真中満の多面性

選手


真中満という人物が特別多面性のある人物であるということではないと思うのだが、プロ入りから現在に至るまで、様々な姿を見せてくれたことは間違いないのではないだろうか?時代によって真中満という人物の印象が違って感じる方は多いのではないだろうか?
真中は92年のドラフト会議でヤクルトにドラフト3位で指名され、プロ野球界に足を踏み入れることとなる。日大時代から小柄な体格ながらパンチ力のある打撃とスピード感溢れるプレーが評価されていた。プロに入り、1年目、2年目のシーズンは、多くの期間を2軍で過ごすこととなるのだが、数少ない1軍のゲームでパンチ力のある打撃を見せることはあったように記憶している。またインコースのボールにあわよくば当たってでも出塁しようとするガッツ溢れる姿を見せたことも記憶している(東京ドームでの巨人戦で解説の堀内恒夫氏が「この真中という選手はインコースのボールに当たってでも出塁しようとするガッツがありますね。」というようなことを言っていたことを薄っすらと覚えている。)。その後3年目のシーズンから出場機会を徐々に増やし、チームになくてはならない存在になっていく。当時のヤクルトにはセンターに飯田がいたため、どうしても出場機会が限られている部分もあったのだが、飯田が故障で離脱した際には、センターでしっかり結果を残し、飯田がいる時にもライトやレフトで出場する機会が増えていった。飯田とまでは行かなかったが、守備、走塁をしっかりこなすことが出来、打撃面は元々ミート力、パンチ力共に兼ね備えていたため、使い勝手の良い外野手というイメージが定着していった。
その後徐々に飯田とも互角以上に渡り合える存在となり、01年には、1番センターとしてチームのリーグ優勝、日本一に大きく貢献することとなる。
しかし明確にレギュラーの座を掴んだシーズンが多くなく、晩年は代打として活躍したこともあり、現役時代は、他の華やかな選手に比べてどこか地味な印象が付きまとったように記憶している。
そんな真中は、引退後すぐに2軍の打撃コーチとなると、その後2軍監督、1軍打撃コーチを務めた後、1軍監督に昇格することとなる。
真中新監督! | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)」の記事でも書いたように、監督就任までのプロセスは、私好みの形だったのだが、現役時代のことを考えると真中が1軍監督を務めるということ自体「意外」なことに感じたのも事実である。長期政権を築くと思われていた古田や華のあった池山、荒木、高津、日本代表のキャプテンを務めた宮本らに比べると「監督」というイメージが湧きづらい人物であった。
しかしそんな中で監督に就任した真中は、就任1年目の2015年に前年最下位に沈んだチームを見事に立て直し、チームをリーグ優勝に導いてみせた。バレンティンを欠きながら、2番川端、3番山田、4番畠山、5番雄平と強力な打線を作り上げるとともに、投手陣も助っ人外国人選手を中心に据えたリリーフ陣が機能し、監督として大仕事を果たしてみせた。
その後2016年、2017年は怪我人にも悩まされ、低迷し、特に2017年は、45勝96敗2分けという散々な結果に終わってしまった。
監督時代の真中は、現役時代と違い、感情をあまり表に出さず、コメントも慎重だったように記憶している。現役時代は明るい性格であることは伝わってきたのだが、先程も書いた通り、他にもっと目立つメンバーがいたこともあり、監督時代の真中の雰囲気が本来の雰囲気なのかな?と勝手に感じる部分もあった。
しかし監督を退いた以降、解説者になると、圧倒的なトークスキルを発揮し、一気に人気解説者の座を掴むこととなる。正直監督最終年に歴史的な大敗を喫してしまったダメージはあったはずなのだが、そこから見事にV字回復した印象がある。野球の解説以外にもバラエティー要素の強い番組に出演するなどする中で、新たなファンも獲得し続けているように感じる。そして今キャンプでは、ヤクルトの臨時コーチも務めている。
外から見ていてこれだけ印象が変わる野球人も珍しいのではないだろうか?
爽やかな風貌で三拍子揃った選手だった若手時代。
狙いすましたような「きりもみ打法(大回転打法)」も駆使し、レギュラーの座を奪った全盛期。
シーズンの代打安打記録を更新するなど代打屋として結果を残した現役晩年。「代打川端と代打真中 | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)

監督就任初年度にリーグ優勝を果たし、周囲を驚かせた監督1年目。
打つ手打つ手が裏目に出て、全く勝てなくても最後まで指揮を執り続けた監督最終年。
解説者として人気を博し、再び臨時コーチとして現場にも戻った現在。

本当に多面的な姿を見せてくれている。真中満を語る時に使われる第2ワードは数多くあると思われる。「きりもみ打法(大回転打法)」、「イケメン」、「俊足」、「パンチ力」、「好打者」、「代打の神様」、「いじられキャラ」、「バレンタインデー」、「名将」、「ドラフト会議ガッツポーズ事件」、「96敗」、「扇風機」、「トーク力」、私がパッと思い付くだけでもこんなにワードが出てくる。いつの間にかヤクルトの球団史に欠かせない人物になっていた稀な人物なのではないだろうか?
私はそんな真中満氏が大好きである。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     ドラフトでのガッツポーズが強烈で、真中と聞けば現役時代や優勝監督ではなく、真っ先に頭に浮かぶのがそのシーンになってしまっています。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      ドラフト会議で間違ってガッツポーズをしてしまったのは真中監督だけではないのですが、毎年真中氏ばかりが取り上げられていますよね。このドラフト時のガッツポーズが最も印象に残っているというファンの方は多いでしょうね。

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