小川泰弘の精神力

ヤクルト3-1広島

ピンチを招いても動揺一つ見せず、粘り切る小川の精神力は素晴らしい。8回130球の熱投となった。

小川は、味方から2点を援護してもらった後の1回裏に連打と四球でいきなり0アウト満塁のピンチを招く厳しい立ち上がりとなったが、この大ピンチでも動揺するどころか逆にギアを入れ替えるような素晴らしい投球を見せ、エルドレッド、松山、小窪と打ち取り、得点を与えない。エルドレッドに対しては、自己最速となる150キロのストレートを投げ込んでみせた。
ストレートの威力、キレは素晴らしく、多少高めに浮いても広島打線を抑え込んでみせた。初回以降も広島打線にヒットを許すものの、要所要所では素晴らしいボールを投げ込んで7回までは無失点のピッチングを見せてくれた。8回に丸にソロホームランを浴びたものの、8回で130球を投げ、被安打8(被本塁打1)与四死球2の1失点という内容はエースと呼ぶにふさわしい投球だったのではないだろうか?
この小川、流石に昨シーズンの最多勝投手である。今シーズンは右手の骨折で長期離脱があるなど、苦しいシーズンとなり、他チームにも研究されており、機動力で崩される場面も目立ったが、それでも9勝5敗という数字を残し、2ケタ勝利の可能性も残してみせた。投手としての総合力の高さは素晴らしいのだが、それに加えて精神力の強さはプロの世界でも超一流と呼んでも良いようなものを持っていると思う。練習で準備してきたものを試合でしっかり出せているのではないだろうか?試合中にオタオタせずに、足を使われて崩されてもピッチングを変えることはなく、「ピンチを招いても得点を与えなければ良いんでしょ。」と言わんばかりに今日のようにギアを切り替えて抑え込む姿は圧巻である。
今日は経験の浅い西田とのバッテリーだったが、小川に関しては、誰がキャッチャーでも問題なく抑えてみせる。素晴らしいピッチャーである。

9回はルーキー秋吉が無失点で抑えて、3-1で広島を破って見せた。バーネットが帰国した中で抑えを任された秋吉だったが、左打者対策という課題は残ったものの、キレの良いストレートとスライダーは健在である。60試合近く投げてきた中でシーズン最終盤のこの時期にこれだけのボールが投げられることは素晴らしいことである。即戦力ルーキーとして期待通りのピッチングを見せてくれている。数字的に新人王は厳しいと思うが、ルーキーイヤーからヤクルトには欠かせない投手になってくれた。

打線は前回の対戦で抑え込まれた福井を相手に序盤のチャンスで、雄平、畠山と言った主力がしっかりタイムリーを放ち、得点を重ねてみせた。その後は、追加点が奪えず、小川を援護することが出来なかったが、初回、2回のチャンスでのクリーンアップ2人の活躍は大きかった。
アピールしたい若手は、荒木が2安打、松井が2ベース1本、西田が好リードと結果を残したが、荒木はレフトでエラーをし、松井はチャンスで代打を送られ、西田はノーヒットと課題も残った。特に荒木については、昨日も書いたのだが打撃で成長しているだけに守備での凡ミスが非常にもったいない。来シーズンに向けて鍛えてもらわなければならない。

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