リオデジャネイロオリンピック

事前記事はこちらから→「リオデジャネイロオリンピックの注目ポイントとメダル予想

ロンドンオリンピックの記事はこちらから→「ロンドンオリンピックの楽しみ方」、「ロンドンオリンピック(1)」、「ロンドンオリンピック(2)」、「ロンドンオリンピック(3)

さて今日は大いに盛り上がったオリンピックの記事を書いていきたい。競技ごとに振り返っていきたいと思う。非常に長い記事になることをお許しいただきたい。

競泳
競泳は何と言っても萩野である。400m個人メドレーで金、200m個人メドレーで銀、800mリレーで銅と3つのメダルを獲得して見せた。昨年の世界水泳前の骨折から完全復活と呼んでも良いくらいの成績を残したと思うのだが、萩野はフェルプスを追うような存在になってもらいたいので、世界の水泳関係者から見ても今回の萩野の泳ぎに物足りなさを感じている人が多いのではないだろうか?それでも本命視されていた400m個人メドレーでしっかり金メダルを確保したことは流石だと感じたし、800mリレーで銅メダルを獲得したことはおそらく私のような30代のスポーツファンからすると快挙と呼ぶに相応しい出来事だったと思う。日本の競泳界が間違いなく世界と対等に戦えていることを示してくれた。
そして萩野の最大のライバル瀬戸も見せ場は作ってくれた。予選で好タイムを叩き出し、「もしや」と思わせるだけの雰囲気を作って見せた。決勝ではタイムを落としてしまい銅メダルに終わってしまったのだが、やはりそのメンタルの強さは素晴らしいものがある。東京オリンピックに向けて萩野とのライバル対決は楽しみである。
そして私の中ではノーマークだったのだが、200mバタフライでの坂井の泳ぎは驚くべきものだった。どちらかというと瀬戸に注目していたのだが、坂井が後半見事な追い上げを見せ、あのフェルプスに後わずかという泳ぎで銀メダルを獲得して見せた。只々驚いてしまった。
また200m平泳ぎの小関、渡辺は大混戦の中良く喰らい付いたのだが、最後は惜しくもメダルに届かなかった。悔しいレースになってしまったのではないだろうか?

女子は、メダルが有力視されていた200m平泳ぎの金藤がしっかり金メダルを獲得し、200mバタフライの星もきっちり銅メダルを確保して見せた。金藤の泳ぎは圧巻だった。自分の実力をしっかり発揮し、2位に1秒以上の大差を付けて逃げ切って見せた。金メダルが有力視された中で完璧な泳ぎを披露するあたりはベテランの強みだったように感じる。
星に関してもラスト50mで上位2選手を追い込む「らしい泳ぎ」を見せてくれた。納得のいく泳ぎだったのではないだろうか?
そしてメダルには届かなかったが16歳の池江が大舞台でも臆することなく好記録を連発し、100mバタフライではメダルに肉薄して見せた。素晴らしい泳ぎだった。

柔道
・柔道に関しては、正直軽量級の高藤、海老沼、近藤、中村がいずれも銅メダルに終わってしまった時は、今大会は苦戦するかな?と思ったのだが、男子ではその後大野、ベイカーが金メダルを獲得し、女子では田知本が金メダルを獲得して見せた。
男子の大野、ベイカーについては最後まで危なげない試合展開で圧倒して見せた。実力者ということを印象付けるような強い柔道だった。
女子の田知本に関しては、正直金メダルは厳しいのではと感じていた選手だった。ポイントは2回戦のポリング戦だったのではないだろうか?開始早々有効を奪われてしまい、非常に厳しくなったのだが、その後巻き返して、延長戦の末に勝利を手にして見せた。第1シードの選手と早々に当たる厳しい組み合わせだったのだが、そこで勝利し、勢いに乗って見せた。

結局男女合わせて14階級中12階級でメダルを獲得するという素晴らしい成績となった。お家芸らしい活躍ぶりだった。
過去記事はこちらから→「高藤直寿の柔道が面白い

体操
・とにかく団体の金メダルが嬉しかった。予選でミスを連発し、4位通過となってしまったことでロンドンの時と似たような状況に陥ってしまったのだが、決勝では他のチームにもミスが出る中で日本チームは内村を中心にソツのない演技を見せてくれた。跳馬で内村、白井、加藤が高得点を叩きだしたことでチームが乗っていった印象である。内村がこれまで何度も口にしてきた団体での金メダル獲得は日本チームの悲願だったはずである。内村の嬉しそうな表情、言動が印象的だった。

個人総合は、正直これまで内村が圧倒的な存在だっただけに負ける姿が全くイメージ出来ていなかったのだが、しっかりと次世代のオールラウンダーが誕生していた。ウクライナのベルニャエフはDスコアの得点では内村を上回る構成となっていたということである。私はそんな選手の存在を知らなかったのだが、内村VSベルニャエフの戦いはハイレベルな戦いであり、近年の男子体操個人総合では、中々お目にかかることのない名勝負だったのではないだろうか?内村の鉄棒とベルニャエフの跳馬の演技が特に印象に残った。
やはり内村は世界の体操のレベルを高めるという大きな役割を担っていたことを今回のオリンピックで感じることが出来た。内村に憧れた選手たちが日本だけでなく世界中にいることが分かった。内村が選手に尊敬されるだけの存在にあることがよく分かった。歴史上最高の体操選手と呼んでも過言ではないのではないだろうか?今後は内村を超えるような体操選手が現れる時代に突入して行くはずである。その時代を作り上げたのは内村自身である。

種目別に関しては、白井の床でのミスが残念だったが、その中で決して本命視はされていなかった跳馬で新技を披露しての銅メダルは見事だった。白井の床と跳馬でのひねり技も世界を変えるだけの技だと思う。恐ろしい10代選手である。

テニス
・テニスは錦織が日本人96年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得してみせた。ランキング上位の選手が相次いで欠場したためメダル獲得のチャンスはあったのだが、それでもメダル獲得への道は決して簡単なものではなかったはずだ。その中でしっかり結果を残す辺りが錦織の凄さである。安定した強さを見せ付けてくれた。特に準々決勝のモンフィス戦は、ファイナルセットタイブレークで相手にマッチポイントを許す苦しい展開となったのだが、最後の最後で驚異的な粘りを見せ、大逆転勝ちを収めると、3位決定戦では長年に渡ってテニス界の上位に君臨するナダル相手に積極的なテニスを展開し、見事勝利し、銅メダルを獲得してみせた。準決勝のマレー戦で完敗してしまったのは残念ではあったのだが、普段のツアーではあり得ない3位決定戦というプロテニスプレーヤーにとってはモチベーションを保ちづらいシチュエーションでもしっかり結果を残した辺りは見事である。

また初戦でジョコビッチを破ったデルポトロの快進撃も印象に残った。元々錦織と同世代のトップランナーでいわゆるBIG4を打ち破る最有力選手と思われていたのだが、怪我で大きくランキングを落としていた。しかしこのオリンピックでは復調した姿を見せてくれた。マレーとの決勝戦は素晴らしい激闘だった。デルポトロの今後の活躍にも注目である。
過去記事はこちらから→「快挙!錦織全米オープン準優勝

サッカー
・男子サッカーは、グループリーグで1勝1敗1引き分けで決勝トーナメントに進むことが出来なかった。試合直前に現地入りとなったコンディションに不安があるナイジェリアに大量失点を喫して敗れてしまったのだが痛かった。手倉森監督への批判も耳にするのだが、個人的には攻撃陣のコンビネーションが機能しており、面白い代表チームになっていたと感じた。OA枠の人選に関しては、少し疑問を感じる部分もあったのだが、課題だったセンターバックに関しては、オーバー23歳以上に関しても人材難なため仕方ない部分もあったかと感じる。
コロンビア、スウェーデン戦に関しては、互角以上に渡りあい、面白い攻撃を繰り出してくれていたように感じる。特に南野や中島、浅野辺りは才能の片鱗を世界の舞台で見せてくれたのではないだろうか?
オリンピックのサッカー競技に関しては、トップクラスの選手がクラブチームに拘束されてしまい、オリンピックに出場できないなどU-23の中でもベストメンバーが組めないチームがほとんどである。正直オリンピック種目としてどうなのか?という部分もあるのだが、日本はアトランタ以降しっかり連続出場を続けているし、しっかり世界のレベルで戦うことは出来ていると感じる。決して悪くはないのではないだろうか?予言みたいな話になってしまうのだが、私は、4年後の東京オリンピックの男子サッカーでメダルを獲得する確率は高いと感じている。

そして地元ブラジルが決勝でドイツをPK戦の末に破って金メダルを獲得してみせた。ブラジルワールドカップでの悪夢の大敗のショックを少しは拭うことが出来ただろうか?ネイマールにとっては大きなプレッシャーが掛かっていたと思うのだが、よくそのプレッシャーを撥ね退けたのではないだろうか?

卓球
・男子卓球では個人で水谷が銅、団体で銀、女子は団体で銅と3つのメダルを獲得してみせた。男女の個人、団体ともに個人的にはかなり楽しめた。
男子は水谷が素晴らしい試合を披露してくれた。初戦は変則カットマンのギオニス、4回戦は地元ブラジルのカルデラノ、準々決勝はポルトガルの実力者フレイタスと苦しみながらもしっかり勝ち上がり、準決勝で世界ランク1位の馬龍と激突したのだが、このゲームが素晴らしかった。3ゲームを連取された後で2ゲームを取り返し、日本のエースとしての意地を見せてくれた。フォアハンドでの激しい打ち合いは素人目に見ても面白かったし、世界トップレベルの技を存分に楽しむことが出来た。今大会の全ての競技の中で最も興奮した試合だったかもしれない。結局この試合は落としてしまったのだが、3位決定戦でベラルーシのベテラン、サムソノフをしっかり破って銅メダルを獲得してみせた。天才水谷がようやく世界の舞台で輝いてくれた。
団体でも水谷、丹羽、吉村の3人が快進撃を見せてくれた。初戦のポーランド戦は大苦戦となってしまったのだが、エース水谷がしっかり2勝し、何とか勝ち上がってみせた。
準決勝では格上にも感じられたドイツと当たったのだが、水谷が元世界ランク1位ティモ・ボルを破るなど主導権を握り、決勝に駒を進めてみせた。
決勝の中国戦でも水谷が許昕を破るという大金星を上げるなど見せ場は作ってみせた。水谷、吉村、丹羽と10代から日本のトップを走ってきた天才が世界の舞台でも実力を発揮してみせた。是非4年後の東京オリンピックでは打倒中国を現実的な目標に捉えてもらいたい。やはりどこかで中国を倒さなければ卓球という競技の発展はないように感じる。見ていても非常に面白い競技だけに今後も注目していきたい。

女子に関しても非常に面白い戦いを披露してくれた。個人戦ではメダルの期待を掛けられていた石川が初戦で北朝鮮のキム・ソンイにフルセットの末に敗れるという波乱のスタートとなったのだが、結局このキム・ソンイは銅メダルを獲得したため、かなりの実力者だったということなのだろう。北朝鮮の選手はどの競技でもあまり国際試合に出場しないケースが多く、世界ランクの割りに実力が高いパターンが多いのだが、このキム・ソンイも同様だったようだ。石川にとっては不運な部分もあったと思うのだが、それでも団体戦では日本のエースとしてしっかり結果を残してみせた。この辺りは流石である。
そして福原も個人戦で準々決勝までパーフェクトな内容で勝ち進んでみせた。私が見てきた中では最高に調子が良いように感じたのだが、それでも中国勢の壁は分厚かった。準決勝では李暁霞に軽く捻られてしまった。正直準々決勝までの内容を見ていると李暁霞相手でもワンチャンスあるのでは?と感じていたのだが、勝負にならなかった。それほどまでに中国の壁は厚かった。
団体戦では石川、福原に15歳の天才伊藤が加わった強力な布陣で挑んだのだが、準決勝で大接戦の末ドイツに敗れてしまい、決勝で中国と戦うことは出来なかった。正直石川が中国勢と戦わずしてリオオリンピックを去るのはとても残念だったのだが、最年長となった福原の責任感の強さ、石川のエースらしい力強さ、そして伊藤のいかにも鼻っ柱の強そうなメンタルの強さとそれぞれの特徴を発揮した中での銅メダルは今後に繋がるものだったと思う。男子以上に中国勢との差は大きいのだが、15歳の伊藤を中心に打倒中国を掲げていってもらいたい。

男子、女子ともに非常に楽しませてもらった。
過去記事はこちらから→「水谷隼VS吉村真晴」、「福原愛VS石川佳純

7人制ラグビー、バスケットボール
・男子の7人制ラグビーは、昨年のラグビーワールドカップでの快進撃を彷彿とさせるようなゲームを展開し、1次リーグでニュージーランドを破り、決勝トーナメントでもフランスを破ってみせた。7人制ラグビーはまだまだ各国の強化が進んでいない印象もあり、今後オリンピック種目として定着してくれば一気に競技レベルが上がってくることが考えられる。それだけに今後日本もどのようにして7人制ラグビーを強化して行くのか興味深い。
今回ニュージーランドとフランスを破ってベスト4まで進出したことは日本のラグビー界にまた一つ勇気を与えたのではないだろうか?

・女子バスケットの試合はハイライトでしか見ることが出来なかったのだが、格上のチームとも互角に渡り合ってみせた。女子バスケが実力を付けていることは多少なりとも理解していたつもりだが、ベラルーシ、ブラジル、フランスを破り、オーストラリアにも食い下がってみせた。長身のWNBAプレーヤー渡嘉敷、スピードで勝負する吉田、3Pシューター栗原など高い能力を有する選手達が躍動して見せた。決勝トーナメントのアメリカ戦も序盤はよく喰らい付いてみせた。しっかり見せ場を作ってくれた。東京オリンピックに向けて日本バスケット界は全力を上げて人気回復に努めていく必要がある。

バドミントン
・バドミントンは前評判が高かった女子ダブルス世界ランキング1位の高橋・松友ペアいわゆる「タカマツペア」が金メダル候補という重圧を押し退けて見事に金メダルを獲得してみせた。2000年代に入ってから日本バドミントン協会は育成に力を入れたようだが、その成果が徐々に表れ、今回の金メダルに繋がった。高橋の力強いショットに松友の揺さぶりと理想的なペアに感じた。決勝戦の土壇場での逆転劇は流石世界ランキング1位だと感じた。見事な底力である。

そして女子シングルスでも奥原が銅メダルに輝いた。他のトップ選手に比べて小柄なのだが、軽快なフットワークとスタミナ、多彩なショットで渡り合ってみせた。外国勢からすると戦い辛い選手に感じるのではないだろうか?準決勝ではインドのプサルラの力強いバドミントンの前に流れに飲み込まれてしまったのだが、準々決勝での山口との日本人対決は両者が自分らしさを発揮した素晴らしいゲームだった。「タカマツペア」に負けず劣らずの素晴らしい銅メダルだと感じる。

レスリング
・レスリングは個人的にはルールがしっかり把握出来ておらず、注目種目とまではいかないのだが、日本のメダル数ということを考えると非常に重要な種目である。
男子ではグレコローマン59キロ級で太田が銀メダル、フリースタイル57キロ級で樋口が銀メダルと東京オリンピックも視野に入れる若手2人が強豪との対戦でも臆することなく戦い、見事にメダルを獲得してみせた。女子の陰に隠れているが何だかんだでメダルを獲得している男子レスリングも捨てたものではない。

女子は、53キロ級の吉田が4連覇に届かなかったことの衝撃が強かったが、58キロ級伊調の逆転での4連覇、同じく48キロ級登坂、69キロ級土性の終了間際での逆転での金メダルが印象的だった。63キロ級川井の金メダルも見事だったし、その後のインタビューでの「これが自分が教えてもらったレスリングです。」というコメントも印象に残った。「自分の○○が出来ました。」というコメントは良く耳にするのだが、「自分が教えてもらったレスリングです。」という言葉は指導者への感謝の気持ちが伝わるものだった。
伊調、吉田に関してはオリンピックで女子レスリングが採用されて以降ずっとトップを走り続けている女子レスリング界のレジェンドである。日本の選手だけでなく世界の選手から憧れられる選手になっている。世界の女子レスリング界の発展に大きく貢献した選手であることに間違いない。
そしてしっかり次世代の選手が育っていることに日本女子レスリング界の未来を感じることが出来た。オリンピック種目になる前から活躍してきた山本美優、聖子姉妹、浜口京子などからしっかりバトンが繋がれている印象である。

陸上
男子4×100mリレーでの銀メダルは大興奮した。山縣、飯塚、桐生、ケンブリッジの4名は日本史上最高のメンバーだったのだが、ここまでの走りを見せてくれるとは想像以上である。予選での37秒68という日本記録ですでに大興奮だった。ボルト、ブレークを温存していたとは言え、同組のジャマイカに先着したことが驚きだったし、タイムも驚くべきものだった。これで決勝への期待が高まったのだが、決勝ではそれを上回る37秒60のタイムで銀メダルを獲得してみせた。
1走山縣のスタートは世界トップレベルであるとともにコンスタントに走れるところが素晴らしい。2走の飯塚も200mでは悔しい思いをしてしまったが、リレーでは大型ランナーらしい見事な加速を発揮してくれた。3走の桐生も100mでの悔しさを晴らすような最高の走りを見せてくれた。アンカーのケンブリッジにバトンが渡った時点ではジャマイカ、アメリカとほぼ同じ位置だった。流石にボルトには敵わなかったが、2位でゴールしてみせた。結局アメリカが失格になってしまったのだが、それでもアメリカやカナダより先にゴールしたことは衝撃的だった。中国に奪われていたアジア記録の奪還にも成功し、最高のレースになったのではないだろうか?ケンブリッジに関しては、ここ1年での伸びが素晴らしい。おそらく現在最も9秒台に近い日本人選手なのではないだろうか?良いものを見せてもらえた。
過去記事はこちらから→「陸上男子短距離が面白い

また男子50キロ競歩では荒井が銅メダルを獲得してみせた。ここ数大会陸上競技では最もメダルに近い種目なのでは?と言われていたのだが、中々オリンピックでのメダル獲得には至らなかった。しかし今回はようやく荒井が粘りの歩きでメダルを獲得して見せた。競歩という競技を見ることはほとんどないのだが、普段から見慣れているマラソンとは全く別物の競技だということを思い知らされた。脱落したり、失格になる選手も多く非常に過酷な種目だと感じた。ラスト1キロのカナダのダンフィーとの競り合いはまさに死闘だった。解説者が「ナイスガイ」と評していたダンフィーの粘りにも拍手を送りたくなった。

世界に目を向けるとまずはボルトである。3大会連続100m、200m、400mリレーで金メダルを獲得するという快挙を達成してみせた。100mも200mも自身の世界記録があまりにも凄すぎるため、簡単にはその記録を更新することは出来ないのだが、100mも200mも他を寄せ付けない絶対王者らしい走りを見せてくれた。ガトリン、ドグラスなどのライバルを圧倒してみせた。現在世界で最も偉大なアスリートの1人である。

記録ということで言うと女子1万メートルでエチオピアのアヤナが29分17秒45という驚異的な世界記録を達成してみせた。90年代に世界を席巻した「馬軍団」の王軍霞の記録を更新してみせた。馬軍団はドーピング疑惑があったため、王軍霞の記録はあまり評価されていなかったのだが、その記録を大幅に更新してしまった。速過ぎるとも感じられる記録だけに疑わしい目で見られてしまうこともあるかもしれないが、他の選手もかなり良いタイムで走っているため今回のアヤナの記録はナチュラルなものだと信じたい。凄い走りだった。

そして男子400mのファンニーケルクは、あのマイケル・ジョンソンの世界記録を破る43秒03というこれまたとんでもないタイムを叩き出してみせた。グレナダの英雄ジェームズ、アメリカの強豪メリットも43秒台を記録してみせたのだが、その2人を大きく引き離してゴールしてみせた。ファンニーケルクは100mを9秒台で走るスプリント能力を有しているとのことで今後どんなランナーになっていくのか興味深い。

その他
・その他の競技でも何人も日本人メダリストが誕生した。最も驚いたのはウエイトリフティング女子48キロ級の三宅の銅メダルだった。大会前に故障の情報もあり、スナッチではあわや記録なしに終わるところだったのだが、そこから持ち直し、逆転での銅メダル獲得につなげてみせた。ベテランらしい精神力の強さを見せてくれた。

カヌーのカナディアンシングルの羽根田は、「怒り新党」で取り上げられていたため、名前だけは知っていたのだが、オリンピックという大舞台でしっかりメダルを獲得して見せた。競技自体は見たことがない競技だったため何とも言えないのだが、インタビューの受け答えが非常に大人びていたことが印象に残った。マイナー種目ということもあり、援助も少なかったと思うのだが、その中で自分を高めてオリンピックでのメダルに繋げたことは素晴らしい。

シンクロも2つの銅メダルを獲得し、復活を印象付けた。

総括
・結局メダルは私が予想していた金メダル11のメダル総数34を上回る金メダル12のメダル総数41となった。メダル総数については多くても前回の38個くらいでは?と思っていたので正直驚いた。日本人的目線から言うと劇的な逆転劇が多かった分興奮度も増した印象である。
オリンピック前に上げていた5つのポイントについてはどれも非常に楽しむことが出来た。個人的にも素晴らしいオリンピック観戦が出来たと感じる。

皆さんはどんな競技、場面が印象に残りましたか?

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コメント

  1. まるふく より:

    パラリンピックがあるのでまだ半分です。

  2. trefoglinefan より:

     この2つは個人の能力では太刀打ちできない部分を選手間の連携で対抗するという、素晴らしいものを見せてくれたと思います。
     特に陸上の400mリレーは、「4×100mリレー」という言葉を死語にしてしまいたいくらいの、活躍だったと思います。スタートとゴール間が400mと決まっているだけで、そのバトンを運ぶのが400mなのですよね。
     あとリレーゾーンでのバトンの受け渡しの勝負で、1人1人が走る距離は100mではないのですから、私は400mリレーという名称に統一しても良いと思います。

  3. FIYS より:

    > まるふくさんへ

    そうなんですよね。しかし私はどうしても極端にオリンピックを見てしまうんですよね。パラリンピックの注目ポイントはありますか?私が興味を持っているのは車イステニスの国枝と走り幅跳びのレームくらいですかね。

  4. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    バドミントンも400mリレーも素晴らしかったですよね。確かに4×100mリレーという呼び名より、400mリレーの方がしっくり来るかもしれませんね。ケンブリッジ飛鳥にバトンが渡った地点ではジャマイカとほぼ同じ位置でしたからね。素晴らしい銀メダルでした。 

  5. まるふく より:

    私は個人的には新種目のパラカヌーに注目してます。

  6. FIYS より:

    > まるふくさんへ

    そんな種目があるのですね。ありがとうございます。機会があれば見てみたいと思います。

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