ジェームス・ダグラス

思い出ショートショート⑧

私の記憶にあるボクシングの最も古い試合が、平成2年のマイク・タイソンージェームス・ダグラス戦である。私が小学校1年生の時のヘビー級世界タイトルマッチである。先日カール・ルイス、ベン・ジョンソンの記事を書いたのだが、この両名と同じくらいマイク・タイソンも知名度の高いアスリートだった。若くして世界最強のボクサーとなったタイソンが負けることなど考えられないことだった。
この試合は休日の昼間に父や兄弟とテレビで観戦したことを覚えている。私は、当時から番狂わせのような試合が好きだったようで、この試合もどちらかと言うとダグラスに肩入れしながら観戦した記憶がある。しかし当時の下馬評ではタイソンが圧倒的優位と言われており、テレビ中継を見ていれば、小学校1年生だった私にもそのことは十分理解できた。そんな中でゴングが鳴らされたのだが、1ラウンド目からダグラスの動きがよく、圧倒的優位と言われていたタイソンに次々とパンチを打ち込んでいった。ダグラスも十分強いボクサーに映ったものである。しかし8回にタイソンのアッパーが炸裂し、ダグラスがダウンしたことで「やっぱり負けちゃうのか…」という気分になったのだが、ダグラスが何とか立ち上がると9ラウンド、10ラウンドもパンチを当て続け、ついに10回にタイソンをリングに沈めることになる。
8回にダグラスが喫したダウンの際にレフェリーのロングカウントが問題になるなど、世間を大いに騒がせた一戦だったのだが、この試合をテレビ観戦したことでボクシングというスポーツの面白さを理解することが出来た。タイソンのボクサー人生はすでに狂い始めていた時期だったようで、今思えば負けるべくして負けたということになるのかもしれないが、当時はそんな知識もない中で観戦していたため、とにかくダグラスのキレのある動き、パンチが魅力的に映った。最強の男タイソンに勝ったダグラスこそ最強のボクサーなのだと疑わなかった。
しかしそのダグラスは初防衛戦でホリフィールドに敗れ、すぐにベルトを失うとその後、世界戦線に浮上してくることはなかった。結局、私がしっかりダグラスのボクシングを見れたのはタイソン戦だけだったのだが、短い間だけだったが、私はジェームス・ダグラスのファンだった。
今動画を見直してもいい試合だったなあと感じることが出来る。

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