ヤクルト2-5阪神
試合前に石山が登録抹消となった。昨日のゲームで9回にマウンドに上がらなかったことから心配されていたのだが、やはりコンディション不良で投げられなかったということのようだ。今シーズンはクローザー不在というような状況で開幕してしまったのだが、早い段階で石山がクローザーに固定され、想像以上の数字を残していた。オールスターにもヤクルトの選手で唯一選出されるなど、数少ない結果を残している選手の一人だったのだが、このタイミングで離脱となってしまった。ファン心理的にも辛い登録抹消である。
そんなチーム状況の中で先発を任されたのは、1軍では約2か月ぶりの登板となる石川だった。猛暑のデーゲームでも淡々と投げ続け、2軍で結果を残す中で今日の先発登板にこぎつけてみせた。首位阪神相手に通算189勝目を狙ったのだが、結果は味方打線が2点の援護点をプレゼントしてくれた直後の4回に崩れてしまい、負け投手となってしまった。これで通算成績は188勝192敗となった。192敗という数字を皆さんはどう読み解くだろうか?
阪神の先発がデュプランティエということで、とにかく先制点は与えたくなったのだが、そんな中で石川が1回~3回までは、抜群の投球を見せてくれた。初回の先頭打者である近本にヒットは許したものの、その後は、3回まで連続して9つのアウトを奪ってみせた。ストレート変化球を低めに丁寧に集めて、好調阪神打線からアウトを重ねていく様は、石川に期待している投球そのものだった。そんな石川の投球に打線が応え、4回に2点を先制し、これ以上ない展開に持ち込んだのだが、その直後に石川が崩れてしまった。
この回先頭の中野にヒットを許すと、続く森下に四球、佐藤輝にライト前ヒットで繋がれてしまい、0アウト満塁のピンチを招くと大山の打球は一瞬打ち取ったかにも見えたのだが、ライト太田が捕球出来ず、同点2点タイムリーヒットとなってしまった。石川は、続く小幡にもタイムリーヒットを打たれてしまい、2-3と逆転を許したところで降板となってしまった。大山の当たりが多少不運な当たりにも見えたため、少し降板するタイミングが早いかな?とも思ったのだが、2点のリードを奪った後に1アウトも奪えずに逆転を許してしまったのだから、勝つ確率を少しでも高めるためには、致し方ないタイミングだったということなのだろう。今日は特に森下への四球が非常に痛かった。今シーズンはこの森下にものの見事ホームランを浴びてしまったこともあり、慎重になり過ぎた部分があったかと思うのだが、あのシチュエーションでの四球は石川らしくなかった。
結局石川は、負け投手となってしまい、これで通算の敗戦数は「192」となってしまった。今現在200勝を目標としている石川だが、通算の勝ち星は188勝である。石川が入団した2001年は、ヤクルトが日本一に輝いた年であり、当時のヤクルトは決して弱いチームではなかった。しかし、石川がヤクルトでプレーし始めた2002年以降、中々リーグ優勝を果たすことが出来ず、石川が初めてリーグ優勝を経験したのは、プロ14年目の2015年のことだった。その間には確かに弱い時期もあったのだが、それでも通算成績は、常に勝ち星が先行しており、少ないながらも貯金が作れるタイプの投手であった。年齢を重ねても一気に数字を落とすことはなく、投げ続けていたのだが、チームがシーズン96敗を喫してしまった2017年は、4勝14敗と大きく負け越してしまい、これ以降個人的には石川の負け数というものも気になるようになってしまった。それでも何とか勝ち星が先行していたのだが、2023年シーズン終了時点で185勝185敗となると、その後の2年間で3勝7敗と負けが4つ先行する形となってしまった。192敗出来るだけ長きに渡って投げ続けていることは高く評価されるべきだと思うのだが、この3年間で5勝12敗と大きく負け越してしまっていることは気になる点である。石川の目標が200勝だとしても高津監督は特別扱いすることはなく、実力に応じた起用をしていると感じるのだが、それでも負け数ばかりが増えていく現状を考えると石川をどこまで戦力として期待するか?という部分に関しては、どこかで決断を下さなければならない場面が来るのかもしれない。ここ2か月、2軍ではしっかり結果を残したし、今日の3回までの投球は見事だったため、まだまだ戦力で居続けてくれると信じたいのだが、徐々に厳しくなってきていることも確かなのかもしれない。
今日はそんな石川の後を任された松本健が、3回を被安打1の無失点と素晴らしい投球を披露してくれた。リリーフに回って以降、ストレートの出力が上がるとともに結果を残し始めた印象があるのだが、今日は3イニングというロングリリーフも見事にこなしてくれた。少しずつ投手陣の中での序列が上がってきているのではないだろうか?
打線は、デュプランティエ相手に3回までは無得点に抑え込まれてしまったのだが、4回に先頭の内山が四球で出塁すると続くオスナがレフトフェンス直撃の2ベースヒットで0アウト2,3塁のチャンスを作り、ここで今日5番で起用された太田がセンター前に2点タイムリーヒットを放ち、先制することに成功してみせた。好調デュプランティエ相手に欲しかった先制点をクリーンアップで奪ってみせた。太田はその後守備面で勿体ないプレーがあったのだが、今の太田に期待されている打撃面では良いアピールが出来たのではないだろうか?とにかく今の太田には、バットで結果を残してもらう他ない状況である。この2点でデュプランティエ攻略の糸口が見えるかな?とも感じたのだが、直後に逆転を許してしまったこともあり、デュプランティエを立ち直らせてしまった。その後は大きなチャンスを作ることもなく抑え込まれると、最後は阪口が追加点を奪われ、反撃ムードは断たれてしまった。
1番岩田、2番武岡、3番内山、4番オスナ、5番太田、6番伊藤、7番中村、8番山野辺、9番石川というオーダーで大量得点を奪えと言われても難しいため、今日の4回表までのような展開に持ち込むことが勝利への近道である。コツコツとチャンスを作り、何とか1点をもぎ取る野球を続けていってもらいたい。
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