戦目。勝てば一気に2ゲーム縮めることができます。しかし、この3連戦で我々は負け越しは無くなったので、気を抜かない程度にリラックスして臨んでもらえればと思います。

    ※ あと、廣岡にも彼らしい右方向の一打が出ましたね!

  4. sabo より:

    強い巨人
    巧いヤクルト
    という印象を受けました。
    今年のヤクルトはミス少ないこととここぞというときに小技が効きますね

    最終回の山崎晃大朗も含めてバント3回決めたのは去年と違いますね

    小川と石山に関してはピッチャーとしてはベテランといえるキャリアになってきただけある老獪さを感じましたね。特に小川は調子良かった5回までよりストライクゾーン狭くなってくるしくなってきた6回からの引き出しの多彩さが彼の真骨頂であり重信から三振を奪ったチェンジアップは見事でした。石山も同点にされても満塁になっても自分の投球を見失わないですね。こういうときに逆転までされないのが巧さだと思います。とはいえエスコバーの送球危なかった。ツーアウトだしファーストの方が余裕があったように感じましたがアウトにできて良かった

    正直、巨人の方が個々の力は上というのは成績見れば分かるわけで。その巨人に勝っていくにはミスせず細かく隙を突いて勝つしかないかな。

    ちょっと気になったのは巨人の大江投手で、21歳で変則サイドに転向と聞き驚きました。高卒1年目から二軍で結果出してるのにもう左殺し特化フォームにしちゃうなんて……プロの世界は厳しいし本人も納得してフォーム変更したのでしょうが……私としては大成する可能性を捨てる勿体無い選択に感じます。

  5. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    川端投入のためのお膳立てがしっかり出来ましたよね。その中で結果を残した川端は見事でした。

  6. FIYS より:

    saboさんへ

    高津監督のやりたい野球は伝わってきますよね。

    9回のエスコバーの守備はあの体制からだと一塁はおそらくセーフです。あの判断しかなかったと思います。

    大江のサイド転向は私も驚きました。元々サイズに恵まれていないので早めに決断しましたかね?

  7. タラちゃん より:

    読売さんの一発攻勢はね。脅威だよね。
    クローザーは不在だが、リリーフの質よりも数で勝負っていう感じね。
    金曜日、中川を回跨ぎさせていたことがこの試合に勝ちこされずに勝てた遠因でもあったなと。
    まあ松原のエラー(記録は青木の2塁打)は大きかったです。

    山崎のバント。
    変則左腕の中川。ここまで失敗続き。3塁フォースアウトになる。
    など厳しい感じですが、しっかりと送ることできたのも大きかったです。
    この1プレーがサヨナラ勝ち決めたのかと・
    そして山崎にもウインウインで、
    打席数増えるが、打数増えないで打率落ちない。犠打っていうある意味首脳陣からしたら優しい采配に漸く応えることできたね。
    今後こういう犠打をこなすことで、終盤打率3割目指すのに、こういう打数増やさない打席も打率稼ぐのに重要なんで、そのあたりしっかりとやってほしいし、自分の年俸にも跳ね返ってきますから、しっかりと稼いでほしいものです。

    何だかんだで、
    クローザー炎上がどこのチームも続いているが、
    劇場型クローザーでも結果抑えていたり、同点までで凌いでいるだけ石山は優秀なんだなと。とくにベイスターズやカープファンから言われました。羨ましいって。

  8. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    巨人の打線の圧力は凄まじいですね。ホームランも打てれば、終盤の競り合いで相手をじわじわと追い込む術も持ち合わせており、本当に厄介な相手だと感じます。

    セリーグ全体を見渡すと、石山は頑張っている方ですね。

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