ヤクルト2-4オリックス
タイトルの「御の字」ならずというのは、完全に個人的なことになってしまうのだが、交流戦の事前記事で「現在のチーム状態からすれば、6勝12敗でも『御の字』と言って良いような状況」という主旨の発言をしていたため、その部分を切り取らせてもらった。ソフトバンクに勝ち越せたため、何とか6勝は出来るかな?という雰囲気もあったのだが、終わってみれば、5勝12敗1分けと6勝にあと僅かに届かず、交流戦も最下位に沈んでしまった。
今日の最終戦でドラ1ルーキー中村優がデビューし、最低限の仕事は果たしてくれたのだが、それでも勝利に繋げることが出来なかった。苦しい日々が続きそうである。
ヤクルト先発中村優は、愛知工業大の下級生の頃からその才能を高く評価されていた本格派の右腕である。コンディション不良での出遅れもあり、じっくり調整した中で、交流戦最終戦にして1軍デビューを果たすこととなった。出遅れたものの、紛うことなき逸材である。
その中村優は、猛暑の神宮の中で変化球のコントロールに苦しんだ。本来であれば、ストレート、スライダー、フォーク、カットと全ての球種の質が高く、コントロールも安定している印象があったのだが、今日はスライダー、フォークにバラつきが目立った。こうなると捕手の中村悠は、リードに困った部分もあったのではないだろうか?どうしてもストレート中心の配球となり、オリックス打線に狙われる形となってしまった。初回にいきなり杉本に先制タイムリーを許すと、その後も三者凡退に抑えた2回以外は、毎回複数のランナーを出塁させてしまう苦しい投球となったのだが、ストレートで押すしかない場面でストレートで押し切った所に才能の高さを感じさせてくれた。5回で86球を投げ、被安打5、与四死球4の1失点という数字は、中村優の力を持ってすれば物足りなさも感じるのだが、これだけ変化球に苦しみながらも150キロを超えるストレートでプロの1軍の打者を抑えきってしまうのだから、やはり逸材である。今後の登板も楽しみにしていきたい。
ゴールデンルーキーの好投を何とか勝利に繋げたかったのだが、6回からマウンドに上がった金久保がオリックス打線に掴まり、2本のヒットと四球で0アウト満塁のピンチを作ると、1アウト後西川に2点タイムリーヒットを許し、続く宗にも四球を与えた所で降板となってしまった。中村優との違いとしては、ストレートをオリックスの打者にしっかり合わせれてしまったことだろうか?もう一段レベルアップしないと継続的に結果を残すことは難しいということだろうか。
その後のピンチでマウンドに上がった松本健は、今シーズン初登板となったのだが、まずまずの投球を披露してくれた。太田には、犠牲フライを許してしまったが、その後次のイニング含めしっかり投げてくれた。リリーフとして出力を上げる中でプロで生き残るための光が少し見えてきただろうか?理想は清水のような成長曲線である。
打線は、昨日のゲームで途中交代していたサンタナがメンバー外となり、1番並木、2番山野辺、3番内山、4番オスナ、5番増田、6番山田、7番伊藤、8番中村悠、9番中村優という中村優以外は、右打者というオーダーでサウスポーの曽谷と対峙することとなった。
しかし、曽谷の落ち着いた投球の前に中々得点を奪うことが出来ず、ようやく反撃できたのは、0-4とリードを広げられた後の6回だった。この回先頭の内山が曽谷のインコースへ喰い込んでくるクロスファイヤーのストレートをコンパクトなスイングで捌くと打球はレフトスタンドへ飛び込むソロホームランとなった。曽谷の失投ではなく、逆に厳しいコースのストレートだったと思うのだが、その厳しいコースのストレートに上手く対応してみせた。こういったバッティングが飛び出るということは、内山の状態は良いと感じるし、このままクリーンアップを任せたくなる状態にあると思う。この交流戦で明確に状態を上げた内山の交流戦後の活躍にも大いに期待したい。
その後、オスナ、増田の連続2ベースで2点差とし、このまま一気に点差を縮めたい所だったのだが、山田、伊藤、代打宮本が曽谷と代わった山岡に抑え込まれてしまい、勢いを削がれてしまった。
宮城にばかり気を取られていたが、曽谷も150キロを超えるストレートとキレの良い変化球で簡単には打ち崩せない難敵だった。
終盤も大きな見せ場を作ることが出来ず、そのまま2-4で敗れてしまった。
これが今のヤクルトの実力である。交流戦後も厳しい戦いが続くことが予想される。それでも今日の中村優や、内山、伊藤らが交流戦で結果を残し始め、今後に期待したくなる部分はあった。優勝争いどころかCS争いからもすでに離脱してしまっているのだが、1試合1試合あくまでも勝利を目指して丁寧に戦ってもらいたい。
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コメント
中村優は本物であることを一軍でも見せてくれましたね。中6で行くのか中10でいくのかわかりませんが毎週楽しみです
内山は天性の打撃センスを感じますよね。
曽谷は良い投手ですね。力感ない投げ方で150キロ超えるストレートとスライダーのコンビネーションに翻弄されてしまいました。
新戦力の台頭による世代交代はチームに不可欠ですが、故障でもないのに石川の交流戦での登板がなかったことは、阪神戦で勝ちをあげていても崖っぷちに立たされていると思わされました。
厳しいのはわかっていても交流戦5勝に終わったのは少ないと言わざるを得ません。