2022ヤクルトドラフト指名選手

前日に1位指名を公言した吉村の一本釣りに成功し、2位以下では長距離砲としての期待がかかる野手3人と高校生サウスポーを獲得するというほぼ文句の付けようがないようなドラフトとなった。1位で即戦力投手である吉村を指名した割には、吉村以外の即戦力投手の指名がなかったことは意外といえば意外なのだが、もし現在育成契約となっている丸山翔や下にある程度の目途が立っているという考えの中で今回のドラフトを行ったのであれば、非常に良いドラフトになったと言えるのではないだろうか?
現実路線という部分とロマン路線という部分が共存したドラフトとなったように感じる。チーム状況的に2位西村、3位澤井、5位北村を2軍からじっくり鍛えられそうなところもチームにとっても選手自身にとってもプラスになるのではないだろうか?
2011年からドラフトの記事を書いてきているが、これまでのドラフトの中でも好印象を抱くドラフトとなった。

過去記事はこちらから→「2022ヤクルトのドラフト(1)」、「2022ヤクルトのドラフト(2)」、「2022ヤクルトドラフト予想遊び(1位吉村貢司郎入札公言済み)

1位 吉村 貢司郎 (東芝) 右投右打 投手
2位 西村 瑠伊斗 (京都外大西高) 右投左打 外野手
3位 澤井 廉 (中京大) 左投左打 外野手
4位 坂本 拓己 (知内高) 左投左打 投手
5位 北村 恵吾 (中央大) 右投右打 内野手

育成1位 橋本 星哉 (中央学院大) 右投左打 捕手

1位の吉村に関しては、今年のドラフトで何名か挙げられていた即戦力候補の投手の1人である。今年の出来という部分で見れば、№1評価をしても良い投手だと思う。大卒3年目で念願のNPB入りを決めたのだが、その分年齢を重ねてしまっているという不安もある。それだけに1年目から勝負である。先発として試合を作る役割を担うのか、高い三振奪取率を活かしてリリーフを担うのかキャンプ、オープン戦から注目していきたい。ヤクルトに必要とされるピースをドラフト1位で獲得できたことには喜びを感じている。

2位の西村は、個人的には1位候補だったため2位で獲得できて万々歳という感想である。昨日ドラフト予想遊びの記事を書いたのだが、一昨日の夜に想定していた予想遊びだと矢澤の外れ1位候補に西村の名前を挙げる予定だった。少し上半身を傾けた独特なフォームからコンパクトなスイングでボールを捉えることが出来る選手である。打撃に特徴のある選手と言って良いだろう。まずはプロの投手のボールに慣れることからスタートである。しかし1年目から2軍でどの程度の数字を残してくれるか楽しみな選手である。抜群の打撃センスがプロの舞台でも発揮されるのではないだろうか?

3位の澤井も名の知れたスラッガーである。澤井自身も周りもとにかく打撃で生き残るしかないという考えは一致しているはずである。がっしりした体型から放たれる豪快な打球を見ると、将来に夢を描ける選手だと感じる。当初はプロのボール、特に変化球への対応に苦労する可能性はあるのだが、スラッガーとして生きていくために自分のスタイルを貫いてもらいたい。「ドラフト1位を目指していたため3位指名で悔しい気持ちもある。」という主旨のコメントを残していたが、こういった負けず嫌いのメンタルも面白いと感じる。

4位の坂本は、北海道産のがっちり系サウスポーである。中日に3位指名された森山がタイプ的にも良いライバルになるのではないだろうか?個人的には門別や森山、森下瑠の方が評価が高かったのだが、如何にも馬力がありそうな坂本もプロの練習にしっかり付いていくことが出来れば、将来大きく育つ可能性のあるサウスポーだと感じる。焦らずにプロの世界に慣れていってもらいたい。

5位の北村は、中学時代から注目されていたスラッガーである。近江高校時代も下級生時から注目されていたのだが、身体の成長が止まるとともに野球の方の成績も停滞している印象はある。それでもその長打力は魅力的である。左右の違いはあるが、ドラフト3位の澤井と切磋琢磨しながら成長していってもらいたい。澤井同様求められているのは長打力である。

育成1位の橋本は私は全く知らない選手なのだが、捕手の指名はあると思っていたため、とりあえず1人捕手を確保したことが大きいと感じる。どんなタイプの選手なのか、プレーを見ることを楽しみにしたい。

やはりチーム状況が好転するとドラフトも攻めのドラフトが行えることを改めて感じることが出来るドラフトとなった。事前記事にも書いたように今年のドラフトで上位で獲得に向かってもらいたかったのは、外野手と即戦力投手だったため、吉村、西村の1位、2位の並びには非常に満足である。高校生ながら打撃職人的な雰囲気を感じさせてくれる西村のプレーを見るのは特に楽しみである。
3位澤井、4位坂本、5位北村はいずれもスケールが大きな選手である。一歩一歩階段を上るようにステップアップしていってもらいたい。

個人的に注目していた育成ドラフトでの獲得人数は1人のみだった。しかし今後も2026年に2軍施設を移転するにあたって、育成契約の選手を増やしたり、育成ドラフトでの獲得人数を増やしたりすることがないのか注目していきたい。

個人的には満足いくドラフトとなった。

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コメント

  1. sabo より:

    ヤクルト5位に私が予想していた北村の名前が出た時は震えましたね
    ヤクルト北村を当てた人は滅多にいないでしょ(笑)
    予想はまぐれ当たりですけど自慢しよう(笑)

    推しながら指名の当落線上だと勝手に個人的に考えていた橋本達弥(慶応)もDeNAに指名されて良かったです。今年も有力候補がかなり指名漏れしましたからね

    西村残ってましたね!やっぱり良い指名順なんですよ

    吉村も西村も澤井も坂本もそして北村も大満足の指名です
    あと橋本も詳しくは知らないですがリーグの成績を見る限り打てる左打ち捕手というのはピンポイントかもしれない。ただ松井聖はちょっと尻に火が付く形かもしれませんね

    ドラフトの展開は吉村を取ったらスラッガータイプを狙うという予想通りの展開ではありましたが投手2人しかとらないとは……この点において完全に予想の上をいかれました
    管理人さんの言うように現在のチーム状況が良いので安全策のような手を出さず、目的のタイプの選手に一直線に行けたと思います

    吉村は1軍を期待というか頼むぞという気持ちですが、他の選手はじっくり育成かな(即戦力ならそれがベストですが)。畠山コーチが北村を指導する姿が私の目には浮かんでいる(笑)
    あと皆何よりもケガをしないことを祈ってます。ほんと成功するにしてもしないにしてもプロでやりきったといえるくらい健康でいて欲しい

  2. 超匿名 より:

     ドラフト直後の感想としては、奥川を当てた年と並んでここ十年では最高評価では?という思いです。
     まず一位の吉村が予定通り指名出来たことに安心しました。普通に考えれば来年の新人王の有力候補でしょう。
     二位の西村はヤクルトの順番で残っていたのは嬉し過ぎますね。ぜひ育て上げて欲しいものです。
     三位の澤井は吉村以外に来季出番があるとしたらこの人かもしれません。代打で登場とか見られるかな。
     四位に素材型若手左腕と五位でもスラッガー候補を指名してワクワクが止まりません。
     

  3. FIYS より:

    saboさんへ

    ヤクルトが北村を指名するという予想は非常に困難だと思います。saboさんがしっかりアマチュア球界を追いつつ、ヤクルトのチーム状態を冷静に見極めていたからこその予想だったのではないでしょうか?

    吉村は1年目から勝負の年となりますよね。

  4. FIYS より:

    超匿名さんへ

    私も奥川を獲得した19年ドラフトと同じくらいの評価をしています。来シーズンは2軍の結果を見るのも楽しみになると思います。

  5. パイン より:

    速報を見たのが3位指名の途中で、ヤクルトの2、3位指名を見て目がテンになりました。思わず他球団の2位指名を確認してしまいました。ヤクルトのテーブルも戸惑ったのではないでしょうか。恐らく3位あたりで投手を予定してたのではないかと思うのですが、よく強打者2人獲りにいきましたね。上位で高校生、外野手厚めと予想しましたが、かなり攻めました。坂本は高校生の左として上位評価。右打ち強打者は北村でカバー。育成で捕手とバランスよく指名しています。投手が少ないのは、人数上仕方がないところでしょうか。今年2軍で先発要員だった吉田、市川、金久保、育成の丸山、下は結果が残せず、フェニックスでは山本や竹山が長いイニングも試していますが、投手陣再編するなかで、どうやり繰りしていくのか注目ですね。打者も育成の選手の方が数字の上では結果を出しているので動向が気になります。

  6. FIYS より:

    パインさんへ

    私もリアルタイムで追っていた訳ではないので、西村、澤井の並びを見た後に他球団の2位指名を確認しました。来シーズンは2軍の試合も注目したいですよね。西村、澤井、北村のチーム内競争は楽しみです。

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