勝ち癖が付いてきたのか?

ヤクルト3-2西武

個人的にはチーム状況が劇的に改善しているとは思っていない。しかし勝利を積み重ねることは出来ている。しかも勝ちパターンも様々である。「これ」といった型がある訳ではないのだが、どんなゲームでもある程度の展開に持ち込むことが出来ており、その中で勝ちを拾うゲームが増えてきている。投手陣の踏ん張りがあるからこその結果という部分はあると思うのだが、それにしても投打が噛み合っている。
やはり昨シーズン日本一に輝いたことで、チーム内で「どんな展開になっても勝てる。」という意識が共有されているのではないだろうか?もちろん「常勝軍団」というイメージはまだまだ持てないのだが、もしかすると気付かないうちに「勝てるチーム」に変貌を遂げているのかもしれない。

ヤクルト先発の高橋は、相変わらず物凄いボールを投げ込んでいたのだが、今日は自分自身のボールを全く制御することが出来ていなかった。それでも初回を無失点で切り抜けられたため、このまま乗って行けるかな?と感じたのだが、今日は2回以降も投球内容に変化がなかった。2回は2アウトから愛斗に先制ソロホームランを許してしまった。コントロールに苦しむ中でカウントを悪くし、完全にストレート一本に張られた中で完璧に捉えられてしまった。高橋の課題がもろに出てしまった場面となった。4回はコントロールに苦しみ、このイニングだけで押し出しを含む3つの四球を与えてしまい、1点を追加されると、5回投げ切った時点で球数が110球に達し、ここで降板となってしまった。
今の西武打線はそれ程怖さを感じる打線ではなく、高橋がしっかり力を発揮すれば、抑え込める相手だったはずである。しかし今日はストライクを取るのに苦労してしまい、4回は、何とかストライクを入れようとする気持ちが逆に空回りし、投球フォームに微妙なズレが生じてしまった。5回で110球を投げ被安打2(被本塁打1)、与四死球8の2失点という数字は、高橋の課題そのものを示している。それでも2点に抑えたことを成長と捉えて良いのかどうか?微妙なところである。

リリーフ陣は、6回からコールー今野ー清水ーマクガフと無失点で繋いでみせた。1点リードの7回からは今野を起用し、昨シーズンのように清水、マクガフの順での継投となった。一旦登録を抹消されていた清水については、1軍に戻ってきてからも慎重に起用されていた印象が強いのだが、今日のゲームで8回に起用されたということは、今後も基本は「8回の男」を任されることになるのだろうか?冒頭に今シーズンのヤクルトは、「これ」といった型がないと書かせてもらったが、リリーフ陣は1つの型が出来上がってくるかもしれない。

打線は序盤は西武先発平井の前に完璧に抑え込まれてしまった。平井といえばリリーフの印象が強いのだが、今日は先発でありながら初回から飛ばしている様子があり、ボールにキレを感じた。この出来であれば中々打ち崩すことは難しいと感じた。右バッタ用、左バッター用の投球スタイルをしっかり確立しており、簡単に打ち崩せる投球ではなかった。
それでも5回に村上にチーム初ヒットが飛び出すと相手のミスも絡んでチャンスを広げると、中村にタイムリーが飛び出し、1点差に詰め寄ってみせた。その後のチャンスで同点に追い付けなかったのは、痛かったのだが、それまでほぼ完璧に抑え込まれていただけにゲーム終盤に向けてチームを活気づける1点にはなった。
6回には平井から代わった本田相手に塩見が3ベースヒットでチャンスを演出すると1アウト後村上に特大の逆転2ランホームランが飛び出した。今日も村上が4番らしい仕事を果たしてくれた。この場面、塩見が3ベースで出塁したものの続く山田が塩見を返すことが出来ず、多少なりとも嫌な雰囲気が流れていた。そんな中でチームやファンが期待する結果を残してしまうのだから改めて村上に脱帽である。カウント0-2と追い込まれてから、高めの釣り球気味のストレートを完璧に弾き返してみせた。今シーズンリリーフとして結果を残してきた本田のストレートは、決して柔なボールではなかったはずである。そのストレートをホームランにし、チームを勝利に導くのだから「あっぱれ!」以外の言葉が見付からない。

決して内容の良いゲームではなかったのだが、それでも勝てているのが今シーズンのヤクルトである。「個」より「チーム」という雰囲気を感じることが出来ている。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     チームは4安打で先発は四球を乱発しており、普通はぼろ負けでも不思議ではない数字なので、勝ちに不思議の勝ちありに属する類の勝利でしょうね。
     高橋は与えた四球に対して被安打はわずか2本だったので、試合を壊さずに済んだと言ったところですね。合格点は与えられないが、失格とも言えない本当に微妙なところですね。
     

  2. sabo より:

    西武平井は斎藤雅樹のような制球と真っスラと呼ばれそうな小さなスライダーがキレていて打てるイメージが湧きませんでしたが中村のバッティングは見事でしたね
    このバッティングを見ると五番に戻したくなるけどとりあえずは6番ででしょうね

    村上には何度驚かされても尽きないですね
    打つとは思ったけどホームランとは!
    本当に凄い打者です

    高橋はまあよく我慢したほうかな。もっと失点してもおかしくなかったし、こんなピッチングでは良くは無いけど、これはこれで成長かな

    リリーフ陣はよくやってますねほんと。ファームでは梅野も投げてて抑えているし、不安は無いですね
    先発も小川高橋高梨サイスニード原スアレス石川で7枚。
    奥川くらいしかケガの離脱がいないのでホントに投手陣は整備されましたね

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    投げるボールの凄さはヤクルト先発陣の中で№1ですよね。後はフォームの再現性を高めることですかね?

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    村上は本当に素晴らしい4番バッターだと思います。

    投手陣はいつの間にか層が厚くなってきましたね。

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