だから出来過ぎだって。

ヤクルト16-0中日

出来過ぎなゲームが続いている。昨日のゲーム後のブログ記事の最後にこんなことを書かせてもらった。
「この流れが明日も続くようであれば、今シーズン初めて中5日での登板となる石川に打線が大量援護をして、石川に勝ちを付けるという神懸った展開もあり得るのだろうか?」と。
あり得ないことだと思って記したのだが、あり得たのである。相手の先発小笠原の調子は前回抑え込まれてしまった時と遜色ないくらいの出来だと感じたため、このスコアは予想外である。それにしてもシーズン終盤戦の最初の山場と思われた10連戦を7勝3引き分けという驚異的な数字で凌ぎ、その最終戦で中5日の石川に通算177勝目となる白星が付き、村上、山田が大活躍するというヤクルトファンにとって「ドリームゲーム」とでも呼びたくなるような大勝となった。夢を見ているのではないか?と錯覚してしまうような日々が続いている。怖いくらいである。
しかしシーズンはまだ26試合も残っている。2位阪神とのゲーム差は0のままである。決して楽な展開になっている訳ではないことを忘れてはならない。

上記の通り、私は小笠原の立ち上がりを見て、今日も調子は良さそうだなと感じた。それでも2アウトから山田が粘って四球で出塁すると、続く村上が甘く入った初球のシュートを完璧に捉える先制2ランホームランを放ってみせた。昨日のゲームではロドリゲスの前に打線が沈黙し、今日の対戦相手小笠原には前回対戦時に抑え込まれていたため、普段以上に先制点が欲しいゲームで頼りになる4番がきっちり仕事をしてくれた。ここの所ヤクルトが初回に得点を奪うことが多くなっていると感じるのだが、特に村上の第1打席での集中力の高さは素晴らしい。今日のホームランに関しては、打球速度や角度を調べてもらいたくなるような豪快な一発となった。しかしこの時点でも、まだロースコアの展開に持ち込まなければ、今日の小笠原から得点を重ねることは難しいと感じていた。表情やマウンドでの仕草、打席、走塁時の積極性などを見ていると、精神的にも充実していることが伺えたからである。ところがヤクルト打線は思わぬところからチャンスを作り、大量得点に繋げてみせた。
3回に先頭の石川が追い込まれながらもちょこんと合わせるバッティングでヒットを放ち、出塁すると塩見が四球、青木がヒットで出塁し、0アウト満塁のチャンスを作ると続く山田が追い込まれながらもインコースのストレートを上手く捌き、打球はレフトポール際に飛び込む満塁ホームランとなった。石川も塩見も青木も山田も追い込まれながらも自分の仕事してくれた。山田のホームランに関しては、正直小笠原に追い込まれるまでの打席での反応を見ていると「やはり調子が悪いのかな?」と個人的には感じていたため、その中であれだけ厳しいインコースのボールを巧みに捌いたことに驚きを感じた。山田の技術の高さを垣間見る満塁ホームランとなった。結局山田は第3打席でタイムリーヒット、第4打席で特大の2ランホームランを放ち、3打数3安打2ホームラン7打点の大暴れとなった。
最終的には中日の元気のなさもあって、大量16得点となったのだが、その中でも主力を含めた各打者が最後まで雑にならなかったのが今後に繋がりそうである。引き分けを挟んでの8連勝は、どちらかというと投手陣の踏ん張りがあったからこその8連勝であり、打線は好調とは言いづらい部分もあるのだが、今日の最後まで雑にならない打席を見ていると、火曜日からのDeNA戦でも期待できると感じた。大量得点の次のゲームは得てして得点が奪えないものなのだが、個人的には今日の16得点によって打線の状態が上がってくるように感じている。10連戦を派手に締めくくる16得点となった。

石川は中5日での先発となったのだが、味方の大量援護にも恵まれて、6回を被安打5無四球の無失点で中日打線を抑え、久々の4勝目を上げてみせた。大量援護に恵まれたとはいえ、小笠原の立ち上がりも悪くなかっただけに、その中で3回まで中日打線をしっかり無失点で抑え、試合の流れを渡さなかったことが大きかった。打席でもヒットと送りバントで大量得点に貢献し、自らを楽にしてみせた。
それにしても後半戦になってからの石川の安定感は抜群である。ここ4試合は全て6イニングを投げ切り、QSを達成している。今シーズン全体を通しても12試合に先発し、半分以上の7試合でQSを達成しており、WHIP(1イニング辺りに何人の走者を出塁させたかを表す数値)は0.96という数字が残っている。勝ち星には恵まれておらず、年齢的にも多くの球数を投げるのは難しくなってはいるのだが、先発として十分戦えるだけの数字は残してくれている。今日のように中5日での起用など難しいシチュエーションでもしっかり準備をして、自分の投球に徹することが出来る石川は「ヤクルト史に残る大投手」である。

10連戦を7勝3引き分けで乗り越え、首位に立っているヤクルトだが、今後もタイトな日程を消化していかなければならない。今はあまりにもチームが上手く回り過ぎているように感じる。躓いたときにズルズルいかないことが大事になりそうである。1つ1つ丁寧に戦っていってもらいたい。

※10連戦を8勝2引き分けと表記してしまいましたが、7勝3引き分けだったため修正しました。

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コメント

  1. JEF九郎 より:

    まさにドリームゲームでしたね。勝ち慣れていない(失礼!?)私としては、反動が怖くてしょうがないですが、喜んでおくことにします(笑)

    石川はバッティングもいいですよね。見事なヒットに見事なバント。ピッチングも冴えてますが、打席での振る舞いが流れを左右することを知っている見事なプレーだと改めて感じた一日でした。


    また、以前村上が終盤に打てない旨を私はコメントしましたが、序盤にこれだけ先制パンチ喰らわせられるのも凄いですよね。序盤の方が有利にことは運べますし、後半は川端やや中村、塩見、青木なんかも強いので、このままチームで補いながら頑張って欲しいと思いました。

  2. sabo より:

    山田のグランドスラムの打ち方はインコースの厳しい球をレフト線を切れないように右足を下げながら振りぬく天才的なバッティングでしたね。たまに山田は漫画みたいな打ち方しますね

    石川に関しては中5でも変わらない安定感が凄い
    奥川と石川が全く不安のない先発ですね
    2週間後の阪神戦も石川の試合は勝つという空気になるでしょう
    今年勝ち運に見放されていた分の揺り戻しもありそうだし200勝という数字もどんどん可能性は高まってるのではないでしょうか

    この10連戦を貯金7で終えたのは出来すぎであるのは間違いないですが、いまだに阪神とゲーム差0ということを考えるとここから本当の戦いが始まるのかという気持ちになります
    とにかくあと1か月やるしかない

  3. 超匿名 より:

     この連戦をローテ最年少の奥川で始めて最年長の石川で締める。監督が描いた筋書きかわかりませんが、たまりませんでした。シルバーウイークならぬホワイト(白星)ウィークだったと言ったところでしょうか。打線の弱い中日相手であっても、神宮で同一カード無失点というのもなかなか珍しいと思います。
     今季のヤクルトの強みは下位三チームにめっぽう強いことですね。後半戦は阪神と巨人にも戦えるようになってきたので、優勝の可能性も少なくないように思えてきました。

  4. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    石川は打席でも出来ることをきっちり行ってくれますよね。だからこそ勝ち星を積み上げられる部分もありますよね。

  5. FIYS より:

    saboさんへ

    あと1か月はしびれるゲームの連続になるのでしょうね。物凄い展開になってきましたよね。まだまだこれからです。

  6. FIYS より:

    超匿名さんへ

    この10連戦を負けなしで終えるということは考えてもいませんでした。神宮での同一カード無失点も驚きですよね。

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