ヤクルト2-0中日
このブログで最初に小川ー中村悠のバッテリーについて触れたのは、小川がルーキーイヤーの13年前のことになると思われる。当時は、小川、中村悠ともに23歳。この若武者バッテリーに心を惹かれたものである。小川、中村悠は、ヤクルトの3度のリーグ優勝、1度の日本一に貢献した名投手、名捕手である。そんな2人は35歳となった。加齢とともに若かった時のキレは失われてきたかもしれない。しかし経験値が増える中で、様々な工夫をして1軍の座にしがみついてくれている。そんな2人が今日のゲームのヒーローとなった。これが俗に言う「エモい。」という感情なのだろうか?
そんなバッテリーの奮闘に応えたのは、山田が登録抹消となった中で6番セカンドでスタメン出場を果たした北村恵だった。2度のチャンスでしっかり仕事をしたことが勝利を引き寄せることとなった。ナイスゲームではないだろうか?
冒頭でも触れた通り、私はこれまで何度か小川ー中村悠のバッテリーについて触れてきた。
「ヤングスワローズを語ろう! | ヤクルトファンの日記」
・小川のルーキーイヤー、9回2アウトからブランコに同点ホームランを浴び、完封勝利を逃したゲームである。この日の捕手が中村である。
「小川ー中村 | ヤクルトファンの日記」
・小川2年目のシーズン、中村はまだレギュラー捕手の座を獲得していなかった。しかし、小川と中村のバッテリーへの期待は高まり始めていた時期である。
「新章 小川ー中村 | ヤクルトファンの日記」
・32歳となった小川と中村が円熟味を増しながらチームを引っ張る存在となっていった2022年シーズンの記事である。
ルーキーイヤーから飛び出した小川、早くから2軍で結果を残しながら、1軍のレギュラー捕手を確保するまでには時間を要した中村による同級生バッテリーは、私の中では特別なコンビに見えたものである。そんな2人が35歳となったシーズンでもバッテリーを組み、見事なゲームメイクをしてみせた。
小川は、常に向上心を持って投球フォームを作っていく投手である。今日は、「ライアン」と呼ぶにふさわしい左足を豪快に上げるフォームで中日打線を抑えていった。若い頃に比べて足の上がり幅は少なくなったし、球速自体も落ちているのだが、キレ、コントロール、投球術という部分で勝負出来るだけのスキルを身に付けている。ルーキーイヤーからすでに投手としての総合力の高さを感じさせており、投球の幅の広さも武器にしていた投手ではあるのだが、この年齢になってもマウンドに上がれば、安定感のある投球をコンスタントに披露してくれている。
小川と言えば何と言っても伸びのあるフォーシームのストレートが一番の武器であり、ストレートの走りによって調子の良し悪しが分かるタイプの投手だと思っているのだが、その一番の武器であるストレートに頼らなくても結果を残せるだけの術を持っている投手でもある。今日は、中村がスライダー、チェンジアップ、フォーク、シュートも散りばめながら、中日打線に的を絞らせなかった。唯一と言っても良いようなピンチは、4回の1アウト1,2塁という場面だったのだが、ここは山本をフォークでセンターフライ、チェイビスをストレートで空振り三振としっかり抑えてみせた。チェイビスを空振り三振に斬って取った外角のストレートに関しては、球速表示自体は143キロとそれ程速い数字ではなかったのだが、チェイビスが完璧に振り遅れているように感じた。小川のボールのキレと中村の配球が見事に一致した奪三振劇だったのではないだろうか?
その後は危なげない投球を披露し、8回で96球を投げ、被安打5、無四球の無失点とほぼ完璧なスタッツを残してみせた。この球数であれば9回もマウンドに上がるかな?と思ったのだが、高津監督は9回のマウンドは星に託した。
ルーキーイヤーの時は、同じ2-0というスコアで続投し、同点ホームランを打たれたゲームがあったのだが、今日は9回のマウンドを星に譲り、その星が三者凡退で試合を締め括ってみせた。ルーキーイヤーの小川はこういった場面で交代を告げられるとメラメラと青い炎が見えたものなのだが、おそらく今でもその負けん気の強さは衰えていないはずである。元々大人の投球が出来るタイプの投手なのだが、大ベテラン石川同様、負けん気の強さを持った投手である。そんな投手をしっかりリードする中村悠の存在も忘れてはならない。
打線は、中日先発マラーの前に抑え込まれたのだが、4回に内山の四球とオスナのヒットで作った1アウト1,3塁のチャンスで北村恵がセンターへの大きな犠牲フライを放ち、先制点を奪うことに成功すると6回には疲れが見え始めたマラーから内山、村上の連続四球でチャンスを作ると4回同様、1アウト1,3塁というシチュエーションで打席に入った北村恵が今度はレフト前へタイムリーヒットを放ってみせた。2度の得点チャンスで2度とも結果を残した北村恵には大きな拍手を送りたい。1軍でのセカンドでの守備に関しては、おそらく強い緊張感があると思うのだが、そんな中でも一番の長所である打撃面で結果を残せたことを自信に変えてもらいたい。
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コメント
小川は不思議な投手というか今は制球型なので球審との相性というのもあるかもしれませんがそれにしても投球内容にメリハリが効きすぎですね笑
正直今年は2回ノックダウンされたあと全然1軍に呼ばれない時期が長くて干されてると感じてましたし、やっと1軍で投げても中10日扱いかぁと残念に思ってましたが今日の内容なら中6日でしょう。
小川と中村のバッテリーはヤクルトの一時代の象徴的存在ですよね。
正直35歳のイメージ無くて時がたつのは早い。でも二人はまだまだプロでやっていく技がありますね