TOUGHGAME 4時間53分

2023試合結果


ヤクルト3-3DeNA(延長12回)

4時間53分に渡るTOUGHGAMEとなった。現在ヤクルトがセリーグ首位の阪神のようなチーム状況であれば、ホームゲームで強さを発揮するDeNA相手に横浜スタジアムで引き分けたことを評価することが出来ると思うのだが、現在のヤクルトの置かれている立場からすれば、喉から手が出る程「勝ち」が欲しいゲームだった。昨日、今日とヤクルト側から見れば、悪くない試合展開に持ち込むことが出来たのだが、リリーフ勝負で勝利を掴めなかったことはやはり痛いと感じる。先発投手が試合を作れない試合も目立つ中ではあるが、昨日のピーターズ、今日の小川は、ヤクルトの先発陣の中では安定感のある投手である。その2人の投手がある程度試合を作ってくれていただけに、何とか勝ちを拾いたいゲームだったのだが、2試合とも勝ちを逃す形となってしまった。先程も書いたように、阪神のようなチーム状況であれば、今日のゲームが引き分けであったとしても、首位はキープできるし、先発陣を中心に投手陣が安定しているため、来週以降もある程度勝つチャンスが生まれてくることが想定されるため、「引き分けでもOK」となると思うのだが、ヤクルトとしては、エースの小川が登板し、試合展開的にも勝機を見出せていたため、引き分けという結果は良い結果とは言えない。

先発の小川は、2回にピッチャーの今永に先制タイムリーを許してしまったこと、味方が逆転した直後に1点を失ってしまったこと、前回の登板での終盤での失速があったからか、6回でマウンドを下りることになってしまったこと、という3点が残念なポイントではあったのだが、強力DeNA打線を相手に小川らしく粘る投球は出来ていたように感じる。エースとして高いハードルを設定するのであれば、2回の濱田の後逸に近い守備も絡んだ中の3塁打があったとしても2アウトで下位打線というシチュエーションだったため、無失点で抑えてもらいたかったし、同様に4回の失点も2アウトランナーなしからだったため、もったいないということも出来る失点だったと思う。上手く切り抜けることが出来ていれば、また違った試合展開に持ち込めていた可能性もある。そして出来れば、今日ももう1イニングは投げてもらいたかった。この辺りは、外部から見ている限りでは、チーム状況を考えてもセオリーとしては、小川の続投だと思うのだが、敢えて継投に踏み切ったということは、それなりの理由があるのだと思う。それでも昨日のピーターズも今日の小川ももう1イニング投げてくれるだけで、終盤の継投が楽になる部分はあると思う。
7回からの継投策で、最初にマウンドに上がったのは、木澤だったのだが、桑原に2ベースを許すと、1アウト3塁から代打楠本にタイムリーヒットを許し、同点に追い付かれてしまった。続く佐野にもヒットを打たれ、ここで降板となってしまった。ボール自体は悪くないと思われるため、今後も大事な場面で強い気持ちを持って投球し続けてもらいたい。その後を受けた星は、DeNAのまずい攻めにも助けられ、ピンチを防ぐと、8回は清水が危なげなくDeNA打線を抑え込んでみせた。試合が同点のまま推移する中で9回、10回の2イニングを田口、11回、12回の2イニングを大西がきっちり無失点で抑え込んでみせた。登板過多になってはいないとは言え、清水、田口はプレッシャーの掛かる中でもきっちり仕事をしてくれたし、大西は、清水、田口と比べて明らかに負荷は掛かっているのだが、その中でも便利屋として見事な投球を見せてくれた。星以降の投手については、1点でも許せば、負けに直結する中で本当に良く投げ切ってくれたと思う。

打線は、相手先発が今永という中で、1番センター濱田、2番セカンド山田、3番ライトサンタナ、4番サード村上、5番レフト内山、6番ファーストオスナ、7番ショート長岡、8番キャッチャー中村、9番ピッチャー小川、と大胆に組み替えてきた。
しかし初回の今永の出来を見た限りでは、相当厳しいゲームになる予感がした。そんな中で結果を残してくれたのは、主軸の山田と村上だった。1点ビハインドで迎えた4回の攻撃で山田が先頭打者として打席に入ると今永の甘いストレートを捉え、打球はレフトスタンドに飛び込む同点ソロホームランとなった。続くサンタナもヒットで続くと、4番村上がフルカウントからの外角のストレートをバックスクリーン左に運ぶ勝ち越し2ランホームランを放ってみせた。
山田のホームランに関しては、コース的には甘いストレートだったのだが、今日の今永のストレートは初回からキレているように感じたため、そのストレートを捉えたことに山田の状態が上がってきていることを感じることが出来た。
村上のホームランに関しては、おそらく現在のNPBでは、村上にしか放てない一発になったと感じた。今永がフルカウントから投じた、渾身の外角低めのストレートをバックスクリーン左にライナー性の打球で運んでしまうのから驚いてしまう。不調と言われながらもこういったバッティングが出来るのが村上の凄さである。
しかし結局は山田、村上のホームランによる3点以外は、得点を重ねることが出来なかった。7回に追い付かれた時点で、ビジターゲームということもあり、かなり厳しい状況になったとは感じていたのだが、9回、10回、11回と満塁のチャンスを作っていただけにどんな形でも1点を奪いたかったということはあるだろう。9回の川端のライトフライはあと一歩といった打球だったし、10回の勝負を掛けた山田のタッチアップも気持ちは痛い程伝わってきた。ここで気持ちとは裏腹に結果に結びつかないところがもどかしいところである。

今日のゲームは身体的にも精神的にもタフなゲームとなった。勝てていればまた多少は違うと思うのだが、勝利を手にすることは出来なかった。来週は、いきなり首位阪神との3連戦が待っている。ここで3連敗を喫してしまえば、リーグ優勝という意味では黄色信号どころか赤信号が点灯してしまうし、正直1勝2敗でもかなり苦しい立場に置かれてしまう。最低でも2勝1敗が求められる難しい3連戦になりそうである。




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コメント

  1. sabo より:

    中継を見れず一球速報で眺めてましたが、小川の交代についてターニングポイントになったと思いますが
    まず高津監督としてはヤクルトの野球はリリーフ力で勝つというのがあったと思います
    それと小川の調子を映像で観れてないので何ともですが6回2失点、被安打7、奪三振0という数字を見ると調子が良いわけでは無いのかなと思いました。内山のファインプレーもありましたし。しかも7回先頭打者は2連続長打を打たれている桑原で小川の球に合っている。
    しかし小川は5回6回を三者凡退に抑えて尻上がりに調子を上げてるとも考えられた
    3失点の今永が7回投げたように普通のチームなら2失点ならエース(開幕投手)を7回まで投げさせるのがセオリーだと思います

    ただ高津監督の心理状態として試合前から連敗脱出のため「ベンチが動いて」勝つ、というイメージがあったと思います。オーダーもいじってきましたし。例え先週小川が背信せず完投しようと今日の采配は変わらなかったのではないかな。おそらく小川が4回2失点の段階で大量リード(今永相手に恐らく難しい)が無い限り7回から木澤と決めていたと思います。高津監督にとってリリーフ力で勝つのがセオリーですから。

    何が正解かは神のみぞ知るわけですが結果は厳しいことになりました。
    監督の前のめりの姿勢はチームに十二分に伝わり、並木の初球スチール失敗だったり山田のタッチアップ失敗だったり。間違ってないと思います。考えがあってのチャレンジだったわけだし。
    最近考えるのは選手は結果だけで評価されるわけじゃないなと。ちゃんと内容も評価されるんじゃないかなと。年俸査定も細かいし。

    ただ監督は結果だけで評価されるよなと感じます。どれだけデータを揃えようが、統計で采配しようが勘だろうがなんだろうが勝たなきゃ評価されないなと。育成の上手い監督という評価もありますけどそれは育成した後優勝なんなりするから認められるのかなと。

    とにかく今年は高津監督にとって最大の苦難の年になりそうな気がします。高津監督のことは好きだし信じてますが勝たなきゃならない。勝てないと何で変えたんんだとか何で走らせたんだとか思ってしまう

    「勝たねば」

    • fiys より:

      saboさんへ

      この日のゲームの継投については、結果論で語るべき継投だったと思うので、結果としては失敗ということになりますかね。結局勝てないから1つの采配が裏目に出た場面が目立ってしまうという状況ですよね。勝ちが欲しいですね。

  2. 超匿名 より:

     六回二失点は好投の部類に入るでしょうから、エースと四番の活躍があった試合は勝たないと行けなかったでしょう。二連覇中のチームとして力のあるチーム(中日以外。他から見たヤクルトはどうでしょうかね)相手に今週一勝も出来なかった事実が重く感じられます。
     グラウンド外でのトラブルがあった田口について、抑えたことに精神面でのタフさを感じつつも、登板機会があれば期待する姿勢は変わらないですが、少し見方が変わってしまいました。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      確かに「力負け」をしている印象はありますよね。ここからチームを立て直すのは容易ではないですよね。もちろん諦めずに応援を続けますが…。

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