ヤクルトファン限定お楽しみ福袋!

ヤクルト2-1巨人

ヤクルトにとっては今日も消化試合ではあるのだが、石川登板日は消化試合であっても消化試合ではない。そんなゲームで石川が好投し、勝ち星が消える寸前で4番村上の逆転2ランホームランが飛び出し、清水は最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得するべくホールドを上げ、最後は冷や冷やながら石山が締めくくるという消化試合にしては満足度の高いゲームとなった。ヤクルトファンとしては、強い巨人を倒せただけでも嬉しいものなのだが、今日は最後のハラハラドキドキ感込みで楽しめる中身の詰まったゲームとなった。今日のゲームの福袋の中身は間違いなく「当たり」である。

今日の石川は多彩な球種を満遍なく使いながら、巨人打線に的を絞らせなかった。ストレート、シュート、カットボールというファストボール系のボールからカーブやシンカーといった抜いたボール、そこにスライダーも交えて、強力巨人打線に対峙していった。これだけの球種を打者によって内外角に出し入れしながらコントロール良く投げ込むのだから素晴らしい。「THE石川」と言うような投球内容だった。5回の0アウト2,3塁の場面では大城にスクイズという原監督のお試し采配によって助かった部分もあると思うのだが、それでも巨人打線を6回1失点で抑えたのだから十分に勝利に値する投球である。ようやく今シーズンの2勝目を手に入れたのだが、スタミナという部分以外では大きな衰えは感じない。40歳でもまだまだ頑張れるところを見せてくれた。ファンにとっても嬉しい勝利となった。

そして今日はリリーフ陣もよく踏ん張った。7回清水、8回マクガフ、9回石山という順番でマウンドに上がった。本来であれば7回マクガフ、8回清水という順番になると思うのだが、これは清水にホールドを上げてもらうための配慮だったのではないだろうか?消化試合ならではの采配であり、消極的な采配にも映り、私自身はそれ程好きではない采配なのだが、CSのないシーズンではこういったことも起こりやすいということなのかもしれない。そんなベンチの期待に応えるように、今日の清水は糸を引くような見事なストレートで若林と大城から三振を奪ってみせた。その流れを受け継ぐようにマクガフも三者連続三振で抑え、2-1のリードを守ったまま試合は9回裏に突入した。
9回を任されるクローザーの石山も清水、マクガフ同様素晴らしいストレートを投げ込んでいたが、1アウトから坂本に粘られた中でヒットを許すと(5球目のスライダーは取ってもらいたかったが…)、続く岡本も歩かせてしまい、ピンチを招くと丸の打席でワイルドピッチも重なり、1アウト2,3塁と一打逆転のピンチを迎えてしまった。しかし今日の石山のストレートには威力があった。球数が多くなり、非常に苦しい投球になったとは思うのだが、丸を渾身のストレートで三振に斬って取ると、最後も粘る若林に対して高めのストレートでバットを空に斬らせ、三振で試合を締めくくり、石川の勝利投手の権利を守り切ってみせた。清水、マクガフ、石山ともに気持ちと身体が連動した素晴らしいボールを投げ込んでくれていた。この3人で9つのアウトの内8つを三振で奪ってみせた。石川に勝利をプレゼントする見事な投球だった。

打線は巨人先発の高橋を初回から攻め立て、0アウト満塁のチャンスを作ったのだが、ここから村上、西浦、中村が三者連続三振に倒れてしまい、ビッグチャンスを逃してしまった。こういった展開で流れを掴めずに落としたゲームが今シーズンは何ゲームかあったことから非常に嫌な予感がしたし、その予感が的中するように5回まで高橋の前に無得点に抑え込まれてしまった。
6回は先頭の青木が2ベースを放ち、チャンスを作ったのだが、続く山田がセンターフライに倒れてしまい、「今日も石川に勝ちを付けられないのか…」という雰囲気が漂っていたのだが、その空気を一変させる一打を放ってくれたのが、20歳の4番村上だった。初回のチャンスで結果を残せなかった悔しさはあったと思うのだが、それまで全くタイミングの合っていなかった高橋のスライダーを力まずに捉えると、打球はレフトスタンド最前列に飛び込む、逆転2ランホームランとなった。あの場面で追い込まれてから、外に逃げていくスライダーにアジャストする対応力が驚異的である。石川の勝利投手の権利を復活させるとともに自らも打点ランキングでトップに並ぶという価値あるホームランとなった。

今日のゲームで現在のヤクルトの課題が解決された訳でもなく、今シーズンはこれからも苦しいゲームが続くと思うのだが、今日のゲームだけを切り取れば、石川の通算173勝目、石川に勝ちを付けるために奮闘したリリーフ陣、石川に勝利をプレゼントした若き主砲村上の一発と、「ヤクルトファン限定福袋」をプレゼントされたような満足感があった。球場で観戦していたヤクルトファンも大満足のゲームになったのではないだろうか?

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コメント

  1. 超匿名 より:

     久しぶりの巨人戦の勝利は格別です。七回以降の奪三振ショーは痺れましたね。まるで優勝争いをしている様な緊張感がありました。
     石川は来季も現役続行という気持ちになったようで、彼にとっても大きな勝利でしたね。

  2. sabo より:

    石川自身が良い流れに乗ってきた気もしますね
    今年中にあと1つは勝ち星を重ねたい。あわよくば2つ。

    ところで斎藤投手コーチと石井投手コーチ(ブルペン)が入れ替わりましたね
    斎藤はリリーフ経験も豊富だし、ゴリさんはコーチとしてずっと見てきたからスイッチもありだと感じました

    気になるのは来季の人事でして、高津監督やコーチ陣も基本的には続投でしょうけど、順位を考えれば丸々そのままってことはないんじゃないかな?2軍との入れ替えくらいはあるんじゃないかなと思うんですよね。ラミレス監督をコーチとして招聘したら面白いと思うんですけど……まぁ無いか

    あるとすれば森岡と土橋のスイッチ……ではなく松元と畠山のスイッチかなぁ
    畠山は早すぎるのはそうだけど現役に近いコーチだからこそのアドバイスもあるだろうし、配給読みも得意だし、春に山崎のスイングをマンツーマンで鍛えた手腕が一軍にいればもう少し点が取れた気もする

    小川GM次第ですけどね

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    石川の登板日は今後ずっとこういった緊張感が続くのでしょうね。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    石川には1つでも勝ちを積み上げてもらいたいですよね。

    コーチ陣に関しては、私は特徴までは掴めていないのですが、最下位に沈んでいるので多少の入れ替えはあるでしょうね。

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