原巨人にやりたい放題にやられる。

ヤクルト4-5巨人

原監督は間違いなく名監督である。第一期政権時にも第二期政権時にも今シーズンのようにやりたい放題にやられてしまったシーズン、ゲームがあったことを記憶している。今日は結果的には岡本の2発、大城の1発の3発のホームランに沈んだ形ではあるのだが、巨人の強さの本質はそこではない。20年~25年前の巨人の攻撃の本質はこういった「空中戦」にあったかもしれないのだが、今の巨人にとってホームランは数ある武器の一つであり、相手チームにプレッシャーを掛ける方法をいくつも取り揃えている印象である。「個の力」でも「ベンチワーク」でもあらゆる方法でプレッシャーを掛けてくる。非常に戦い辛いチームである。
今日のゲームではそれだけに留まらず、投手起用についても1点を争う緊迫した場面の7回途中から8回まで鍵谷に抑え込まれ、9回は高梨に抑え込まれてしまった。本来の中川ーデラロサという継投でなくても完璧に抑え込まれてしまった部分に点差以上の実力差を感じてしまった。
今シーズンのここまでの戦いで一番悔しい思いをしているのは、おそらく高津監督である。野村ヤクルトで野球を学んだ高津監督にとっては、「考える野球」というものは当たり前になっていたはずである。相手チームからすると嫌らしさを感じる野球、それがヤクルトだった時代が20年程続いていた印象がある。しかし徐々に野村監督の教えは薄れ始め、私の中では2014年シーズンに小川監督が完全にチームの方向性をシフトチェンジしたように感じていた。その後真中監督が就任1年目でリーグ優勝を果たし、小川監督の野球を上手く継承したと思っていたのだが、その後は不振が続き、17年シーズンの97敗という屈辱も経験した。18年シーズンからは小川監督、宮本ヘッドという体制になり、また野球へのアプローチの仕方が変わった印象があったのだが、昨シーズンの大失速もあって、チーム作りが固まらない中で今シーズンから高津監督が指揮を執ることとなった。ヤクルトの1軍投手コーチ、2軍監督を経験し、ここ数年の内部事情は把握しており、それ以前はメジャーをはじめとする様々な野球文化に触れてきている高津監督への期待は大きかったのだが、高津監督は理想と現実との間で苦しんでいる印象がある。理想通りにことが進まないと、チームが崩れてしまう印象である。おそらく「こんなはずではなかった。」という思いを抱いているのではないだろうか?守備にしても攻撃にしてもヤクルトの「型」、「勝ちパターン」というものが未だに見えてこない。9月に入ってからは、投手陣の踏ん張りもあり、僅差のゲームが続いているのだが、ことごとく落としてしまい、ここまで2勝8敗1引き分けという数字が残っている。勝っても負けてもおかしくないゲームを一つでも多く拾うのが野村ヤクルトの真骨頂だった。そんな野村ヤクルトでプレーしていた高津監督にとって今の状況はいたたまれない状況であるはずである。今シーズンのセリーグはCSが実施されない。リーグ優勝という部分においてはすでにほぼ難しくなったと言っていいと思うのだが、高津監督は残りの約50試合をどう戦っていくのだろうか?単純に若手に出場機会を与えるということではなく、ヤクルトというチームが今後どういったチームを目指していくのか?という方向性を見出すようなシーズンにしてもらいたいと思う。

吉田大喜
・初回の松原、ウィラー連続四球の後の岡本の3ランホームランは先発としてはあまりにも痛い3失点だった。但し吉田大喜に関してはルーキーながら自分の「型」をしっかり持っている投手だと感じる。自分の力量と相手の力量を冷静に見極めながら状況に応じたピッチングが出来ている。ボール自体の物足りなさは感じるが、私の中での信頼度は徐々に上がってきている。フォークという武器になる球種も持っているため、今後の投球も期待したい。

中山
・吉田大喜の代打として5回に登場し、今村からゲームの雰囲気を変える一発を放ってみせた。おそらく凡退していたらその1打席で交代となってしまった可能性が高かったと思うのだが、そのままライトの守備に入り、続く打席では勝ち越しタイムリーを放ってみせた。まだまだ粗さが目立ち、コンスタントに結果を残せる安定感はないと思うのだが、そのガッツは買いたい。首脳陣におもわず使わせたいと思わせる魅力は持っているのではないだろうか?塩見や山崎とは違った部分でアピールをしてもらいたい。

1点リードの6回に中澤投入
・この起用は意外だったのだが、高津監督としては中澤を1軍に置いている理由は「左殺し」のためということになるのであろう。大城、吉川尚と続く場面で起用したのだが、先頭の大城にものの見事に同点ホームランを浴びてしまった。こうなると高津監督も中澤も責められてしまう。人材不足の一言では済ませたくない場面だった。

7回、8回、9回を鍵谷、高梨のリレーの前にほぼ完璧に抑え込まれる。
・9回に青木が三振に倒れ、非常に悔しそうな表情、仕草をしていた。相手に余裕をもって戦われ、それでも反撃することすらできない自分とチームに腹立たしさを感じていたはずである。負けを引きずらないことは大切だし、切り替えることも大切なのだが、今日の敗戦は簡単に切り替えてはならないゲームだと思う。青木の表情、仕草に他の選手は何を思うのだろうか?みんな勝ちたい気持ちを持っていることはもちろん分かるのだが、勝ち方が分からなくなっている。ファンも悔しい思いをしている。

明日はエース小川である。連敗中の登板が続いているのだが、明日もチームを救うことが出来るのだろうか?

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コメント

  1. 超匿名 より:

     中継ぎの差がゲームの勝敗を分けました。相手先発からしか点を取れなかったヤクルト、先発だけではなく中継ぎからも点を取っていった巨人。シーズン当初は後ろが不安と言われていたのに、いつの間にか整備されていたのですね。抑えの代役を務められる投手をトレードでもってこられるのですから、他球団からしたら堪りません。
     私も原監督が経験豊富で巨人の監督として名将である点には異論ありません。ただどうしてもアンチ巨人としてのバイアスがかかった穿った見方をしてしまいます。他球団でも結果が残せるか知りたいと時折思います。

  2. FIYS より:

    超匿名さんへ

    原監督が率いている時の巨人は他の監督が率いている時に比べて明らかにチーム全体が締まりますよ。巨人というチームをまとめるというのはまた他球団を率いるのとは違ったスキルが必要になるのではないでしょうか。

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