仙台育英トリオに光は差し込むのか?

「仙台育英トリオ」もちろんそんな呼ばれ方はしていないと思うのだが、仙台育英高校出身の若手3選手が窮地に追い込まれている。佐藤兄弟(由規、貴規)と中根佑二のことである。

まずは由規である。高校時代に甲子園でMAX155キロのストレートを投げ込み注目を集めた逸材はドラフト会議で5球団の競合の末にヤクルトスワローズに入団した。プロ1年目から1軍で勝ち投手になるなどプロの壁にぶち当たりながらも自分のピッチングスタイルを徐々に作り上げ、3年目のシーズンには2ケタ勝利となる12の勝ち星を積み上げてみせた。
ストレートの球速も高校時代から落ちることなく、ピッチャーとして成長している矢先の2011年シーズンに右肩痛を発症してしまった。その後すねのはく離骨折なども重なり、12年シーズン、13年シーズンは1軍での登板は0に終わってしまった。今年の4月には右肩のクリーニング手術も行っている。
正直どんな状況なのかはっきりとは分からないのだが、2年以上ほとんど登板がない所を見るとかなりの重傷と言って良さそうだ。時々キャッチボールを開始したというニュースは飛び込んでくるもののその後が続かない。由規の代名詞でもあるあの剛球は復活するのだろうか?
この由規、素材はヤクルトの投手陣の中でもピカイチである。右肩の故障と言うことで再びマウンドに戻ることが出来るかどうか非常に心配なのだが、何とか辛いリハビリを乗り越えて復活してほしいと願っている。真面目で好青年のイメージがある由規はヤクルトにぴったりの選手だと感じている。そんな由規に野球の神様がほほ笑むことを祈るのみである。
14年シーズンは戦力として考えることは難しそうだ。何とか1試合だけでも投げれる状態に戻れば良いのだが…

2人目はその由規と仙台育英時代に同期だった中根佑二である。由規と言う類まれな能力のある投手の陰に隠れながらも高校時代からその投手としての素質では由規と双璧なのでは?と言う声も聞かれていたのが、この中根である。その評価を裏付けるように進学した東北福祉大学で下級生時から活躍して見せた。ドラフト上位指名も噂されていたのだが、ドラフト直前の4年秋のシーズンに右肩を痛めてしまったことにより評価を下げ、ドラフト5位でヤクルト入団となった。
ヤクルト入団直後の1月に右膝前十字靭帯損傷の靭帯再建手術を行ったこともあり、由規同様この2年間全く登板することが出来なかった。そして今オフ戦力外通告を受けてしまった。それでも先日育成契約を結ぶことが発表された。
この中根の怪我についてもあまり情報が入ってこないのだが、由規同様相当重傷と考えて良さそうだ。それでも育成契約を結んでもらえたということは球団が中根の潜在能力を高く評価しているということだろう。14年シーズンの中で身体の状況がどこまで戻るだろうか?追い込まれていることは間違いないのだが、まだチャンスは残されている。過去のヤクルトにはドラフト1位で入団したものの怪我に泣いた伊藤彰という投手もいたのだが、中根にはそうはなってほしくはない。やれるだけのことをやってもらいたい。月並みな言葉になってしまうのだが「頑張れ!」。という言葉を贈りたい。陰ながら応援していきたい。

最後は由規の実の弟佐藤貴規である。この佐藤貴規は、育成ドラフトで指名され3年間育成選手としてプレーしてきた。今シーズンは支配下選手登録されるチャンスもあったのだがそこまでは至らなかった。それでも高卒野手で2軍とは言えそれなりの結果を残している佐藤貴規は素晴らしい選手だと思う。しかしおそらくではあるのだが、プロの選手として生き抜いていくための「これ!」といった武器をまだ持ち得ていないのだと思う。
ヤクルトの外野陣はバレンティン、ミレッジの両外国人選手が存在しているため後1つのイスを多数の選手で奪い合わなければいけない状況となっている。そんなチーム事情が佐藤貴規には向かい風になっている部分もあるのかもしれない。
中根同様来シーズンの育成契約を結んだとのニュースが飛び込んできたのだが、この佐藤貴規の場合はこの1年で結果(支配下登録)を残せないようならヤクルトに残るべきではないと思う。勝負の1年である。キャンプ、オープン戦と飛ばしに飛ばしまくってもらいたい。試合で結果を残し続ければ自ずと道は拓かれてくるはずである。才能が開花する瞬間を是非ヤクルトで見てみたい。

由規、中根、佐藤貴規いずれも厳しい状況にあるがこの3人に2014年シーズンは少しでも光が差し込むことを祈っている。「仙台育英トリオ」3人ともに非常に真面目な選手のイメージがある。素直に応援したい3人である。

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