高津監督の苦悩

ヤクルト2-6DeNA

高津監督の苦悩が伝わってくる。コロナ禍における開幕の大幅延期などもあり、例年とは違ったシーズンになっているのだが、高津監督は新監督らしく、自分の色を出しながらつい最近まで上手く戦っていた印象だった。過去記事はこちらから→「高津カラー
しかし怪我人が続出する中で高津監督が思い描いていたゲームマネジメントが難しくなってきている。投手陣では開幕投手を務めた石川が離脱し、スアレス、イノーア、マクガフ、クックと言った助っ人外国人選手も苦しい状況が続いている。原、高橋もローテを守ることが出来ず、梅野、寺島といった若手も離脱してしまった。野手陣では中村が開幕直前に離脱し、山田哲の状態も上がってこない。期待の塩見も離脱しており、戦力的にかなり厳しい状況に陥っている。このブログを書き始めたのは小川監督第一期からなのだが、その後の真中監督時代、小川監督の第二期時代含め、監督の采配、マネジメントを大きく批判する記事はそんなに書いていないと記憶している。それ程までに怪我人が続出し、だれが監督をやっても厳しい状況に追い込まれることが多かったというのが私の見立てだった。そしてそんな状況が高津監督の身にも降りかかってきている。今ある戦力でやり繰りしなければならないのだが、非常に厳しい状況であることは間違いない。

山田哲に関しては、今日のゲームも2番セカンドでスタメン出場となった。しかし結局ヒットは出ず、6回裏の守備からベンチに退いてしまった。身体の動きも起用法も離脱前と何ら変わらない。山田哲の存在の大きさ、野球への貪欲さ、責任感の強さということを考えると一ファンとして、腹を括って野球小僧である山田哲を見守っていくしかないのかな?と思ったのだが、そんな矢先にベンチに退くこととなってしまった。こういった起用法を続けるのであれば、私は山田哲のスタメン起用には反対である。高津監督の苦悩も分かるのだが、山田哲ほどの選手であれば、使うと決めたら監督自身も腹を括って使うしかないのではないだろうか?この状況でも「行けます。」と答える山田哲の気持ちの強さも凄いと思うのだが、高津監督は前回の登録抹消時と同様に冷静な判断をしなければならない。「使えると判断するのであればスタメンでフル出場させる。」、「使えないと判断するのであればもう一度登録を抹消する。」それくらい極端に判断して良いのではないだろうか?現在の山田哲のプレーを見ている限りでは、先発出場させることのデメリットの方が大きくなっていると思われる。

投手陣に関しては、ルーキー吉田大喜が今日も何だかんだで試合を作ってみせた。ここ4試合、5回~6回を2失点でまとめてくれている。今日完封勝利を上げた広島の大卒ルーキー森下と比べてしまえばスケールダウンは否めないのだが、プロの1軍でこれだけコンスタントに試合を作るというのも中々難しいことである。相手打者を圧倒出来るボールはなく、毎回ぎりぎり粘ってくれている印象ではあるのだが、吉田大喜に期待する先発としての最低限の仕事は果たしてくれている。負け投手になってしまったし、立ち上がりの投球内容には課題も残ったのだが、徐々に自信を付けていってもらいたい。今日は課題だった80球くらいからの投球に関しても力強いボールが投げ込めていた。

吉田大喜の粘りもあり、何とかロースコアの競り合いに持ち込んでいたのだが、吉田大喜の後を継いだマクガフ、中澤が7回に試合を壊してしまった。おそらく今日の7回裏は、今シーズンここまでの「ワーストイニング」になってしまった。マクガフは簡単に1アウトを取ったのだが、その後神里四球、中井死球、ソト四球と三者連続与四死球で満塁のピンチを招くと佐野に犠牲フライを浴び、点差を広げられてしまった。ここでヤクルトベンチは中澤を投入するのだが、柴田に四球を与えてしまい再び満塁のピンチを迎えると代打嶺井に押し出し死球を与えてしまい、続く戸柱にも2点タイムリーを浴びてしまった。この回マクガフと中澤の2人で5つの四死球を与えてしまい、1安打で4点を奪われてしまった。マクガフも中澤もどうしようもない出来の投球になってしまった。それでもチーム事情的にはマクガフには投げてもらわざるを得ないと思うのだが、中澤はそろそろ厳しいのではないだろうか?今日は全く仕事になっていなかった。

戦力が低下する中でこういった内容の悪い敗戦が続いてしまうと、チームの立て直しは非常に難しくなってしまう。高津監督を始めとする首脳陣の手綱捌きはもちろん大切になってくるのだ、首脳陣の力だけで勝利を手にすることは難しいチーム状況に陥っている。高津監督の苦悩は今後もしばらくは続きそうである。

P.S これは私の印象論なのですが、今シーズンは打者のハーフスイングの判定が甘くないですか?テレビを見ていて「スイングしたな。」と感じる場面でもスイングを取らないことが結構あるように感じます。ハーフスイングの判定基準が変わったんですかね?こういった印象を抱いているのは私だけですかね?

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コメント

  1. 超匿名 より:

     山田の途中交代について、監督のコメントではケガではないとのことです。じゃあなんなのか?と言いたくなりますがどうなっているのでしょうね。ヒットを打てそうに見えないのですが、出すとするなら右の代打でしょうか。
     吉田はなんだかんだで試合を壊さないでいてくれていますね。試合毎の失点だけで判断すれば、本文にある広島の森下と同じ勝ち星でもおかしくはないと思うので、新人の頑張りに報いてもらいたいですね。

  2. FIYS より:

    超匿名さんへ

    私は山田哲を1軍で登録するのであればスタメンで出場するべきだと思っています。かなり厳しい状態にあると感じますが。

  3. sabo より:

    多少は山田が復調にあると思うので、こんなことを言っても良いかなと思えたので私がずっと考えていたことを書きます。
    根拠のない憶測でしかないしあくまで可能性の一つとして思い浮かんだのは山田は「うつ」なんじゃないか?ということです

    山田が登録抹消でも一軍帯同で復帰前に二軍戦で調整をしなかったのもそのあたりかと

    今浪が現役最終年には甲状腺の病気は完治(寛解?)して医者からも問題ないはずと言われながらも野球に打ち込めなかった(やりたくないと感じてしまった)という告白もありましたしアスリートにとってホントは珍しくないのかもしれません
    まあ山田がそうだというのはあくまで憶測で可能性の一つですので

    それと私は今のチーム状況を考えると山田5番のが良いと思います
    単純に5番に置ける打者がいないからと2番は山崎でも宮本丈でもエスコバーでもできるからですね

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    プロスポーツの世界は私たちの考えを絶するような負荷がかかる世界なのでしょうね。今浪や川崎宗則の時もかなり驚きましたからね。ない話ではないでしょうね。しかし山田哲は守備、走塁でまずまず動けていますので、私はあくまでも身体的な部分での不調だと考えています。

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