なめられたままで終われない。執念の粘り勝ち!

ヤクルト7-6巨人(延長11回)

今シーズンの巨人戦でこういった展開のゲームになると終盤に良い形を作ったとしてもほぼ負けているイメージだったのだが、今日は9回に追いつき、10回に勝ち越すもののその後追いつかれ、いつも通りのサヨナラ負けかな?と思っていたら、10回を何とか同点で凌ぎ切り、11回に山田の勝ち越しホームランが飛び出し、最後は山本哲が試合を締めた。
正直ヤクルトが消化試合ならば巨人は調整試合といった感じのゲームで、素直に喜んでよいのか分からないゲームだったのだが、それでも勝ちは勝ちである。色々と試しながらの選手起用をしている巨人に多少の意地を見せることは出来たのではないだろうか?

先発の小川の調子は「良くもなく悪くもなく。」と言った所だったと思う。しかし初回にショート森岡のエラーから阿部、アンダーソンに連続タイムリーを許して、先制されてしまうと2回には亀井にインコース高めの難しいコースのストレートを上手く捌かれてしまい、ソロホームランを浴びてしまう。打線が追いついた後の5回には坂本に変化球を上手く拾われてしまい、2ランホームランを浴びてしまった。結局5回を被安打5(被本塁打2)与四死球1の5失点(自責点3)と試合を作れなかった。打線が追いついたことで黒星は付かなかったが、これで2ケタ勝利は厳しくなった。
守備のミスも絡んでの5失点ということで悪い部分ばかりだったかというとそうでもなかったのだが、ストレートの威力がもう一つだったかな?という印象は残った。コントロール自体はそこまで悪かったとは思わないのだが、小川の持ち味の一つであるストレートの威力がイマイチだったために難しいコースのボールにも打者に反応されてしまっていた。阿部のタイムリーにしても亀井、坂本のホームランにしてもストレートが走っていればもう少し違った結果になったかな?と感じさせるようなボールを打たれてしまった印象が残っている。
それでも個人的には小川についてはそこまで悲観していない。調子の悪いなりに抑える方法を考えて投げることが出来ていると思う。その日の状態によって軸にするボールを変えて対応する辺りはピッチャーとしてのセンスを感じる。この試合も左打者のインコースにカットボールを投げ込み、カウントを整える場面などは流石に昨シーズンの最多勝投手だな。と思わせた。私の見立てとしては、コンディショニングに失敗しなければ来シーズンも期待できるように感じている(ヤクルトというチームはそのコンディショニングの部分に大きな課題があるのだが…)。やはり投手としての完成度は素晴らしいものがある。

リリーフ陣は10回に試合を締められなかったバーネットは誉められないが、それ以外の投手(中澤、松岡、秋吉、久古、山本哲)は、無失点でリレーし、チームの勝利に貢献して見せた。秋吉以外は、ヒットでランナーを出す苦しい投球となったのだが、得点は許さず、何とか粘って見せた。上記の通り、巨人は調整試合という様相でゲーム終盤は大幅にオーダーが変わっていたので投球内容自体はそこまで誉めることは出来ない。それでもリリーフ投手1人1人が最低限の仕事をこなすことで転がり込んできた勝利には違いない。来シーズンはこの試合のようなリリーフ陣の粘りに期待してみたいものである。

打線に関しては、「とにかく打って点を獲るしかない。」と言うのが今シーズンの状況である。今日の試合も決して上手く攻めこんだというゲームではないのだが、4回の川端、バレンティン、雄平、畠山、飯原の5連打で3点を奪い同点に追いついた場面は、今シーズンのヤクルト打線の特徴が出ていたと思うし、個人的にはほぼ諦めかけていた9回にマシソンからチャンスを作り、谷内の内野ゴロと川端のタイムリーで同点に追いついた場面は素晴らしかったと思う。
大事な場面でのタイムリーを含む4安打を放った川端は技術の高さを見せてくれたし、9回、10回と大事な場面でヒットを放った相川も猛打賞と気を吐いてくれた。キャッチャーに関しては、中村を推す記事を多く書いてきているのだが、今シーズンは限られた出場機会の中でも相川を称賛する記事が多かったように記憶している。今日は打撃面で見せてくれた。その他でも後半戦調子を上げている飯原が猛打賞。最多安打のタイトルがかかる山田が11回の勝ち越しホームランを含む2安打と結果を残した。山田に関しては、9月に入ってから三振も増えているような印象があり、決して調子が良いとは言えないのだが、それでも大事な場面で結果を残す辺り強いスター性を感じる。こうなったら1つくらいタイトルを取ってほしい。
そしてバレンティンは、このゲームが今シーズンのラストゲームになるようだ。これは良い判断だと思う。アキレス腱の状態は素人目に見ても悪く思え、守備走塁だけでなく打撃面でも明らかに下半身のパワーを伝えられていないように感じた。今までならホームランになるかな?と感じた打球でもフェンス前で失速してしまう場面が目立ったように思う。もちろんファンとしては4年連続のホームラン王になる姿も見たかったのだが、それよりも万全で野球をするバレンティンの姿を見たい気持ちの方が強い。来シーズンは万全な状態で開幕を迎えてもらいたい。

P.S 私はやはり谷内が気になる。打撃も走塁も守備もおそらく1軍レベルに到達していないと思う。それでも頭を使って野球が出来ていると思う。特にバッティングに工夫が見られる。0アウトもしくは1アウトでランナーが3塁にいる場面でのバッティングには要注目である。この試合でも9回に追い込まれながらも内野ゴロを打ち1打点をあげる場面があったのだが、自分が今何をやらなければならないかがよく分かっている選手だと思う。今シーズンのヤクルトスワローズの野手陣は数字に表れる形で結果を残す選手が多いのだが、この谷内に関しては数字に表れない部分も含めて評価したくなる選手である。
おそらく今後伸びてくる選手だと思う。来シーズン以降が楽しみである。

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