小川監督辞意表明

プロ野球・ヤクルトの小川淳司監督(57)の今季限りでの退任が22日、決まった。この日、東京都港区の球団事務所で衣笠剛球団社長兼オーナー代行に辞任の意向を伝え、球団側も了承した。記者会見した小川監督は、「(監督生活では)悔しさしかない。最後こういう形になったのも悔しいし、2011年に優勝を逃したのも、悔しさしか残っていない」と心境を語った。

 衣笠球団社長は「フロントとして監督におわび申し上げた。(今季は)補強ができたとはいえない中で今季戦っていただき、非常に苦しい思いをさせた」と語ったが、小川監督は「与えられた戦力で戦っていくという義務、責任がある。すべては自分の采配に行き着くかと思う」と強調。この日午後、神宮球場での全体練習前に自ら選手に説明した。
(毎日新聞引用)

まだシーズンは終了していないが、2年続けての最下位が濃厚となっている中では仕方ないことだろう。私は、小川監督の手腕を高く評価していた人間なので昨シーズン後に関しては、小川監督の続投を支持していた。しかし流石に2年連続でこの成績となってしまっては、続投という訳にはいかないだろう。もしかすると小川監督は昨シーズン終了後も辞任することを考えたのではないだろうか?それでも続投に踏み切ったのは、周りからの続投の声に応えたというだけではなく、今日の会見でもあったように「悔しい思いをしていたから。」というのが最も大きな理由だったのかもしれない。

2010年シーズン途中に成績不振から高田監督が辞任し、その後監督代行と言う形で指揮を執ったのだが、この時点で19あった借金をシーズン終了時には完済し、逆に4つの貯金を作って見せた。いわゆる「メークミルミル」の立役者が小川監督だった。
2011年シーズンはシーズン終盤まで首位をキープし、そのまま優勝も見えてきたのだが、最後は故障者が続出したこともあり、中日に差されて優勝を逃してしまった。このシーズンに関しては「低反発球の導入」がヤクルトに追い風になったことは間違いないのだが、先行逃げ切りの勝ちパターンをしっかり作ったことと、低反発球をもろともしない畠山、バレンティンの前半戦での活躍がチームに好影響を与えたシーズンだった。それだけにこのシーズンに優勝を逃してしまったのはあまりに痛かったのかもしれない。
その後は2012年シーズンは何とか3位になりCSに進出したものの1位巨人、2位中日とは大きく離された中での3位であり、2011年終盤からの失速がそのまま続いたような結果となってしまった。そして2013年、2014年シーズンはチームが大きく低迷してしまった。

2011年シーズン終盤から今シーズンまでは故障者に苦しんだ監督生活だったと思う。しかし小川監督は敗戦の弁を述べるときにいつも「私の責任。私の采配ミス。」と言う言葉を多用していた。ここら辺が小川監督らしさなのだと思う。そしてここら辺が私が小川監督の事が好きな理由でもある。
正直ここまで選手の責任とせずに自分の責任だと言ってしまうのは監督としてどうかな?と感じるところもあるのだが、個人的には職場の上司が小川監督のような上司だったら仕事はやりやすいだろうと感じるし、人間的な魅力に溢れた監督だったと思う。

采配面に関しては、2010年、2011年はチームの戦力を見渡した中で非常にシンプルな采配で勝利を重ねたと感じる。前任者の高田監督の采配は個人的には、「?」な采配が多かったので、小川監督の選手の起用法、配置は好きだった。シーズン中だけでなく、CSでの大胆な選手起用、配置も好きだったし、結果は残せなかったが、短期決戦にも対応できる監督だったと感じている。
2012年、2013年は2011年の残像もあってか、少し消極的な采配も多く感じ、やきもきすることも増えたように感じるが、今シーズンに関しては、最下位に沈んでいるものの今までの小川野球を捨てて、攻撃的な野球を展開したことは私は評価している。今のメンバーを見渡した場合、今シーズンはこの戦い方しかなかったと思う。その中で山田や雄平、中村が結果を残し始め、「新ヤクルトスワローズ誕生」のシーズンになったと思う。来シーズンの監督は真中コーチが内部昇格することが有力との報道があるが、次期監督への置き土産もしっかり作ってくれたと感じている。

文章がまとまらないが、約5シーズンという長きにわたってヤクルトスワローズを率いて頂きありがとうございました。昨シーズン、今シーズンと非常に苦しいシーズンになってしまい、心労も大きかったと思います。今シーズンはまだ残っているので、最後まで全力を尽くしてもらい、その後はゆっくり休んでもらいたいと思います。本当にお疲れ様でした。

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コメント

  1. ケマル より:

    お疲れ様でしたと小川監督には言いたいです。
    よく頑張ってくれたとも。

    小川監督にまったく責任がないとは言えませんが、怪我人がとにかく多すぎました。
    今期も館山がいれば違う展開になったはずです。
    新外国人のピッチャーもしっかりと1軍で通用するのは少数でした。

    限られた戦力の中で頑張ってくれたと思います。

    管理人さんも言われるように期待できる若手は何人か育ててくれました。

    新監督はその戦力をいかしてスワローズを上位に導いてほしいです。

  2. より:

    小川監督も退任と外国人選手も帰国という事で、これからの試合は完全に消化試合になってしまいますが若手にチャンスを与えて欲しいですね、ずっと2軍の西浦や1軍の試合に出てない選手などを使うのも優しい小川監督の最後の仕事になるんじゃないのかと思います。

    私の小川監督在任での4年間の感想は前半2年と後半2年で分かれる気がします、大きかったのは低反発球の影響だと思いますが投手と守備中心に1点を確実に取る野球が小川監督が力を発揮できる采配なんだと思いました、こちらの記事にもありましたが「試合巧者」という言葉が合っていたような気がします。キーは館山・由規が小川監督には重要な選手だったんだと改めて思います。
    後半2年は球が変わり野球内容も打撃力偏重に舵をきったんだと思いますが、その結果12球団の1の破壊力ある攻撃が出来上がり評価できる部分もありますが宮本の引退などの影響もあって一気に投手含めた守備が崩壊してしまいチームの方向性を見失ってしまいた。(あまりにもチームが変わりすぎました)
    小川監督自体は有能な監督と思いますすが大雑把な野球する采配では力を発揮できない監督だったのかなと思います(ある意味で豪快な性格な監督だと合うのか(笑))
    若手育成に長けている方なのでフロントに残るのはいい事だと思います。
    最後に佐藤真一ヘッドコーチも戦犯なので去就は注目です、残留だと首の付け替えなので意味がないですよね。

  3. ネコ サカナ より:

    先発投手の駒が不足するのは分かっていながら、今シーズンもたいした補強もない。ヤクルトファンではないけど外から見ててほんとにお気の毒なくらいフロントのバックアップがないなか、頑張られたと思います。中継ぎでも昨シーズン打たれていた木谷の先発など泣けてくる試合もありました。打線もバレンティンの前後を打つ助っ人外人が必要なのは明らかなのに補強してあげないなんて…。ミレッジはどこに行ったの?雄平、川端、山田、畠山が活躍しなかったら、もっとひどいことになっていましたね。小川傭兵を見ているとこのチームには正しい競争があるような気がします。いい芽が育っています。将来のためにいい仕事をされた監督だと思いいます。私は好きですよ。小川監督。おつかれさまでした。

  4. FIYS より:

    > ケマルさんへ

    そうですね。私もブログに書いた通り、まずはお疲れ様と言いたいです。まだ来季の監督は発表されていませんが、今シーズン作り上げた強力打線を上手く使ったチーム作りが必要になりますかね?

  5. FIYS より:

    > Kさんへ

    今日は松井、西田、古野辺りがチャンスをもらっていましたね。正直目ぼしい若手は皆無と言っても良い状況なのですが、若手にとってはアピールのチャンスですよね。

    小川監督は確かに怪我に泣いた部分はありますよね。館山、由規に関しては、これだけリハビリを続けても帰ってこれない状況なので選手生命を賭けて戦っているという状況でしょうね。今日は周防監督が背番号「25」のユニフォームを着て始球式を行ったようですが、ヤクルトファンにとってはこの館山と由規が復帰をただただ願うしかないですよね。「頑張れ!」という言葉をかけることしか出来ませんが…

    Kさんの言うとおり、小川監督は大雑把な野球のチームでは力を発揮できない監督かもしれませんね。それでも攻撃重視のチームに舵を切ったことは評価したいと思っています。今のチームに合う監督は確かにいそうですけどね。(個人的には野村野球を熟知しつつも柔軟な考え、アイディアを持っている古田氏です。)(報道されている真中コーチも監督になるプロセスとしては2軍監督や打撃コーチで結果を残しているため、個人的には文句なしですが…)

  6. FIYS より:

    > ネコ サカナさんへ

    コメントありがとうございます。他球団ファンの方からのコメントは貴重であり、とても嬉しいです。小川監督の評価が高く、個人的にはとても嬉しい気持ちになりました。
    大きな補強が期待できないヤクルトというチームですが、チーム事情を考えながら勝てるチーム作りをしていってもらいたいです。

    改めて振り返って見ると、畠山、川端、山田、雄平など良い選手を育てましたよね。

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