プロ野球球団としての意地。広島の胴上げ阻止。

ヤクルト5-4広島

広島の優勝を見ようとマツダスタジアムに訪れた広島ファンに四方八方を囲まれた中でのゲーム。エース小川が打ち込まれ、相手の先発は今シーズンエース級の活躍をする薮田。今シーズンのヤクルトを振り返るともう勝機は残っていないのでは?と思ったのだが、終盤7回に代打大松の2点タイムリーで追い付き、8回は奥村の犠牲フライで勝ち越し、9回のサヨナラのピンチはルーキが何とか粘りきり、5-4で競り合いを制してみせた。
44勝87敗2引き分けという数字で最下位に沈むチームなのだが、今日のゲームではプロ野球球団としての意地を見せてくれたように感じる。今シーズンのビジターのゲームでこういった試合があったかどうかも分からないのだが、ある意味大事なゲームでよく逆転勝ちしてくれたと思う。

先発の小川は、真っ赤に染まるマツダスタジアムの中でも冷静に立ち上がり、初回、2回と広島打線を無失点で抑えてみせた。しかし3回に丸の2点タイムリーで先制を許すと、続く4回には今シーズン打たれまくっている新井にソロホームランを許し、その後會澤にもタイムリーを浴び、結局4回4失点で降板となってしまった。右肘に張りを感じていたようで、状態が心配される。ブキャナン(18日先発予定)、星に続いて小川にもアクシデントが発生してしまった。こうなると2桁勝利よりも治療を優先してもらいたい。続報を待つしかないのだが、心配である。来シーズンに向けて大きな影響がなければ良いのだが…

4回終了時点で1-4とリードを許してしまい、小川も降板ということでかなり厳しい展開となったのだが、そこからリリーフ投手が頑張って見せた。今シーズンの数少ない競り合いでの勝利ゲームでは必ずと言っていい程リリーフ投手陣の頑張りがあった。やはり現代野球においてリリーフ陣の整備は必須である。
決して安定感のあるとは言えないリリーフ陣ではあるのだが、今日は石山ー近藤ー秋吉ールーキと4人で5イニングを繋ぎ、広島打線に追加点を許さなかった。終わってみれば秋吉の復活というのはやはりチームにとっては大きいのだなと感じた。経験豊富なリリーフが1枚増える事でチーム事情も好転しそうである。秋吉はまだまだ本調子とは言えないのだが、来シーズンには完全復活を遂げて欲しい。
そして秋吉離脱、小川炎上後クローザーを任されているルーキも良く頑張ってくれている。このゲームでは一打同点、サヨナラのピンチを招きながらも最後は、丸、エルドレッドを連続三振に斬って取り、試合を締めくくってくれた。来シーズンのクローザーとしても最有力候補となりそうである。

打線も今日は珍しく粘りを見せてくれた。広島先発の薮田相手に3回まではノーヒットに抑え込まれてしまったのだが、4回に山田がチーム初ヒットとなるタイムリー2ベースを放つと、1-4とリードされた5回には中村にソロホームランが飛び出した。そして7回には西浦のヒットと山崎の2ベースで2アウト2,3塁のチャンスを作ると大松が追い込まれながらも薮田の変化球に喰らい付き、一二塁間をしぶとく破る同点2点タイムリーを放ってみせた。セカンド菊池のグラブをかすめるような打球だったが大事な場面でよく結果を残してくれた。
そして8回には今村から1アウト満塁のチャンスを作ると奥村がセンターへ決勝の犠牲フライを放ち、ゲームをひっくり返して見せた。
首位を独走する広島だが、リリーフ投手については決して磐石という印象がないのも事実である。おそらくリリーフ投手に関しては昨シーズンの方が強力だったように感じる。しかしマツダスタジアムで完全アウェーの中でのゲームという事を考えると終盤によく一山作ってくれたし、そのチャンスでベテランの大松と若手の奥村がよく結果を残してくれた。

正直勝つとしたら小川に快投をしてもらうしかないと思っていたのだが、先制を許し、序盤で3点差を付けられながらも本当によくひっくり返してくれた。このゲームだけを切り取れば本当によく諦めずに戦ってくれたと思う。断トツの最下位でもヤクルトもプロ野球チームの1つである。こういった意地を少しでも見せることが出来て良かったのではないだろうか?

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コメント

  1. k より:

    相手の胴上げを見たチームは翌年も成績がよくない傾向なので意地を見せれたのは良かったですが打線が悪いので勝てるとは思いませんでしたね。
    今年の小川は2回目の離脱なのと抑えも失敗して厳しいシーズンになりましたね、来年は先発一本なので一年フルで最低でも二桁勝てないといけませんね(小川も来年28才なんですね、若い投手が出てこないとチームはどんどん弱体化してしまいますね)
    来年の話しにはなりますが石山-近藤-秋吉-ルーキと試合は抑えましたが、この四人が来年も主力となると相当厳しいですね、やはり150km以上投げる防御率1点台のリリーバーとホールド取れる新戦力が加わらないと今の先発陣では勝てるとは思えないですね(新外国人と配置転換など二人は出てこないと)
    あと現状は大松が代打の切り札ですが、あまりにも確率が低いので畠山や今浪あたりが代打として機能してくれると選手層も暑くなるんですが(ケガから復活してくれないとですね)
    最後に小川がローテ外れたので体調問題なければ寺島・高橋圭にチャンス与えて欲しいですね。

  2. FIYS より:

    > kさんへ

    確かに今シーズンとリリーフ陣の顔ぶれが変わらないという事であれば来シーズンも厳しいでしょうね。しかしブキャナン、ギルメットを先発で起用するという事になるとリリーフ陣の整備は想像以上に難しくなりそうですよね。

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