ヤクルト1-3阪神(延長10回)
試合全体を通して見ると常に阪神が押し気味にゲームを進めているように見えた。しかし、先発の高梨を含め、投手陣が粘りに粘り、1-1というスコアのままゲーム終盤に突入していた。こうなると後攻となるホームチーム側がメンタル的に優位に立てる場面もあるのが野球というスポーツである。押され気味であったとしてもヤクルトには勝つチャンスがあった。それでも勝たせてくれない阪神はやはり強いチームである。最終的にはミスが失点に直結してしまったこと含め、実力差を感じるゲームとなってしまった。
8月に1軍に復帰して以降、好投を続けている高梨は、今日も6回で101球を投げ、被安打5、与四球2の1失点(自責点0)と先発としての役割を十分果たしてくれた。前回、前々回の2試合は、ストレートの威力が抜群であり、カーブ、フォークとのコンビネーションを中心に抑えるかつての高梨の姿が戻ってきたような投球内容だったのだが、今日はスライダー、シュートといった新たに習得したボールを上手く織り交ぜることで、阪神打線相手に粘り強い投球を披露してくれた。
高梨の長年の課題となっているランナーを出した後の投球に関しても、大きく制球を崩すことなく、冷静に対処してくれていた。村上のタイムリーエラーもあり、気持ちが切れそうな場面もあったと思うのだが、本当によく踏ん張ってくれた。R7年8月の高梨は、ヤクルトへ移籍して以降で言えば№1の投球を披露してくれたのではないだろうか?私の中では、これだけ安定して結果を残している高梨の姿を見ることが出来たのは初めてのような気がしている。この高梨の投球があったからこそ好ゲームに持ち込むことが出来たと思っている。
リリーフ陣は7回から大西、荘司、星が1イニングずつ無失点で抑えたのだが、1-1というロースコアの中で首位阪神打線と対峙するプレッシャーが伝わってきた。誰一人としてあっさり阪神打線を抑えることは出来なかったのだが、それでも無失点で切り抜けたのだから拍手である。しかし打線が1点を奪えない中で延長戦に入ると10回を任された石山が岩田のまずい守備や坂本への四球が絡んだ中で1アウト満塁のピンチを招くと、ここで熊谷にしぶとくセンター前に運ばれてしまい、2点を失ってしまった。石山に関しては先頭の佐藤輝を三振に斬って取ったようにボール自体は、ほぼほぼ離脱前の状態に戻っているように感じた。それだけにしっかり抑えてもらいたかったのだが、これだけのボールを投げている石山相手であっても相手のミスに付け込んで得点を奪う阪神に強さを感じた。石山に関しては、また切り替えて明日以降のゲームに向かってもらいたい。
打線は、今日の阪神投手陣相手では中々得点を重ねることは難しいと感じる。そんな中で先発の高橋から左中間へのフェンス直撃の2ベースと左中間へのホームランを放った村上は、NPBでは別格と言っても差し支えないような打者なのだと思う。今日の高橋は、非常に球持ちの良いフォームからストレート、スライダー、ツーシームを内外角へ配し、ほぼ完璧な投球を披露していた。この高橋相手に唯一対応出来ていたのが村上である。正直メジャーの現役の強打者がNPBでプレーした場合でも村上のような結果を残せるかどうか?と言われれば明確に「残せる。」とは言い切れない所がある。そう考えると村上はメジャーの一流どころの打者がNPBにアジャストした状態でプレーしているようなものだと考えられる。これだけ調子の良い高橋相手にあれだけの打球を飛ばせるということがすでに驚異的である。守備でのミスもあり、試合にも負けてしまったため手放しで喜ぶことは出来ないのだが、今日の村上の打撃に関しては、いわゆる「お金を取れるプレーヤー」の姿そのものだったと思う。
それにしても阪神の高橋ー及川ー石井ー桐敷ー岩崎のリレーは強力だった。オールスター級の投手が5枚並んでいたと言っても過言ではない。8回の2アウト1,3塁、9回の0アウト1塁、10回の0アウト1塁と最終盤にチャンスを作ることは出来ていたのだが、得点には繋がらなかった。これが今の阪神の強さの秘密なのだと思う。強力投手陣とバランスの良い野手陣が織りなすハーモニーは見事なものである。
そんな強い阪神相手ではあるのだが、何とか1つでも多く勝利を掴み取ってもらいたい。
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