井岡一翔VS田中恒成

ボクシング

<プロボクシング:WB0世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇31日◇東京・大田区総合体育館

WBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(31=Ambition)が、世代交代を阻止するV2を飾った。日本人2人目の4階級制覇を狙った同級1位田中恒成(25=畑中)と対戦。8回1分35秒、TKO勝ちで、プライドを示した。9度目の大みそかで国内は負け知らずの8勝目となり、日本人の世界戦最多勝利を17に伸ばした。
(日刊スポーツ引用)

過去記事はこちらから→「井岡一翔VS田中恒成はどうなる?
大晦日の日本人同士の世界タイトルマッチは期待通りの熱戦となった。結果は井岡がボクシングスキルの高さを見せ付けての8回TKO勝ちだったのだが、田中もこの試合に向けてしっかり身体を作りこみ、調子自体は絶好調に感じた。その田中を捌き切ってしまうのだから井岡の実力は相当なものである。
私は事前記事で「6-4で井岡優位かな」と書かせてもらったのだが、初回の田中の動きと気持ちと身体の動きがマッチしたボクシングを見て、井岡が田中の勢いに飲み込まれてしまう可能性もあるのでは?と感じた。しかし徐々に田中の攻撃を見切り、自分の距離感で戦い始めた井岡を見て、やはり井岡のボクシングスキルは並大抵のものではないなと感じた。そして5回に左フックでダウンを奪い、流れを完全に掴むと前がかりになった田中に対してもしっかり自分の距離でボクシングを行い、6回にも左フックでダウン、8回にも左フックで田中をぐらつかせ、レフェリーストップに追い込んでみせた。

田中の出入りのスピード、ハンドスピードは見事なものがあったと思うし、ダウンを奪われて以降も何とか形勢を逆転しようと接近戦を挑んだり、左ボディを使ったり、スイッチしたりと自分の全てを井岡にぶつけたが、それを井岡がことごとく跳ね返してみせた。同じ左のフックを3回もあれだけ綺麗に入れるのだから、井岡には、しっかりと田中の動きが見えていたのだろう。井岡というボクサーの凄さを改めて感じさせてくれる試合となった。相手のパンチ、動きを冷静に判断し、自分の距離、ペースに持ち込む能力、ハイレベルの打ち合いの中でも高度な駆け引きが出来るボクシングIQの高さ、世界のトップで10年近く戦い続けてきているボクサーだけのことはある。「素人を喜ばせ、玄人を唸らせる。」という井岡にしかできないボクシングを体現してくれた。3月に行われるエストラーダVSローマン・ゴンサレスの勝者との試合にも現実味が帯びてきた。

これまで多くの日本人同士の世界タイトルマッチを見てきたが、今回の井岡VS田中は私の中では1,2を争う程の名勝負だった。大晦日に凄いものを見させてもらった。

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コメント

  1. パイン より:

    田中のパンチが井岡の顔面を捉え、チャンスを掴めるかと思った矢先にピンチが来ましたね。井岡のディフェンスを支えている「間合い」の凄さを見せられました。中間距離から強いパンチを繰り出す田中に対し、井岡のセンサーは絶妙な距離とタイミングを測っていたのでしょう。左の3発を同じように叩き込まれて、その間の詰め方に田中は度肝を抜かれ、驚愕したのではないでしょうか。強い相手には強い勝ち方をする井岡の神髄を見せられた気がしましたね。

  2. FIYS より:

    パインさんへ

    井岡がボクシングの奥深さ、醍醐味を見せてくれましたね。日本人同士の素晴らしい頂上決戦でした。

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