野手のリリーフ起用について

昨日の記事のコメントの中で、巨人増田大輝のリリーフ起用についてお聞きしたいとのリクエストがあったため、少しだけ触れてみたいと思う。

場面は8回裏1アウト、阪神が11-0と巨人をリードした場面で原監督は投手を堀岡から増田大にスイッチした。大差が付いている場面、堀岡は阪神打線の勢いを止められず、大量失点、試合の大勢は決しているため、無駄にリリーフ投手は使いたくない。そこで野手であり、高校時代には投手経験もある増田大を起用し、2つのアウトを重ねた。
個人的には長丁場のシーズンを考えた際に必要になってくる采配だと感じた。支配下登録選手の人数が70人、出場選手登録は今シーズンは31人、ベンチ入り人数は今シーズンは26人となっている。コロナウイルス感染拡大により、開幕が大幅に遅れたこともあり、今シーズンは出場選手登録の人数とベンチ入りの人数が増えているのだが、日程は非常にタイトになっている。2000年代に入ってからリリーフ投手の酷使というのは、プロ野球界全体の課題の一つになっているのだが、特に今シーズンはリリーフ投手に掛かる負担が大きくなることが懸念されていたし、実際に各球団がやり繰りに苦労しているように感じる。特にセリーグはDH制が採用されていないため、試合展開によってはどうしても投手に代打を送らざるを得ない場面もあり、パリーグに比べて投手の起用人数は増えてきてしまう。昨日の阪神ー巨人戦のような展開になった際にはリリーフ陣を休ませるという意味合いで投手も出来る野手を登板させ、アウトを重ねるという策は悪くない策だと思う。
おそらく原監督は、思い付きやファンサービスのために行ったのではなく、以前から考え、準備させた中で増田大をマウンドに上げたはずである。試合日程が日本以上に過酷である、メジャーでは野手がマウンドに上がることが度々あり、イチローや現ヤクルトの青木も投手を経験している。その辺りの情報は日本のファンにも浸透していると思われるため、今回の出来事が大きな波紋を呼んだこと自体に多少驚いている。

プロ野球、セリーグのレギュレーションが今後も変わらないのであれば、今回の増田大のような起用はどのチームも考えるのではないだろうか?何かとしがらみの多そうな、巨人の原監督が実行してきたことについては、流石名監督であり、シーズン全体のことを考えて、頭を柔軟に使って野球を行っているなという印象である。
リリーフ投手の負担を軽減させるための野手の投手起用は今後スタンダードな戦法になっていくのではないだろうか?

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コメント

  1. sabo より:

    私は野手が投手を務めることに賛成です。
    私が賛成とする理由はそもそも野手が投手を務めるのは野球本来の形だからです。分業制こそ時代が後になって生まれたんですからね。
    敗戦処理どころか接戦でも野手が投げて良い、というのが私の立場です。

    ただし賛成の意見はネット上では「MLBがやってるから」というMLB権威主義的な意見が散見されるのことには嫌悪感があります。
    そもそもMLBでは野手の登板が増えすぎて規制のルールが導入させることが決まってます。じゃあNPBでも同じルール導入すんのか?って思います。

    今回の野手登板はルール上問題なかったから審判が増田をマウンドに上げたわけですががルール上問題がなかったかといえば少し曖昧な部分があって、一向にストライクが入らないにも関わらず投手へ交代させなければ審判は無気力試合と見做して投手を登板させるように警告し、従わない場合は没収試合になるかもしれません。まあ野手だってストライクを投げることくらいできるでしょうからまず起こりえませんが。

    もう一度言いますが私は野手登板に賛成です。ただそれ以上に本当は棄権(コールド試合選択)を認めることが公正なルールだと思います。
    ペナントレースという長期戦を勝ち抜くルールなのに個々の試合は棄権しちゃいけないってのが矛盾を産んでるわけで、大差で負けてるチームが状況に応じて大逆転を狙うか戦略的撤退のコールド負けかを決定するべきです

  2. FIYS より:

    saboさんへ

    申告敗戦ですか…今後議論される可能性はあるでしょうね。野球だけではないですが、スポーツのルールは時代とともに変化してきますからね。

  3. タラちゃん より:

    リクエストに応えていただきありがとうございます。

    野手の投手起用は賛成ですが、
    最終手段であって、監督、コーチなどの運用ミスもしくは投手のケガ、危険球退場などのアクシデント後の対応のみにしていただきたいものです。

    と言うのは、
    よくMLBもしているからOKと聞きますが、
    登録人数とベンチ入りメンバーの違いがNPBと大きく違う。
    MLBは26人登録26人ベンチ入り(今年から25人→26人に)。
    9月以降は40人枠に広がるが、それ以前ではケガや忌引き、出産立会いなど以外では8月までは26人運用。
    一方NPBは31人登録26人ベンチ入り。5人登録外で基本先発投手か5人目の外国籍選手を外す運用と。

    となると、MLBは当たり前だが登板日以外の先発投手もベンチ入り。
    一方NPBはベンチ外。それも5人。
    となれば、MLBは先発込みで投手11人か12人、野手は14人か15人でシーズン対応。
    人数は当然不足するわけなので野手の投手起用や投手の野手起用せざる負えない。

    が、NPBは先発6人込みで投手15人。先発以外5人ベンチ外。
    野手16人ベンチ入り可能。
    ベンチに常に8人から9人のリリーフ投手いるわけで、よほどでない限り、野手の投手起用せざる負えないのはないはず。

    例えば、
    ブルペンデーで1イニングづつ9回まで来て、9人目投手がアクシデントで交代で野手の投手起用とかは大賛成ですよ。

    ただ、
    今回の場合はどうしても違和感ありありなんですよ。

    長くなるので、ひとまずここまでで続く。

  4. タラちゃん より:

    違和感の理由。

    8回で堀岡出てきて1アウトしか取れず7失点。
    満塁HR打たれ、送球エラーに、押しだし四球だし、
    原監督は正直キレたのでしょうね。
    「やってられない」って。

    この時点で、まだ4人残っており、勝ちパターン投手がね。
    この日投げると3連投になる投手は皆無で、あと2アウト取ればOKなわけ。
    MLBであれば、クローザーもしくは3連投投手と登板不可先発投手っていう顔ぶれなんで致し方ないかと思う。

    が、NPBではそうではない。
    投げることできる投手はまだいた。
    それなのに、野手を登板させた。それもまだ火曜以降投げていない投手までいた。

    それっておかしいと思うし、
    投手コーチもしくはヘッドコーチが羽交い絞めにしてでも止めるべき案件だったかと。
    今日はこの場合は堀岡をさらし者になるが、3アウトまで投げてもらうとかあったし、時間かけて、勝ちパターン誰かにあと残り2つ取ってもらうべきだったし。

    これで増田がオープン戦やファームでも登板していればまた話は別だが、正直あとで自分の正当化のためにいろいろとマスコミ対応していたり、しているとしか思えなかったし、
    これラミレス監督ならば、ボロカスにたたかれていた案件だったかと。

    ただ、こういうことで一石を投じたことは評価できますが、
    ここじゃないでしょとは正直違和感持ちました。


    まだ続きそうなんで、ここで1度切る。

  5. タラちゃん より:

    違和感続き

    もう?っていうコメントなどのオンパレードで困っている。

    納得できるコメントは、
    江川、江夏の投手目線で投手のプライドを考えての、「野手の方が投手を助けたいっていう気持ちがわかるが、簡単に野手がマウンドは投げるところではなく、投手はプライド持ってマウンドに上がっている」そういう話聞いて妙に納得したところ。

    堀内も「ある一言」を加えずに話してくれたら納得したのですが。。。

    で、だ。
    堀内、伊原、廣岡。
    「巨人軍の野球は・・・」
    何それ?って今巨人にいる選手、監督、ファンにそれこそ失礼でしょ。って。
    ダレ?その基準決めたのはって。
    時代変われば、基準なども変わるべきところは変わるべき。
    もうお話にならないですね。老害そのものですね。

    あと、
    「MLBでもやっている」
    「イチロー、青木も投げている」

    だから、MLBとNPBの日程やベンチ入り人数とかきちんと把握して話していますか?って。
    NPBはMLBと違い、先発投手の上がり(ベンチ登録外)あるので運用は楽。延長は10回まで、連戦も基本6連戦まででMAX13試合まで、セは移動は東京と広島間以外はすごく楽。
    とか、知っていて、コメントしているのか?疑問な方多かった。

    原監督。
    彼の賞賛にはおかしいとしかないのですが。

    要するに投手運用のミスなわけで、
    ベンチ入りメンツ余裕あるので、いる条件で試合しないとダメだし、ケガやアクシデントではないわけですしね。
    投手コーチ、ヘッドコーチはただのイエスマンなのは明らかだったわけですし。

    あとは野手に代えられた堀岡のプライドね。
    要するに、「野手のほうが本職の投手のお前より上だよ」ってことで、ここはさらし者にはなってしまうが、堀岡にイニング終了まで投げさせるべきだったとは個人的には思いました。
    それも勝ちパターン投手4人残っていたわけですし。、

    で、最後に意見。
    今年は仕方ないが、
    来年以降野手登板するために、キャンプ、オープン戦はじめきちんと登板させるべき人は準備をしてから、野手登板をしてほしい。

    投げる野手もケガのリスクあるし、打つ打者もデッドボールのリスクあるわけで、簡単に「野手もどんどん投げろ」とか、
    投手のプライド傷つけることしてほしくはないですね。


    張さんのコメント。
    原監督も投手目線、野手目線を考えたほぼ満点なコメント。
    どうしてしまったんでしょう(笑)。
    老害と言われるOBの方と違ってしっかりとみているのかな?と。
    あの日曜朝の偏向報道問題番組での唯一見れる人なんで。

  6. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    詳細なコメントありがとうございます。江川氏や江夏氏が言っているような「投手はプライドを持ってマウンドに上がっている。」というのは一理あるでしょうね。私はブログにも書いた通り、今回の戦術は肯定派ではありますが…

  7. JEF九郎 より:

    御礼遅くなりましたが、まずはご多忙の中、リクエストにお応えいただきありがとうございます。また、賛否は別として、他の方々のご意見も伺える機会を毎度ながらいただいたことにも、改めて深謝申し上げます。

    さて、FIYSさんは賛成意見なのですね。観点としては、投手の疲労を視野に入れた運用面を考慮してと言ったところでしょうか。

    お願いした際にも述べたとおり、私も今回の人財運用には否定的な見方はしておりません。江川さんや堀内さんだかが、“投手目線”としてのコメントを語っていらっしゃってましたが、意見の違いの要因を自己分析してみると、私も原監督の立場なら、“全体最適”を優先して考えてしまうだろうなぁっと思ったからです。

    もちろん監督としてのマネージメントの一環として、堀岡投手の将来について考える必要はあります。ただ、一方で監督に与えられた第一の責務を私自身の属するサラリーマン社会に置き換えると、あくまで自身が背負うミッションは、目標数値を達成させ、株主の利益を最大化させることにあると思うからです。(株主=ファンってところでしょうか。)
    そして一個人の想いは別にして、社員育成はそのための手段の一つと言えるでしょう。(社員=選手でしょうか。)もちろん最重要に近いファクターではありますが。

    であれば、不良案件と化してしまったあの試合において、後処理にエース級の社員を投入したく無い気持ちは痛い程理解できます。
    逆にあそこでエース級の社員を投下した影響がその後の別案件の結果に出た場合、株主から厳しい指摘が入るでしょうし、それに対して理屈として納得いく説明も思い付かない気がします。

    また、コンプライアンスに抵触したわけでもないですし、あの策がある程度準備が無いと成り立たない点を考慮すると、寧ろ時前に講じたリスクマネージメントが功を奏したとみて欲しい向きもあるからだと思いました。


    ……と、なんかよくわからない例えを挟んで失礼しました。皆さんみたいに野球論では語れないので、自分に身近な社会に置き換えて、賛成の要因を共有したかっただけなので、聞き流してくださいね。

    投手か野手かで意見が分かれる〜なんて記事を私も目にしましたが、個人的には江川さんなんかは監督経験ないので、選手の側に立った目線が強いのかなぁっと思いました。以上です。(ちなみに私は別に社長でもなんでもない、一介のサラリーマンですが)

  8. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    いえいえ。分かりやすい例えかと思います。

    立場によって意見も異なるでしょうしね。

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