塩見君、大事なのは明日以降だよ

ヤクルト5-4阪神(延長10回)

小川監督、宮本HCの退任が正式に発表された後に行なわれたゲームは先発投手が試合を作れず、細かいミスも重なり今シーズンを象徴するような負けゲームになるのかな?などと思いながらテレビ観戦をしていたのだが、思った以上にリリーフ陣が奮闘し、阪神のリリーフ陣と互角に渡り合うと、最後は1軍で苦しみ続けている塩見に決勝タイムリーが飛び出し、何とか勝ちを拾ってみせた。今後のゲームでは少しでも来シーズン以降に繋がるゲームを見せてもらいたい。

先発の高橋に関しては、初回からピンチを招き、糸原に先制タイムリーを許すなど初回だけで42球を要してしまい、結局3回で81球を投げ、被安打5与四死球4の3失点でゲーム序盤でマウンドを降りることとなってしまった。今シーズンの高橋はある程度先発ローテを守ることが出来たということが大きな収穫ではあるのだが、いいボールを投げる割に相手打線を圧倒したゲームがないことがひっかかる。昨シーズン後半に1軍で投げ始めた頃には石井一久や村中のデビュー時を彷彿とさせるキレのあるボールを投げ込んでいると感じ、今シーズンも1つ1つのボールのキレ自体は素晴らしいものを持っていると感じているのだが、その割に結果に結びついていない。石井一も村中もデビュー当時は相当波があり、安定感には欠けたのだが、調子が良いときには相手がお手上げ状態になるような投球を披露してくれていたものである。
高橋に関してもこれだけ先発で登板を重ねる事が出来ればそのうちの数試合は相手を圧倒するような投球を披露するのではないか?と予想していたのだが、結局今シーズンはここまでそういった投球を1試合も披露してくれていない。ボールが走っていると感じるゲームはあったのだが、そういった調子の時でも相手打線に掴まってしまう事が多かった。ここが高橋の今後の課題なのだと思う。入団時から線が細く、怪我にも苦しみ、まずは投げる体力を付けることに苦労していたのだが、その課題については今シーズンある程度クリアしてくれたと思う。正直私の中ではこのフィジカル面の課題がクリア出来ればある程度の数字はくっ付いてくると思っていたのだが、実際にはそうはいかなかった。そうなると今の投球から何かを変化させていかなければならない。投球の組み立て方なのか新たな球種なのかボールの質の向上なのか分からないが、数字だけを見ればまだ1軍レベルで通用しているとは言い切れない。今日はバットでチームに貢献する事が出来たのだが、高橋に求められているのは安定した投球である。来シーズンは必ずや飛躍のシーズンにしてもらいたい。

打線に関しては、2回に高橋の走者一掃の2ベースが飛び出し、逆転に成功すると3回にはバレンティンにソロホームランが飛び出し、リードを広げてみせた。しかしその後は守備陣の記録に表れない細かいミスなども重なり、同点に追い付かれると阪神リリーフ陣の前に打線が沈黙し、4回以降は0行進が続いてしまった。完全に阪神ペースの試合展開になっていたのだが、ヤクルトリリーフ陣も粘りを見せると10回にチャンスが訪れた。先頭の廣岡がしぶとく一二塁間を破るヒットで出塁すると送りバントと内野ゴロの間に3塁まで進塁し、2アウト3塁でこの試合青木に代わって途中出場していた塩見に打席が回ってきた。1軍ではさっぱり成績が残せず、首脳陣、ファンの高い期待を裏切り続けてきたのだが、今日はドリスの初球のストレートに何とかコンタクトすると打球は高いバウンドとなりドリスの頭の上を超え、そのままセンター前へ転がる勝ち越しタイムリーヒットとなった。塩見自身がヒーローインタビューで答えていたように早いカウントで勝負するほかない場面だったと思う。初球から積極的にスイングを掛けられた事が好結果に繋がった。良い当たりではなかったが、結果が出たのだから明日以降多少は楽な気持ちで打席に入れるはずである。しかしこれまではその一本が出た以降もパタリとヒットが出なくなってしまう事が続いている。本当に大事になってくるのは明日以降である。何とか結果を残し続けてもらいたい。

P.S 塩見のヒーローインタビューは初々しいなあと思って聞いていたのですが、インタビュアーが「小川監督、宮本HCの退任が発表されましたが…」という問いに対して「そうなんですか?」と答えて言葉が出なくなってしまう場面を見て、ちょっと心配になってしまいました。本当に知らなかった訳ではなく、予想外の質問に思わずトンチンカンな答えをしてしまったと信じたいのですが、本当に知らなかったとしたらそれはそれで問題である。器用なタイプの人間ではなさそうですね。それだけにとにかく我武者羅に突き進んでもらいたいと感じました。

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コメント

  1. 野球大好き より:

    本当に知らなかったみたい。小川監督は選手に伝えなかったってスポーツ紙に書いていた。

  2. k より:

    今年、甲子園で初勝利ですかね。
    ミス連発でもリリーフ陣が抑えたのが勝因でしたかね。
    高橋奎二は打たれたのが全て真っ直ぐてしたから軸になる変化球とコントロールを磨かないと来年も同じになるかなと(中村のリードも変化球ストライク入らないからって狙われてる真っ直ぐ要求だと打たれますよね、高橋のコントロールが悪いから自分のリードのせいではないです、みたいなように感じましたかね)
    塩見はヒーローインタビュー聞いても天然さが見えてきましたね、彼も周りをあまり見れず余裕がないんでしょうね。一軍に慣れさせないと数字は上がってこないので我慢して起用できるかですね、飯原との比較もありましたが守備に関してはやらかす事はなさそうなので起用価値はありそうですね(塁に出たら阪神バッテリーは異常に塩見の足を警戒してたので終盤のピンチランナーでも活躍の場はあるので来年の首脳陣には我慢して起用してもらいですね)
    気になったのは広岡の守備ですね、ショートフライお見合いと足の速いランナーだと力が入り悪送球を連発なんですよね、これではショート・サードは無理でしょうね(特に短い距離でも力いっぱいに投げたら受ける側も取りづらいですよね)残念ですが広岡も塩見と同じで天然で状況に応じたプレーが出来ず周りも見えてないかもしれませんね(以前、試合前のベンチ前に並んで君が代斉唱の時も一人で素振りして空気を読めないタイプなのかなと)彼も来季は外野への転向を考えた方が個人的にはいいと思いますね、肩と足は抜群ですし打つ方も守備の負担が減れば化けるかもしれませんから新しい首脳陣の決断に期待したいですね。

  3. タラちゃん より:

    高橋は体力かな?
    あとスライダーとチェンジアップの精度が良くなったらと思うね。
    若手はある意味チャンス与えられるここ1,2年かと思うので、チャンスをいかしてほしいもの。

  4. FIYS より:

    > 野球大好きさんへ

    なるほど。正式には知らなかった可能性があるのですね。

  5. FIYS より:

    > kさんへ

    廣岡の守備は相当厳しかったですね。廣岡を育て切れなかったことは宮本HCも心残りなのではないでしょうか?

  6. FIYS より:

    > タラちゃんさんへ

    高橋は今シーズンはこの成績でもOKですが、来シーズンは今年と同じでは困りますよね。

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