高橋奎二とジャリエル・ロドリゲス

ヤクルト0-0中日

高橋奎二とジャリエル・ロドリゲス。左右の違いはあるものの私の中では同じライン上にいる投手と言う印象がある。投げるボール自体は一級品だが、そのボールを安定的に投げることが出来ず、試合の中で崩れてしまう可能性が高い投手。半面ハマれば物凄い投球をする可能性がある投手。といったところだろうか?正直両者ともに素晴らしい投球を披露してくれる確率は決して高くはないのかな?と試合前には想像していたのだが、両投手がいい意味で裏切ってくれた。高橋もロドリゲスもマウンドを下りるまで素晴らしいボールを投げ続けたし、集中力が欠けることもなかった。24歳という若手投手同士の投げ合いは見応え十分だった。

高橋は、前回の巨人戦で味方の援護を守り切れずに、勝ちを逃してしまっていたのだが、今日はしっかり修正することが出来ていた。初回からストレートの走り、スライダー、チェンジアップ、カーブのキレともに抜群だったし、バッテリーを組んだ古賀の強気の組み立ても印象的だった。初回の大島にヒットを浴びた後のビシエドのセンターフライ、5回の2アウト2,3塁での京田のセンターフライくらいしかヒヤッとするシーンはなかった。味方打線が8回1アウトまでロドリゲスの前にノーヒットに抑え込まれてしまったのだが、高橋のピッチングも素晴らしかったため、打線がノーヒットに抑えられていても心理的には中日の方がよりプレッシャーを感じているように捉えることも出来るような試合展開となっていた。高橋が1点でも失っていれば、また全く違う心理状況になったと思うのだが、高橋がその1点を与えなかったことによって、ノーヒットでも流れが悪いという気持ちになることはなかった。素早い牽制でランナーを誘い出す場面もあるなど、8回1アウトまでノーヒットピッチングを披露したロドリゲスと同じくらい身体と気持ちがマッチした快投を見せてくれたと思う。

ロドリゲスに関しては、以前からストレートも変化球も素晴らしいものを持った投手という印象を持っており、何故結果に繋がらないのか不思議に感じていた投手である。今日も先頭打者の塩見を三振に斬って取ったスライダーのキレを見て、「素晴らしいボールを投げ込んでくるな。」と感じたのだが、その後もボールのキレは抜群だった。四球は6つ与えており、いつものロドリゲスだったら、こういったちょっとした綻びから崩れることが多いと思うのだが、今日はランナーを許した後も崩れなかった(もちろんヤクルト打線に工夫が足りなかった部分もあったのかもしれないが…)。
本当に思い切ったことを仕掛けるのであれば、7回の山田、村上の連続四球で作った0アウト1,2塁の場面でオスナに代えて荒木辺りを起用し、送らせた後で川端で勝負を掛けるような采配も面白かったかもしれないが、今はチームが引き分けを挟んで7連勝中であり、無理に動いて良い流れを失ってしまうリスクもあったため、普通に考えたらオスナのバットに期待するのがセオリーであり、間違った判断とは考えていない。プレッシャーの掛かる場面でもオスナ、坂口、川端に全く仕事をさせなかったロドリゲスを褒める他ない場面となった。8回には塩見にチーム初ヒットとなるレフト前ヒットが飛び出し、ノーヒットで抑え込まれることも阻止できたのだが、この一本を勝利に繋げることは出来なかった。

今日はとにかく高橋とロドリゲスという両先発の魅力的な投球に見入ってしまった(後を継いだヤクルトの清水、マクガフ、中日の祖父江、R.マルティネスももちろん素晴らしかったが…)。ヤクルトサイドからするとこの展開でも負けなかったという部分でチームの流れを切らなかったというプラスの要素が大きいゲームになったと思う。本当に「運」の要素を含めて出来過ぎな展開が続いている。この流れが明日も続くようであれば、今シーズン初めて中5日での登板となる石川に打線が大量援護をして、石川に勝ちを付けるという神懸った展開もあり得るのだろうか?出来るだけこの流れを維持したいものである。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     高橋が試合を作れることが多くなってきたのが大きいですね。阪神の高橋が大活躍しましたが、こちらも負けていないぞと。
     終盤見ていましたが、やはりマクガフを始めリリーフの疲労感は気になります。清水の様に二年目から活躍してくれるのも悪くないですが、横浜や広島みたいに、即戦力で取った選手が期待通りに一年目から活躍出来ていないという計算違いによるタイムラグが、一部の選手への負担に繋がっている一因に思えます。今年で言えば木澤が一軍戦力になっていれば、少しは違っていたかなと思います。リリーフでは石山の復活や梅野の復帰が待たれますね。

  2. sabo より:

    もちろん1点取れなかった悔しさはあるのですがゲーム展開的には不利な雰囲気のなか負けずに引き分けを勝ち取ったといえるかな

    私もチームがノーヒットである以上、7回はオスナにピンチバンターを送るのは有りだと思いましたよ。ただ全体的にバント成功率が低いので相手に流れがいく可能性はありましたからね

    石川に大量援護!予知的中ですね(笑)

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    高橋はようやく試合ごとイニングごとの波が少なくなってきましたかね。ボール自体は一級品ですからね。

    リリーフ陣の整備というものは12球団どの球団でも課題になっていると思われます。確かに即戦力を期待した新人投手や外国人投手が機能しないと特定の投手に負担が集中する危険性はありますよね。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    そうですね。この日のロドリゲスのボールのキレを見ているとバント1つ決めるのも難しそうでしたからね。普通に考えたらオスナのバットに期待する方が確率は高そうですよね。

  5. パイン より:

    1安打で終わってしまっても、投手陣の踏ん張りで負けが付かなければダメージというのは全く違うものですね。つくづく相乗効果だと思います。最下位常連のようなチームに勝ち運がつくにはこういう要素が必要かと思いますね。

  6. FIYS より:

    パインさんへ

    優勝争い真っ只中で1安打でも負けなかったというのは大きいですよね。ノーヒットノーランで負けていればそれなりのダメージもあったでしょうからね。

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