後ろにサンタナ

ヤクルト9-7中日

決して褒められるような内容のゲームではなかったかもしれないし、不格好なゲームだったのかもしれないが、コロナクラスターでチーム状態が落ちている中で、どんな形であれ勝利することが出来たことを評価したい。
ここ2試合は、村上のワンマンショーとなっていたのだが、今日のゲームでは、村上が警戒される中でその後ろを打つサンタナが結果を出してくれた。左ひざ半月板の手術から復帰した以降も5番打者として結果を残してくれているのが心強い。「後ろにサンタナ」がいることで、相手チームはまた悩まなくてはならない。村上の後ろが決まったことで一層打線としての厚みが出そうである。

今日のサンタナは、4打数4安打2本塁打6打点と大爆発してくれた。突き抜けた強打者の後ろを任される打者というのも非常に難しい役割だと感じる。4番打者が勝負を避けられる場面も目立つ中で、心理的なプレッシャーも大きくなると思うのだが、今日の4安打は、いずれも村上が出塁した後に放ったヒット、ホームランであり、価値の高いものとなった。村上に一発は飛び出さなかったのだが、4得点を記録している所にも、サンタナが活躍したことを伺うことが出来る。
第1打席は、中日に2点を先制された後、山田の内野ゴロの間に1点を返し、続く村上が四球で歩いた後に打席が回ってきたのだが、中日先発笠原の甘く入った初球の変化球をものの見事に捉えると、打球はレフトスタンドに飛び込む逆転2ランホームランとなった。塩見、山崎が連打でチャンスを作りながら、山崎のまずい走塁もあり、チャンスが萎みかけた中でもきっちり逆転出来たことで、試合の主導権を握ることに成功した。中日のゲームマネジメントを崩す意味ある一発となった。
2打席目は、相手のまずい守備から作った0アウト1,2塁という場面でサンタナに打席が回ってきた。根尾が投じた初球のストレートを今度はライトスタンドに運ぶ3ランホームランで点差を大きく広げてみせた。根尾は投手転向後、何だかんだと言われながら結果を残していたのだが、今日のサンタナの3ランは、根尾の勢いに待ったをかける一発になったのではないだろうか?根尾に怖さを教える一発となった。
3打席目もヒットでチャンスメイクをし、追加点に繋げると、4打席目は村上がヒットで出塁した直後に谷元からタイムリー2ベースを放ってみせた。1,2,4打席目は、いずれも初球を捉えたものだったのだが、村上を警戒する中でこれ以上ピンチを広げられないという投手心理をしっかり読んだ中で甘く入った初球をしっかり捉えた印象である。サンタナのメジャー時代を私は知らないのだが、NPBの野球にも慣れ、日本での野球生活でレベルアップしている部分もあるのではないだろうか?想像していた以上にクレバーな打者であることを今シーズンは見せ付けてくれている。それにしても村上の後ろに座るサンタナがこれだけ理想的な活躍を見せてくれるのは爽快である。
サンタナの活躍により、9得点を上げることは出来たのだが、相手のミスに助けられた部分があったり、チャンスの割に雑な攻撃が目立ってしまった印象があるため、その辺りは明日以降のゲームで修正をかけなければならない。

投手陣はサイスニードが5回で11安打を浴びるなど、最終的には6投手で16安打を浴びてしまったのだが、それでも逃げ切ることが出来た。サイスニードは初回に阿部に2ランホームランを浴びて先制を許すと、その後味方打線が逆転してくれた後も立ち直ることが出来ず、終始苦しい投球となってしまった。ストライクゾーンで勝負する意識はあるのだが、ボールにキレがない時は、打者からすると対応しやすい投手ということなのだろう。それでも味方打線の援護がある中で何とか5回を投げ切ってくれた。褒められる投球内容ではないが、勝ち星が付いたことをプラスに捉え、次回の登板に繋げてもらいたい。
6回からは、木澤ー久保ー梅野ー清水ーマクガフと繋いだのだが、どの投手もピリッとせず、最後まで締まらないゲームとなってしまった。前半戦の快進撃を支えていたのは、ブルペン陣だったことは間違いないのだが、コロナで離脱する投手も複数出る中で、今はどの投手も復調途上という印象がある。その間どうやって耐えるか考えなければならない。その辺りは首脳陣の腕の見せ所である。

2位阪神は、コロナクラスターで苦しむ巨人との3連戦ということで、今のチーム状況からすると負けることは考えにくい。そんな中で首位に立つヤクルトがどんな形であれ、とりあえず中日戦で2つ勝てたことは大いに評価できることである。

P.S サンタナの活躍をメインに記事を書いたのですが、相手の中日では大島が6-6という数字を残しましたね。長打は少ないため怖さを感じる打者ではないのですが、ヒットを打つ技術という意味では「名人級」の打者ですよね。野手のいないところに簡単に打球を飛ばすように感じるバッティングはすでに芸術の域だと感じます。
また根尾に関しては、まだまだ粗削りな印象は拭えませんが、皆さんはどんな評価をしていますか?個人的には、投手に挑戦したことでメンタル的に上向いた部分はあるのかな?と感じていましたが、やはりストレートの威力、変化球のキレ、コントロールなど全てが平均点には届いていないと見ています。もちろん高校時代から投手としても高い評価を受けていたため、ある程度のことは出来ると感じていますが、ハネムーン効果のような状況がこれまで続いていたのかな?というのが私の評価です。今日サンタナに3ランホームランを浴びてしまったことで、そろそろハネムーン効果が切れ始めるのではないか?と見ています。逆に明日以降踏ん張れるようであれば「投手根尾」というものを再分析してみたいと思っています。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     ずいぶん苦戦したという印象です。でもクラスター発生以降で初の三連勝したことを評価したいです。なにしろ阪神が負けないので、ゲーム差がありながらもマッチレースの様相ですかね。
     この日の根尾はダイジェストで打たれたシーンしか見てません(笑)。現代の選手らしいフィジカルの強さからの球速のある直球は魅力的ですね。中日の事情には精通していませんが、将来のセットアッパーやクローザー候補なんですかね。

  2. sabo より:

    サンタナの実力ならこれくらいは当然ですが、村上の一発が観れない日にいい具合に噛み合いましたね

    初回から山崎晃太朗の牽制死があったりと。ちょっと気を付けたいですね
    エラーは…まあイレギュラーは仕方ないと思います

    根尾についてはストレートもスライダーも十分ハイレベルだと感じます
    ただノーコンなので特にダルビッシュ有にも褒められたスライダーは精度を上げないと厳しいかな
    私はフォームはどうなんだ?と思ってましたが少しスムーズになったのと解説がタイミング取りづらいと言ってたのでフォームは良いのかもしれません

    ただずっと登板はビハインドだったり連投は避けていたりとはっきり言って甘やかされている(投手転向1年目ですから正しい運用ですが)ので僅差のゲームではどうなるか疲労が出てきたときにどれだけ力が出せるかがリリーフとして未評価ですね
    明日以降も根尾は抑えると思いますけどやっぱり勝ちパターンでないことは差し引きかないといけないかな

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    阪神は、昨日のゲームで巨人に負けたことが驚きでした。それくらい安定した力があるチームだと見ています。

    根尾は将来的には先発という話もありますよね。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    サンタナは手術を受け、リハビリ後の出場でここまで結果を残すのは凄いことだと思っています。日本人の長距離砲とはまた違った打席でのアプローチが出来る打者なので、相手チームからすると攻め辛いでしょうね。

    saboさんは、投手根尾の評価が高いですね。私ももう少し「投手根尾」というものを本気で見ていこうかと思います。

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