昨年はなかったであろうオリックスの勝ちパターン

日本シリーズ第4戦
ヤクルト0-1オリックス(ヤクルト2勝1敗1分け)

第1戦、第2戦でオリックスのリリーフ陣の層の厚さと質の高さを感じ、昨年とは違った強さを感じるという旨を書かせてもらった。第3戦で快勝したため、流れはヤクルトにあると感じ、多少意識が薄れていたのだが、やはりオリックスリリーフ陣の層の厚さ、質の高さは、昨年とは段違いの印象である。0-1というスコア自体は、昨年もあり得たスコアだと思うのだが、こういうスコアは、山本や宮城にある程度長いイニングを無失点に抑えられた中であり得るスコアだったと思う。
今日のゲームでは先発した山岡が5回1アウトから塩見に3ベースを浴びた所で、中島監督はスパッと宇田川へのスイッチを決断した。個人的にはこの時点ではオリックスが追い込まれて、少し焦って継投しているのではないか?という印象を持ったのだが、その後の宇田川ー山崎颯ーワゲスパックというパワー系リリーフ陣の投球を見て、考えを改めた。こういう展開でも逃げ切れるだけの駒を今年のオリックスは持っている。これがオリックスの後半戦の勝ちパターンの一つになっていたのだろう。こうなると明日以降も序盤の戦いから目が離せなくなりそうである。1つの得点、失点でシリーズの流れが変わる瞬間があるかもしれない。

私の中での、今日の一番の不安要素はベテラン石川の投球内容だった。コロナでの離脱後、中々状態が上がらず、苦しい投球に終始していた印象があり、今日までにどの程度状態を戻せているかが気掛かりだった。初回はいきなり佐野皓に2ベースを浴び、2アウト後に2つの四球で満塁のピンチを招いたのだが、杉本を三振に斬って取り、事なきを得た。しかしシーズン後半の投球同様、状態自体はそれ程良いようには感じなかった。味方打線もチャンスで一本が出ず、先制機を逃していたのだが、そんな流れの中で3回に石川が死球からピンチを招くと杉本に先制タイムリーを浴びてしまった。杉本に打たれてしまったこと自体については仕方なかったのだが、中川圭を追い込んでからの死球が非常にもったいなかった。今日の石川は5回で5四死球とちょっと慎重になり過ぎてしまった印象である。もちろん今の石川のボールの質で勝負するには際どいコースの出し入れは必須であり、コースが甘くならないように気を付けていることは感じたのだが、それにしても少し与四死球が多かった。それでも5回1失点にまとめた辺りは、流石石川と言って良いのだが、全体的に苦しい投球に感じた。
6回からは木澤が2イニング、今野が1イニングを無失点で抑え、緊張感を保ったままゲームは進行していったのだが、今日は打線が援護できなかった。

冒頭からオリックス投手陣の強さと言う部分を書かせてもらっているのだが、今日のゲームはチャンス自体は数多く作ることが出来ていた。初回は塩見のヒットとエラーで0アウト1,2塁のチャンスを作ったのだが、山田、村上、オスナが抑えられ、先制点のチャンスを逃すと、3回の2アウト1,2塁のチャンスも村上が三振に倒れてしまい、ここでも先制機を逃してしまった。オリックス先発の山岡は、チームの流れの悪さもあってか、初回からかなり慎重な投球になっているように感じ、調子自体もそれ程良さそうには感じなかったのだが、ヤクルト打線がチャンスで一本を出すことが出来なかった。
5回に塩見の3ベースで作ったチャンスも、代わった宇田川の前に山崎、山田が連続三振に倒れ、同点のチャンスを逃してしまった。6回も先頭の村上が四球で出塁するとワイルドピッチで2塁へ進み、オスナの進塁打で5回同様、1アウト3塁という場面を作ると、青木が四球を選び、1アウト1,3塁とチャンスを広げてみせた。しかしここでもサンタナ、中村が三振に倒れ、一打同点、逆転のチャンスを逃してしまった。
7回、8回は山崎颯の前に完璧に抑えられてしまうと、9回はワゲスパックから先頭の丸山和が2ベースを放ちチャンスメイクしたものの後続が倒れ、最後まで1点が遠いゲームとなってしまった。
初回のチャンスは紅林の好守にも阻まれた形になったのだが、先発の山岡から1点でも奪っておかなければならないゲームだった。5回、6回の宇田川のピンチの場面での投球を見て、より一層その思いは強くなった。三振を狙いに行ってしっかり三振を奪える宇田川のストレートの強さと落差のあるフォークボールのコンビネーションはリリーフ投手として理想的な投球だった。フォークの精度という部分で多少粗さも残っているのだが、カウント球で使うフォークと空振りを奪いに行くフォークをある程度投げ分けることが出来ており、しっかり投げ切られてしまうと打ち崩すのは難しいと感じた。追い込まれても粘れるようになった山崎がワンバウンドするフォークに手が出てしまったのを見て、非常に良いフォークを持っていると感じた。
3番手の山崎颯も150キロ後半を記録するストレートに威力があり、各打者が差し込まれてしまっていた。9回のマウンドに上がったワゲスパックも角度のあるストレートの威力があり、簡単には打ち崩せないと感じた。
ここまでの日本シリーズの流れと、0-1という最少得点差で推移したゲームということを考えれば、リードしているとは言え、オリックスの方によりプレッシャーが掛かるゲーム展開になっていたと思うのだが、その中で宇田川、山崎颯、ワゲスパックに抑え込まれてしまったことにより、またシリーズの流れが混沌としてきそうな予感がする。やはり簡単に勝たせてはもらえないようだ。

P.S オリックスのリリーフ陣はパワー型の右腕が揃っており、本当に強力ですね。何かユニット名とか付いていないんですかね?今後何か異名のようなものが付くのではないでしょうか?

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コメント

  1. アーム より:

    今日は試合が観れていなかったので、FIYSさんのブログで試合内容が詳しく書かれていて助かります!

    ヤクルトピッチャー陣の四死球の多さでバッター陣がなかなかリズムに乗り切れなかったですかね。

    オリックスの打撃陣にまだホームランが出ていないのが不気味ですね!
    このまま出ないといいですけど、もし一本出るとホームラン攻勢になりそうで怖いです。
    ホームランが出にくそうな山下君のピッチングに期待しています!

  2. 超匿名 より:

     負けたと言っても一失点に許した安打は三本だけでしたので、オリクッス打線は相変わらず眠ったままなので、悪い負け方ではないですし、この敗戦で相手方に流れはまだ行っていないと思います。
     ここまでの四戦は大きく計算が外れていないと思いますが、今日の先発の山下が一番予測しづらいですね。
     オリックスのリリーフ陣は百マイル軍団とかいった感じはどうでしょうかね。

  3. FIYS より:

    アームさんへ

    アームさんのおっしゃる通り第5戦はホームランがカギを握る展開になりましたね。

  4. FIYS より:

    超匿名さんへ

    山下は「らしさ」を見せてくれましたが、シリーズの流れはオリックスに傾いてしまったかもしれませんね。

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