柴田峡監督解任。新監督は名波浩氏。

サッカー

J2の松本山雅FCは21日、新監督に元日本代表MFの名波浩氏(48)が就任したと発表した。

松本は21日現在、4勝7分け8敗で17位と苦戦。成績不振のため、柴田峡監督との契約を解除した。名波氏は「自分の持っている力のすべてをクラブのために還元していきます」などとコメントした。

現役時代に磐田の黄金期を築き、セリエAベナチアなどでプレーした名波氏は、14年9月にJ2だった磐田の監督に就任。チームをJ1昇格に導くなど、19年6月まで指揮を執っていた。
(日刊スポーツ引用)

過去記事はこちらから→「布啓一郎監督解任

反町監督が山雅を去る時は、チームが試されることになると感じていたし、これまでもこのブログで何度か触れてきたのだが、2年続けて監督がシーズン中に解任されることとなってしまった。チームは完全に迷走状態に陥ってしまった。やはりフロントは反町監督時代に「いい夢を見過ぎてしまった。」部分があったのだと感じられる。
若手を伸ばそうとして結果が出ずに解任となってしまった布監督、その後指揮を執ったのは反町監督を支えた柴田監督だった。もう一度反町監督時代のサッカーを取り戻しにかかり、昨シーズンは後半戦に息を吹き返しかけた場面もあったのだが、今シーズンは結局下位に沈んでしまい、このタイミングで監督交代となってしまった。
松本山雅のサッカースタイルと言えば全選手がハードワークに徹する中での堅守速攻スタイルのイメージが強い。これは松本山雅がJ2に昇格するとともに反町監督が就任し、作り上げてきたサッカースタイルである。J1昇格後壁にぶつかり、1年でJ2に逆戻りしてからは、反町監督なりにボールポゼッションを高めるサッカースタイルにも挑戦した時期もあったのだが、結局結果が付いてこなかったため、以前の堅守速攻のスタイルに磨きをかけて、再度J1に昇格したという印象が残っている。経営規模の大きいクラブではないだけに獲得する選手にも限りがあり、中々「個で局面を打開できる」タイプの選手を揃えることは難しい状況にある。テクニシャンの前田直、スピードスター前田大、セットプレーの名手岩上、山雅のシンボル田中隼なども在籍していたのだが、地元出身の田中隼以外は、早い段階でチームを去ってしまった。これはチームの経営規模というものが大きく関わっており、仕方ないことであり、そんな中で勝てるチームを作り上げていくことは並大抵のことではない。その任務を遂行してきた反町監督の凄さが改めて浮き彫りになるのだが、新監督に元ジュビロ磐田監督の名波浩氏が就任するとのニュースを聞いて、より一層チームが迷走するのではないか?という漠然とした不安に包まれている。

名波氏は、選手時代にジュビロ磐田で黄金期を築き、日本代表でも主力として活躍した、日本屈指のゲームメーカーである。いわゆるサッカーIQの高いタイプの選手であり、現在も試合の解説などを聞いていると非常に理論的だと感じるし、聞いているものを引き付けるだけの話術も持っているように思われる。反町監督のような監督としての実績はないのだが、ビッグネームであることに違いはない。しかし「このタイミングで何故名波監督なのか?」という疑問は感じている。布監督が解任された時には内部昇格という形でチーム事情を把握している柴田監督が指揮を執る形となったのだが、この形はシーズン中に監督が解任され場合のオーソドックスな形であり、配置自体に疑問を感じることはなかった(布監督の解任自体には大いに疑問を感じたが…)。
今回は、柴田監督が下位に沈む責任を取って解任されたのだが、解任が決まってすぐに名波氏にオファーを出したとは考えづらいのではないだろうか?何の準備もなく、いきなり明日から指揮を執るということがあり得るのだろうか?私はJリーグの事情には疎いため分からない部分もあるのだが、これだけのビッグネームになると以前からオファーを出していた可能性が高いのではないか?と勘繰ってしまう。そうなると更にフロントがチームをどういった方向に導こうとしているのか見えなくなってきてしまう。フロントと名波監督の間で今後のチームのビジョンを共有できていれば良いのだが…このビジョンがブレてしまっては、どんな監督が指揮を執ったとしてもチームの浮上はあり得ないのではないだろうか?「おらが町のチームに名波浩がやって来る。」ということは、松本市民や長野県民、松本山雅サポーターにとっては大ニュースであることに違いはないのだが、このタイミングで名波氏の招聘という部分には違和感を感じてしまう。柴田監督の辞任でないのであれば、苦しんでもいても今シーズンは柴田監督に任せ、来シーズンから抜本的にチームを作り直す形でも良かったのではないか?と感じる部分もある。

名波監督が就任したからと言って劇的にチームが変貌することは考えづらい。スター性、カリスマ性のある名波監督が「名波マジック」と呼ばれるような采配でチームを浮上させるようなことがあり得るのだろうか?そんなことがあればもちろん喜ばしいことなのだが、私にはそんな未来は見えてきていない。チームを根本から立て直そうとする姿が見られないところに大きな不安を感じてしまう。

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