阪神に好印象を抱いたゲーム

ヤクルト5-9阪神

ヤクルト移籍後初先発となった田口が3回途中でKOされるなど、試合開始から一度も流れを掴むことなく開幕2連敗となってしまった。スケールの大きくなった阪神への好印象を抱く場面が多い開幕第2戦となった。巨人に対抗できるだけの戦力が整いつつあるのではないだろうか?

田口は立ち上がりに躓いてしまった。近本、糸原に連続ヒットを許すとマルテを歩かせてしまい、0アウト満塁で大山、サンズ、佐藤輝と続く強打者と向かい合わなければならないシチュエーションを作ってしまった。立ち上がりからこれだけプレッシャーのかかる場面を作ってしまうと苦しい投球に終始してしまう。大山、サンズに連続で犠牲フライを許すと佐藤輝にはプロ入り初ヒット、初ホームランとなる2ランホームランを浴びてしまった。
田口自身は制球力と独特の球質のスライダーを武器に試合を作る技巧派サウスポーなのだが、今日の登板では良い部分が出る前に阪神打線に掴まってしまった印象である。3回には内川がファールフライを取り損ねたところからピンチを招き、梅野に2点タイムリーを浴びてマウンドを降りることとなってしまった。狭い神宮、決して良いとは言えない守備陣をバックに投げることは田口にとって簡単なことではないと思うのだが、何とかアジャストしていってもらいたいものである。低めのスライダーをことごとく見極められていた部分は気になるのだが、調子自体がそこまで悪かったという印象も残らなかった。次回の登板時には何とか5~6回を3失点くらいでまとめてもらいたいものである。
しかしオープン戦で5イニング以上を投げた投手が小川と田口しかいなかった中で、そのうちの1人である田口が2回1/3でマウンドを降りてしまったのは誤算である。今野が2回2/3、寺島が2回、マクガフが1回、長谷川が1回を投げたのだが、今野は40球、寺島は39球、長谷川は30球を要すこととなってしまった。高津監督は、投手陣の負担軽減を図りながら勝利も掴み取ることを意識していると思うのだが、開幕2戦目で既にかなり苦しい状況に陥っている。おそらく明日は今野、寺島、長谷川は使い辛い状況になると思われる。そんなゲームの先発を任されるのが、オープン戦で一度も5イニングを投げていない奥川ということで、すでに投手陣は火の車となりそうである。絶好調の奥川が6回まで投げ切り、7回マクガフ、8回清水、9回石山で勝ち切ることが理想的だが、そんな出来過ぎたシナリオにはならないことが予想される。開幕前に危惧していたことが現実となっている。

初回に4点を失い、阪神先発の青柳の調子も良かったことから、この点差を追い上げることは中々難しかった。それでも田口が6点を失った後に登板した今野が試合を落ち着かせ、5回に青木の2点タイムリーが出た後で山田がつなげることが出来れば…というシーンは作ったのだが、ここは青柳がフルカウントから見事なインスラを投げ込み、山田は三振に倒れてしまった。状態の上がらない山田にあのボールを打つことは難しいのだが、インスラを要求した梅野、投げ切った青柳の阪神バッテリーが上手だった印象である。
その後村上のソロホームラン、ルーキー元山のプロ初ホームランとなる2ランホームランで得点を上げることは出来たのだが、阪神を焦らせるには至らなかった。元山は田口が早い回に降板したことからチャンスが巡ってきたのだが、プロ初ヒットに初ホームランと結果を残してみせた。まだまだ実力不足の印象だが、積極的な姿勢はルーキーらしくて好感が持てる。

采配に関しては、NHKの解説を行っていた宮本氏、藤川氏も言っていたのだが、6回に村上のホームランが飛び出し、3-7というスコアになり、尚も2アウト1,2塁という場面で、阪神は青柳からサウスポーの岩貞にスイッチしたのだが、ここで元山に代打を出さなかったことが気になった。前の打席でボテボテの当たりながら内野安打を放った元山の流れの良さに賭けたのかもしれないが、パンチ力のある西田や左投手時の代打一番手とされる荒木の起用があって然るべき場面だと感じた。西田は続く7回の先頭打者として代打で登場したのだが、この場面で西田を使っても相手チームはそれ程怖さを感じないはずである。
今シーズンの高津監督に期待したい采配は、とにかく攻めの采配である。勝負所を見逃さず、どんどん手を打っていく積極的な采配を求めたいということは開幕前の記事にも書いたのだが、今日の6回、2アウト1,2塁で元山の場面は攻めるべき場面だったと思う。少し残念に感じた采配である(ここで代打を使わなかったことが元山のプロ初ホームランに繋がったことも事実ではあるのですが…)。

そして対戦相手の阪神は本当に戦力が整ってきたな。という印象である。おそらく前任の金本監督が作りたかったチームは今の阪神のようなチームだったのではないだろうか?補強と育成が上手くマッチングし始め、そのメンバーを矢野監督が上手くまとめている印象である。パワーピッチャー、長距離砲というチームの核になる人材が集まり、その周りを味のある脇役陣や技巧派投手が彩りを添えている。守備でも攻撃でも頭を使える正捕手梅野の存在も大きいと感じる。「今年の阪神は強い。」そんな印象を強くするゲームとなった。

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コメント

  1. JEF九郎 より:

    開幕早々に大ピンチを迎えましたね。このままでは例年より早く終戦を迎えそうな勢いに感じます。

    そんな中今日は奥川くんがマウンドに上がりますが、オープン戦までとは違った投球を見せてくれるのか、それともこれまでと同様の投球で阪神打線に飲み込まれてしまうのか、彼のスター性に賭けざるおえない状況が非常に歯痒いですが、注目の一戦になりそうです。

    ※ うっちーレフト、青木センター、塩見ライトで、川端を一塁起用出来ないですね。厳しいかぁ〜(汗)

  2. sabo より:

    阪神はどちらかというと投手(守備)のチームになりやすいですけど今年は完全に攻撃力のチームですね
    近年のドラフトで1位指名した近本大山佐藤で攻撃のウィークポイントが消えましたよね
    そして本来守備型が務める捕手を打てる梅野が守るし
    それに糸原も良い2番ですよね

    ウチは坂口内川がスタメンだけど阪神は糸井が代打だもんなぁ

    巨人を脅かす筆頭が阪神だと思います
    とはいえ阪神ってスランプが長引くイメージもあるので矢野監督が控え選手を上手く使えるかが勝負になりそう

  3. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    大ピンチですね。すでに打つ手がなくなっている部分に危機感を感じます。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    打線の核がはっきりしたことによって、糸原のような選手の良さが際立ち始めましたね。こうなるとチームは好循環になってきますよね。巨人の対抗は阪神で間違いないのではないでしょうか?

  5. タラちゃん より:

    この試合は仕事で見れていないので何とも言えないですが、
    田口は読売のキャンプはじめ離脱し、急にトレードもあり、急ピッチで仕上げたツケがここにきて来たのかな?と。
    個人的には、やはりここ数年やってるリリーフのほうが活躍するのでは?なんて思ってしまう内容ですね。
    球速も出てなかったようですし、ペース配分考えすぎ?
    まだ1試合目ですし、4月のウチに調子戻してくれること。
    そして古巣読売戦の先発濃厚なので、そこで期待したい。
    個人的には小川とローテ代えて菅野と中5日で投げ合ってほしい。

    6回裏3-7で2アウト1,2塁元山。
    この試合田口が3回持たずKOで打順回ることで7番西浦のとこに投手入れて、打順回る9番にショート元山という運用してたのよね。
    で、ほかにショートできそうなのが、
    すでに代打太田も使っていたので、奥村しかいない状況。
    荒木に最悪やらせるか、川端はサードさえ無理ですし、
    ということで奥村だが、病み上がりでいきなりショート不安。
    また6回なので、もう1度チャンス来たら、奥村代打出すと、ショートの選手いなくなるって事で、
    代打出したくても出せない事情あったのかと推測。
    ただ、この試合見てないのであくまでも推測ですけど。

    この試合、
    哲人の体調ダメだし、青柳は天敵でビビリの哲人は大の苦手。
    太田使ったり外野山崎使って左打線組んだらと。

  6. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    6回裏の元山の場面、私は奥村ショートをイメージしていましたが、確かにまだ病み上がりでショートが出来るかどうか不透明でしたね。それであれば元山で勝負という考えは「あり」ですね。

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