ネリVS山中2 感想

ボクシング

プロボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ(1日、東京・両国国技館)前王者の山中慎介(35)=帝拳=が、ルイス・ネリ(23)=メキシコ=との再戦で2回TKO負け。ネリは前日計量に失敗して王座剥奪となったため、王座は空位となった。
(サンケイスポーツ引用)

過去記事はこちらから→「山中V13ならず

前回V13がかかった試合でネリに屈してしまった山中だったのだが、その後ネリがドーピング検査で陽性反応を示すという事態が起こってしまった。落とし所がどこになるのか注目されたのだが、メキシコで薬物汚染されている牛肉を食べてしまったために陽性反応を示してしまった(意図的な摂取ではなかった)。ということで王座は剥奪されなかった。しかし山中との再戦が命じられる形となった。そして今回のリマッチとなったのだが、ネリが前日の計量でバンタム級の体重を超過してしまい、王座剥奪となり、その中で試合が行なわれる事となってしまった。
そして結果は皆さんご存知の通り、ネリの2回TKO勝ちという結果になった。ボクシングファンの方々もそうでない方々も今回の件については多くの意見が飛び交っている。私もこれまでボクシングの記事も30回ほどこのブログで取り上げており、山中の試合も何度か取り上げさせてもらっていた事もあり、個人的に感想を述べたいと思う。

このブログでは山中VSネリ第1戦についての記事は書かせてもらったのだが、その後のネリがドーピング検査で陽性反応を示してから山中とのリマッチが決まった部分については、記事として残していはいなかった。それでも自分なりの意見は持っていたため、「井上尚弥圧巻のV’7」の記事の中で「(ネリのドーピング疑惑と今後については個人的には一言物申したい気持ちはあり、ネリVS山中のリマッチにもどこか気持ちが入りきらない部分はあるのだが…)?」という一言を添えさせてもらった。

私は総合格闘技やK-1など他の格闘技を観戦する事も好きだったのだが、ボクシングと同じ目線では観戦してこなかった。ボクシングはあくまでも「スポーツ」として観戦して来た人間である。プロスポーツと言う事で「興行」と言う部分も大切なことは分かっているのだが、それでも他の格闘技に比べてより厳格なルールがある中で実施されいている印象が強かった。そのためネリのドーピングについては、非常に残念だったし、「意図的なドーピングではないから王座剥奪などのペナルティが課せられない。」というWBCの判断にも大きな疑問を感じていた。もちろんプロ初黒星を喫してしまった山中自身は黒星を付けられてしまったネリにリベンジしたいというのはよく分かるし、プロボクサー、元世界チャンピオンとして当たり前の感情だと思うのだが、個人的にはそれでもネリを日本のリングに上げると言う判断については反対の立場をとってきた。体重超過があるなしに関わらず、ドーピング違反をした選手をこんなに簡単に日本のリングに上げてしまって良いのか?という不安や矛盾を感じていた。
ボクシングはスポーツの中でも危険を伴う格闘技であり、それだからこそ両選手が出来るだけ平等な形でリングに上がる必要がある。そんな危険なスポーツで一方の選手がドーピング違反をしてしまったと言う事実は非常に大きな問題だと捉えるべきだと思う。WBCが王座を剥奪しなかったとしても山中本人が強く再戦を希望したとしてもそこはJBCであれ帝拳ジムであれば止めなければならなかったのでは…というのが私の意見である。確かにネリVS山中の再戦は注目度は高かったし、興行として盛り上がるのは間違いない状況にあったのだが、この試合を実施してしまった事によってボクシング界が失ってしまった事も少なくはなかったのではないだろうか?「スポーツ」という部分よりも「興行」という部分が強くなっているのが今のボクシング界だという事がよく分かった。ドーピングをしても体重超過をしてしまっても大きなペナルティもなくリングに上がり続けるということはちょっとあり得ない事なのではないか?と私は感じてしまう。
今回の試合ではネリの強さばかりが目立ち、やっぱりネリは強いボクサーだとは感じたが、ドーピングや体重超過がまかり通る世界となってしまってはその強さには価値がなくなってしまう。出来る限り平等な条件の元で戦えるからこそボクシングというスポーツの価値があるのだと思う。この根底にあるものが崩されてしまうとしたら、ボクシングのスポーツとしての価値は暴落してしまうのではないだろうか?団体の乱立、チャンピオンの乱立、曖昧なルールなどその他にも多くの課題を抱えているボクシング界が今後どのような方向に舵を切って行くか見守っていきたい。個人的にはもう日本人ボクサーにネリとは絡んでもらいたくないのだが、「興行」という面を考えるとネリと戦う日本人ボクサーが表れる可能性は高そうである。

P.S 山中選手には本当に長い間に渡ってエキサイティングなボクシングを見させて頂いて感謝の気持ちでいっぱいです。それだけに最後のネリとの2試合をどう消化したら良いのかファンとしても困惑しております。正直今回はリングに上がらないで欲しいという気持ちもありましたが、戦わないと言う判断を下すことは難しいですよね…ファンとしてもやるせない気持ちでいっぱいです。

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