ソフトバンクが4年連続日本一

今年の日本シリーズもソフトバンクが巨人相手に4連勝と圧倒的な実力差を見せ付け、日本シリーズ4連覇を達成してみせた。下馬評通りとはいえ、とにかく強かった。セリーグを圧倒的な力で勝ち上がった巨人に何もさせないのだから、ソフトバンクの強さが際立ったシリーズとなった。
過去記事はこちらから→「2017年の日本一はソフトバンク」、「2018年の日本一はソフトバンク」、「2019年の日本一もソフトバンク」、「オープン戦でも際立つソフトバンクホークスの分厚い戦力

これまでもソフトバンクの強さについては、何度も触れさせてもらっているため、今回は詳細に書くことは控えたいと思うのだが、日本一を決めるハイレベルな舞台において「投げる、打つ、走る、守る」という野球の基本動作で力の差を見せつけるという部分が驚異的である。今回のシリーズは戦前からソフトバンク優位の声が多数を占めており、私自身もソフトバンクが優位な立場にあると感じてはいたのだが、昨年悔しい思いをした巨人も強い気持ちで昨年のリベンジに燃えているように感じたため、何が起こってもおかしくないシリーズになるとも感じていた。しかし結果としてはソフトバンクが巨人を圧倒的な力でねじ伏せるシリーズとなった。それにしても2年連続の4連勝という結果には衝撃を覚えてしまう。ソフトバンクと巨人との実力差だけでなく、パリーグとセリーグの実力差もこれまで以上にはっきりしてしまった印象である。

ソフトバンクは育成と補強、正常なチーム内競争という部分において他球団を寄せ付けない凄みがある。90年代後半から00年代前半に関してのダイエー、ソフトバンクは豊富な資金力を活かした補強という部分でチーム力を高めた部分があり、巨人の背中を追いかける球団というイメージが多少なりともあったと思うのだが、00年代後半に入ってからは、選手の育成という部分にも力を入れ、ドラフト時には他球団でも獲得可能だった選手を次々と球界を代表する選手に育て上げてみせた。豊富な資金力を補強という部分だけでなく育成という部分でも利用し、チーム及び球界全体のレベルアップを図ってきた球団という印象である。今や巨人がソフトバンクの背中を追いかけている状況となり、完全に立場が逆転している。

ヤクルトからは今シーズンバレンティンがソフトバンクに移籍したのだが、チーム内競争に敗れて、出場機会を失ってしまった。それだけではなく、2軍で3割以上の打率を残したベテラン内川も1軍に呼ばれることはなく、過去の実績だけで選手を使うことはしない球団という印象も強くなっている。工藤監督を始めとする首脳陣の「時価」を見極めて選手を起用する采配もソフトバンクの強さの1つではないだろうか?

この現代のモンスターチームに対してパリーグの各球団は様々な手を使って戦おうとしている姿を見ることが出来る。その証拠に18年シーズン、19年シーズンを連覇したのはソフトバンクではなく西武だった。西武以外の球団も打倒ソフトバンクを常に念頭に入れてチーム作りに励んでいる印象である。
問題はセリーグである。交流戦でも日本シリーズでも力の差を見せ付けられる結果となっている。DH制などのレギュレーションの変更ももちろん現実的に考えていかなければならないと思うのだが、それぞれのチームが打倒ソフトバンク、打倒パリーグに向けて本腰を入れてチーム強化に乗り出す必要がある。ヤクルトもここ数年最下位に沈むことが多く、現代のプロ野球のトレンドから取り残されてしまっているチームの1つである。何かを変えなければ選手は育ってこないし、チーム力は上がってこない。ソフトバンクとは資金力という部分で明確な差はあるのだが、それでもお手本に出来る部分はあるはずである。ソフトバンクでチーム内競争に敗れた選手を毎年のように獲得し、チームの戦力を整えるようなことが続いている限りはソフトバンクとの差は広がるばかりなのかもしれない。

ソフトバンクホークスファンの皆様、日本シリーズ4連覇おめでとうございます!

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コメント

  1. sabo より:

    シリーズでは打てませんでしたが周東がシーズンでしっかり打って結果を出したのは凄いですね
    五十幡や並木たちにも期待が持てるモデルケースになったと思います

    ソフトバンクの強さ、セパの差についてダルビッシュはフィジカルの強さを挙げてましたね。やっぱり筋肉ですね。ただウェイトトレーニングするとケガしやすいという人もいますね。結局のところ個々でつけるべき筋肉が違うってことなんでしょうけど。
    橋上元コーチはソフトバンクと試合することがチームを強くするからセパ球団シャッフルすべきとも言ってましたね。

  2. FIYS より:

    saboさんへ

    ダルビッシュの言葉は気になりますよね。ソフトバンクがチームとして身体作りに力を入れているということなのでしょうかね?

  3. sabo より:

    ダルビッシュがアメリカに渡ってからウェイトトレーニングはどの球団も力を入れるように変わったとは思いますが、ソフトバンクはそれ以上に鍛えているということなのか

    あとダルビッシュは選手が個々で栄養学など学ばなければ伸びないとも言っていました
    これは新しい考え方かもしれませんね。アスリートが栄養学を学ぶのはトレンドだと思いますが野球選手では少数派かもしれません

    ちなみにパワーのパリーグと言われますが、今年のストレート平均球速はセリーグが上でした

  4. 超匿名 より:

     リーグ戦終盤のもたつきから巨人不利だと思いましたが、雪辱に燃えてリーグを独走で制したチーム相手に、鎧袖一触という結果には驚きでした。それを思えば、惜敗と全敗という違いはあるものの、前年の借りを返す形で当時の王者西武を倒した93年のヤクルトは、素晴らしかったんだと改めて思いました。
     

  5. FIYS より:

    saboさんへ

    球速表示ということで言えば日本シリーズでも最速は巨人のビエイラでしたからね。

    今後野球界はどのように変化していきますかね?

  6. FIYS より:

    超匿名さんへ

    巨人は終盤失速気味でソフトバンクは状態が上向いていましたからね。

    92年、93年の日本シリーズはどうしても語りたくなってしまいますよね。

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