ヤクルト6-1広島
雨のマツダスタジアムで輝いたのは、1番ショートで先発出場となった田中だった。広島先発の斎藤相手に3安打を放ち、ヤクルトの高卒新人では、58年ぶりの猛打賞になったとのことである。高卒1年目のシーズンから2軍である程度の結果を残し、消化試合とは言え、シーズン最終盤で1軍でも結果を残した田中は、今後ヤクルトを引っ張るような選手になれるだろうか?来シーズン以降「池山監督の秘蔵っ子」、「高津監督の置き土産」などと形容されるような選手に成長してくれるだろうか(もちろん本当の意味では田中充の秘蔵っ子ではあるのだが…)?
広島先発の斎藤は、2022年に苫小牧中央高校からドラフト1位で広島に入団した好素材の若手投手である。広島は広島で消化試合に若手投手を抜擢してきた。その斎藤相手に初回先頭打者として打席に入った田中は、いきなりライトへの2ベースヒットを放ちチャンスメイクをしてみせた。その後村上の犠牲フライとオスナのタイムリーヒットで2点を先制することに成功する。
田中は、2回に回ってきた第2打席でもライトへヒットを放つと、5回の第3打席でもセンター前にヒットを放ち、斎藤相手に3安打を放ってみせた。いずれの打席もカウント2-2からのヒットであり、追い込まれた後の対応力の高さを示してみせた。
7月の初昇格の際には、1軍レベルのボールに手も足も出なかったのだが、あれから3か月が経過し、しっかり成長した姿を見せてくれた。しっかり引っ張って強い打球を放つことが出来ている部分はプラスの要素である。もちろんまだまだ高卒1年目の19歳であり、守備面含め1軍では足りない部分ばかりだとは思うのだが、2軍で試合出場を重ねながら、シーズン最終盤の最も身体の疲労が溜まっている時期に1軍で結果を残せたということはそれ自体が来シーズン以降に繋がるはずである。しなやかさと力強さが同居する大型遊撃手ということで、映えるショートストップである。明日の最終戦でも起用されるのではないだろうか?
その他の若手では、北村恵がホームランとタイムリーヒットを放ち、橋本にもヒットが生まれた。この2人に関しては、年齢的にも来シーズンを大きな飛躍の年にしたいのではないだろうか?田中、北村恵、橋本といった若手が結果を残す中で2番センターで起用された西村は、5打数ノーヒットと苦しむことになった。西村に関しては、2軍でも数字を残しきれていない部分があるため、ある意味では実力がそのまま数字に出てしまっているということになるのかもしれないが、個人的には逆方向に大きな当たりを放つことが出来る西村には大いに期待している部分がある。今日は悔しい思いをしてしまったと思われるが、プロの壁にぶつかりながら少しずつ成長してるはずである。この悔しさを来シーズン以降にぶつけてもらいたい(もちろん明日チャンスがあるのであれば明日ぶつけてもらいたい!)。
投手では、高梨が6回1失点と雨の中の難しいコンディションでありながらも結果を残し、3勝目を手にしてみせた。若手中心の広島相手に格の違い、プロの投手のレベルというものを感じさせるくらいの投球は出来たのではないだろうか?奪三振数も6を数え、高梨らしい投球が出来ていたように感じる。シーズントータルで見れば満足のいくシーズンではなかったかもしれないが、1試合単位で見ていくと久々に高梨らしい投球を見せてくれることが多かったと感じるシーズンとなった。
明日は高津ヤクルトの最終戦である。若手中心のメンバーでも全力で勝利を目指してもらいたい。
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