ヤクルト0-3中日
結果的には下川は、上林の一発に泣く形となったのだが、先発として7回を投げ切り、被安打3(被本塁打1)、与四死球4の2失点という数字は、期待以上のスタッツである。先発としても威力のあるストレートを軸に6つの三振を奪えたところに下川のアンダースローとしての実力の高さを感じることが出来た。
今シーズン3度目の先発登板となったのだが、今日の投球がベストピッチだったのではなかろうか?下川の活躍は、現実的にNPBでのプレーを目指している若者に夢を与えるものになっているのではないだろうか?
下川は、湘南工科大学付属高校ー神奈川工科大学時代は実績らしい実績を残すことが出来ていない。それでもBCリーグ新潟アルビレックスBCでプレーできたということは、アンダースローとして多少なりとも光るものがあったからだとは思うのだが、まだまだNPBは遠い存在だったはずである。そこから3年で育成ドラフトに掛かり、そのまま支配下契約を勝ち取り、プロ初勝利も手にした成長曲線は、晩成型と言って差し支えないはずである。
高校、大学で実績を残せなくてもまだまだプロを諦めたくない若者、アンダースローなど特徴的なフォームの若者、BCリーグで腕を磨く若者、2軍の新球団オイシックス、くふうハヤテからのプロ入りを目指す若者、いわゆるオールドルーキーと呼ばれる年齢に差し掛かっている崖っぷちの若者など様々な若者に勇気を与えているのが今の下川ではないだろうか?
上林に浴びた2ランホームランが決勝点になってしまったのだが、今日は右打者は完璧に抑えるなど下川らしさは発揮してくれたと思う。アンダーハンド特有の浮き上がるような軌道を描くストレートと同じような球速でボールを動かすツーシーム、そこにツーシームとは逆方向に変化するスライダーと緩いカーブのコンビネーションで中日打線を抑えてみせた。コントロールという部分ではまだまだ改善の余地はあると思うのだが、ランナーを出してもマウンドでは落ち着いており、バタつくことがないところは、これまでの経験値が為せる業なのだろうか?コントロールと左打者対策という明確な課題があるのだが、この課題をどこまで克服することが出来るだろうか?育成ドラフトで指名された投手ではあるのだが、年齢は25歳ということで1年目から勝負しなければならないシーズンだった。そんなシーズンの中で、ここまでチーム内の序列を上げた来たことは見事な事である。もしかすると出力を上げることが出来るリリーフの方が結果が出やすいのかな?と感じることもあったのだが、今日の投球内容は7回で96球という球数を投げながらも最後までボールの威力を感じさせてくれており、三振も6つ奪うことが出来たため、先発としての適性もあることを示してくれたと思う。来シーズンは、まざ先発争いからスタートしてもらいたいというのが個人的な希望である。
打線は、8安打を放ったのだが、全て単打のみということで、チャンスで後一本を出すことが出来なかった。4回、6回のチャンスで打席が回ってきた岩田は結果を残すことが出来なかった。しかしこういった場面で多くの打席を経験することが出来たことが岩田にとっては大きな経験になっているはずである。プロ4年目の今シーズンは、出場試合数、打席数ともキャリアハイの数字であり、チーム事情が味方したとは言え、これだけ試合に使ってもらえたということは、首脳陣から一定の評価を受けた証拠である。出場機会が多くなったためミスが目立つ場面もあったのだが、その反面期待に応えてくれる場面も激増した。まだまだレギュラーを獲得したというポジションではないため、来シーズン以降も他の選手との激しい競争は続くのだが、今シーズンの経験は来シーズン以降に活きてくるはずである。
来シーズンに向けて育成ドラフト出身者が奮闘を続けている。
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コメント
下川隼は崖っぷちからのスタートと言ってよかったと思う厳しい環境で出足こそ振るわなかったですが見事1軍のプロ野球選手として来期につながる結果を残したと思います。アンダースローから三振が奪えるのはいいですよね
これからが楽しみだし、育成契約の選手にもモチベーションになりますよね
まだ荒削りですが廣澤優がファームで160キロ前後を連発したと聞きますし楽しみです
saboさんへ
確かに出足は振るわなかったため、よくここまで状態を上げてきたなと感じます。
廣澤も来シーズン以降是非1軍の戦力になってもらいたいですよね。