6回裏、7回裏勝負を掛けるも無得点

2025試合結果


ヤクルト2-3巨人

今のヤクルトにとっては、こういう試合展開に持ち込んで後半に勝負する形が数少ない勝ちパターンの一つである。巨人は8回大勢、9回マルティネスという強力なリリーバーが控えている中で6回裏に代打山田、7回裏にサンタナの代走で並木と1点ビハインドの中でも早め早めに勝負を掛けたのだが、結果的に同点に追い付くことさえできず、勝ちを逃す形となってしまった。見所の多いゲームではあったが、やはり負けてしまうと残念な気持ちが勝ってしまうものである。

1-2というスコアで迎えた6回裏は、先頭のオスナがこの回からマウンドに上がった田中瑛からヒットを放ち、出塁したのだが、続く茂木が三振に倒れてしまう。続く古賀は送りバントで2アウト2塁という場面を作りに行ったのだが、結局送れず、最後はバスターに切り替えたが三振に倒れてしまい、2アウト1塁という状況で伊藤の代打に橋本を送った。その橋本が四球で出塁し、2アウト1,2塁とチャンスが広がると、ヤクルトベンチは、ここで代打に山田を起用し、勝負に出た。まだ6回の段階で連続代打、切り札の一つである山田というカードを切ったのは、ゲーム終盤のことを考えれば当然の手だったように思う。
この場面を振り返る前に山田について触れておきたい。山田は、昨日、今日とスタメンを外れることとなった。今日の巨人の先発はサウスポーのグリフィンであり、山田がスタメンでも全く違和感はなかったと思うのだが、高津監督は山田をベンチに置くことを選択した。コンディションが整わないという部分もあるかもしれないが、試合に出られる状況であっても、チーム状況を総合的に判断した結果セカンド赤羽、ショート伊藤、センター岩田、ライト内山を先発に起用した方が勝利に近付くという判断をしたのだろう。これが今の山田の「現在地」である。そんな状況におそらく悔しさを感じていると思うのだが、それでも与えられた場所で自分の出来ることを探してプレーするのが山田というプレーヤーの特徴だと思っている。
今日は、代打で登場したことによってヤクルトファンのボルテージが一気に上がり、神宮球場の雰囲気を変えてみせた。後は打つだけという場面だったのだが、結果としては、田中瑛のインコースのシュートに詰まり、ショートゴロに倒れてしまった。仕留めるなら多少甘めに入った初球だったかな?と思うのだが、仕留めることが出来なかった。昨日の赤星、今日の田中瑛とシュートを上手く使う右投手との対戦が続き、効果的にシュートを使う投手を攻略することの難しさを感じているのだが、おそらく2014年~2016年辺りの山田であれば攻略していたのではないか?という想像をしてしまう。当時は当たり前のように打ちまくっていたため、感覚が麻痺していた部分もあるのだが、赤星や田中瑛に打線が抑えられたことにより、改めて当時の山田の打撃技術の高さを実感することが出来た。あの頃の打撃を期待することは難しいかもしれないが、どんなポジションでももう一度輝く場面を見てみたい(もう一度ではなく、何度でも見たいですね。)。
6回の代打山田で同点に追い付くことが出来なかったがヤクルトだが、7回にもう一度チャンスが巡って来る。この回先頭の岩田が変わった中川からヒットで出塁すると、続く赤羽の送りバントの際に巨人のキャッチャー岸田がエラーをし、0アウト1,2塁とチャンスが広がった。ここで打席には、状態が良いサンタナを迎え、巨人バッテリーは相当投げ辛そうにしていた。カウント3-1となり、完全に打者有利な状況を作り上げたのだが、ここでサンタナはインハイのストレートに詰まり、サードゴロに倒れてしまい、1アウト1,3塁というシチュエーションに変化した。ここでヤクルトベンチは、一塁ランナーのサンタナに代走並木を起用し、勝負に出る。まだ1点ビハインドの7回であり、最終盤にサンタナのバットに期待したい場面が巡ってくる可能性があるにも関わらず、この回で一気に勝負に出るという意思表示を示す形となった。出来れば同点とは言わず、逆転を狙いたい場面だっただけに当然の策だと感じた。
しかし、ここで2試合続けて4番に入った内山が初球のストレートを打ち上げてしまい、キャッチャーファールフライで2アウトとなってしまった。おそらく狙っていたであろうストレートに反応したのだが、ポップフライになってしまった。サンタナの後ろを任されながらも今日のゲームでは初球からスイングを掛けていく姿が目立ち、このアプローチ自体は全く間違っていないと思うのだが、この打席の結果としては、最悪の結果となってしまった。4番に入れば打てるようになる訳ではなく、内山自身は、昨シーズン怪我で長期離脱してしまい、一時の勢いは失ってしまっている。それだけに、この打席に多くのことを求めてはならないのだが、初球から行くのであれば仕留めなければならなかったというのも事実だと感じている。三塁ランナーに岩田、一塁ランナーに並木という現在のヤクルトで№1、2の走者がいたのだから、相手バッテリーは、かなりのプレッシャーを感じていたはずである。そんなシチュエーションだっただけに、内山の凡退は結果として相手を助けることとなってしまった。
続くオスナの打席に関しては、2アウトである並木が走ったとしても一塁が空くため、オスナが勝負を避けられる可能性もあり、並木が走りづらいシチュエーションとなってしまった。オスナのバットに期待するのみという場面だったのだが、結局オスナはショートゴロに倒れてしまい、この回もチャンスを逸してしまった。6回以上に7回に得点することが出来なかった事は痛かった。
結局この後、小澤が浅野にソロホームランを浴び、点差を広げられてしまい、8回に武岡が大勢からタイムリー2ベースを放ち、1点差にまで詰め寄ったのだが、反撃もここまでとなってしまい、9回はマルティネスの前に、三者凡退で抑え込まれてしまった。8回の武岡のタイムリー2ベースは見事な一打だったのだが、やはり今日の試合を勝つのであれば、6回裏、7回裏がポイントだったと感じる。ここで得点を許さなかった巨人、得点を奪えなかったヤクルト、この結果が勝敗に直結してしまった。

それでも先発ランバートが試合を作り、浅野に一発を浴びてしまった小澤も1軍に昇格した当初に比べてストレートに威力を感じさせてくれた。矢崎も徐々に状態を上げてきており、今後も今日のようなゲーム展開に持ち込めば、ワンチャンスあるな。と思わせる試合にはなった。とにかく気持ちを切らさずに戦ってもらいたい。

P.S 武岡のタイムリー2ベースは見事なバッティングでしたね。武岡は、時折パワータイプの投手のインコースへのストレートをコンパクトなスイングで弾き返すことがあるのですが、今日もそういった類のバッティングでしたよね。こういったバッティングが出来るのであれば、もう少し率が上がってきても不思議ではないと感じるのだが、中々結果が出ないのが不思議である。




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