村上の一振りで床田も沈める

ヤクルト6-3広島

前回の広島との3連戦では、大瀬良、森下、九里という先発右腕三本柱をきっちり捉えて、勝利を手にしたのだが、今日はもう一本の柱と言っても良いサウスポーの床田の前に序盤は苦戦した。完全に負けゲームの展開だと感じていたのだが、そんな時に頼りになるのが4番村上である。勝負所での逆転3ランホームランで試合の流れもろともひっくり返してみせた。村上はまだ高卒5年目の22歳なのだが、私が見てきた中では、ヤクルト史上№1の4番打者と言ってしまっても過言ではない域に到達しているように感じる。打ってほしいと願う場面で本当に打ってしまうのだから大したものである。

今日の先発投手は小川ー床田ということで、ヤクルトとしては、ロースコアのゲームに持ち込み、終盤床田がマウンドを下りた後に勝負を掛ける展開に持ち込めれば勝機が大きくなるというようなゲームプランが考えられたと思うのだが、悪いなりに抑えていた小川が、4回に不運なタイムリーも重なる中で3点を失ってしまった。床田の出来の良さを考えると、この3点は、このゲームにおいては致命的なものになると感じたのだが、ここからひっくり返せるのが、今のヤクルトの底力である。
床田に関しては、キレの良いストレートにツーシーム、パーム、スライダー、カーブなど変化量、変化方向、球速帯の違う球種を上手く使われてしまい、チャンスらしいチャンスすら作ることが出来なかった。しかし6回に1アウトから塩見が2ベースで出塁すると山崎四球の後、山田がしぶとく一二塁間を破るタイムリーヒットを放ち、1点を返すと、続く村上が床田が投じた初球の外角高めのストレートを上手く合わせると打球はレフトスタンドに飛び込む逆転3ランホームランとなった。おそらく床田ー曾澤のバッテリーは初球の外角へのストレートで大怪我だけは避けようという考えだったと思うのだが、村上がその上を行ってみせた。決して失投ではなかったと思うのだが、あのコースをレフトスタンドに運べる技術とパワーがあるのが村上である。第1打席から床田ー曾澤のバッテリーは村上を最大限に警戒していたとは思うのだが、大事な場面で高い集中力を発揮した村上に軍配が上がった。
冒頭にも書いた通り、私が34年間ヤクルトを応援してきた中で、お世辞抜きで№1の4番打者は村上だと思う。まだ高卒5年目の選手であり、これからの選手ではあるのだが、チームを勝利に導く一打を放つ場面が目立ち、ホームランも空砲に終わらないことが多い印象がある。「ここぞ」の場面で一発を放てるスキルは「見事」の一言である。幼い頃に見ていた広沢や助っ人のパリッシュ、オマリー、ペタジーニ、ラミレス、バレンティン辺りもバットで強いインパクトを残してくれたのだが、それらの名選手と比べても村上の威圧感は際立つものがある。勝負強さと厳しい攻めやストライクゾーンで勝負してもらえない場面でも自分のスイングが崩れない部分にメンタルの強さを感じさせてくれる。これだけの打者に出会えることは早々ないことである。メジャーでも長距離砲として結果を残した松井秀喜や大谷翔平の背中を追えるだけの力を持った選手だと思う。山田哲人がブレイクした時のインパクトも強烈なものがあったが、村上も山田と同様の強烈なインパクトを放ってくれている。今のヤクルトの強さの一番の要因は高津監督のマネジメント力ということをこのブログでも書かせてもらっているのだが、これだけの4番打者が自チームに在籍しているという部分については、高津監督は幸運な監督なのだと思う。

今日のゲームは、村上の逆転3ランホームランが全てだった。6回からは、大西ー梅野ー清水ー田口ーマクガフという継投で1点も失わずに逃げ切ってみせた。8回のピンチを凌いだ田口含め、リリーフ陣は本当によく頑張ってくれている。今日のような典型的な負けゲームの展開でもひっくり返してしまうのだから、やはり強いチームになっているのだと思う。今のヤクルトの強さに関しては、一ヤクルトファンとして喜びよりも驚きが勝っている。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     今季のチームの相性という面もあるでしょうけれど、連勝中で勢いに乗る相手を、初戦できちっと止めたあたりは、今季のヤクルトの強さを感じる点ですね。
     小川は五回までというのはもう少しとも思いましたが、自身もチームも勝ち最低限の仕事は果たしてくれました。
     二試合連続で決勝弾を打った村上については、活躍が凄まじ過ぎてもはや何と言ってよいやらわかりません。今月の月間MVPは当確でしょう。
     少し気になったのはリリーフ陣で、この日は無失点でしたが、最近は今野がイニングを完了出来なかったり、清水も田口に後を託すことになったりと、熱さのせいか流石に交流戦までの活躍は厳しくなってきましたね。打撃陣が上手くカバー出来ると良いのですが、村上の調子が落ちた時が怖いです。オスナに長打が多くなってきており、調子が上向きのみたいなのが好材料ですね。

  2. sabo より:

    こんだけ勝ってるんですからチームの雰囲気は良いに決まってますね
    だから選手はミスを引きずらずに切り替えてプレー出来ているように思えます
    山崎晃太朗も失点につながるミスもありましたが打席できっちり四球を選び村上の逆転3ランに繋げました
    こういったネガティブな感じを捨ててポジティブにプレーしているのが気持ちいです(ダイジェストしか観れてませんが)
    高津監督が就任したときの目標である「明るいチーム」が達成できていると感じます

    まあ四番がこれだけ打ってこんだけ勝てばどんなチームでも明るくならざるおえないですけどね(笑

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    今シーズンの広島との相性というものもあるでしょうね。

    6月の月間MVPは大山になるのかな?と思っていましたが、月の後半になって村上が更にペースアップしましたよね。凄いバッターですよね。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    「明るいチーム」だからこそ、私はヤクルトファンになったという部分もあったかと思います。今でもチームとしてその明るい雰囲気が作られ続けていることにヤクルトスワローズというチームのカラーが出ているように感じます。

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