ヤクルト3-2巨人
今日の先発は石川ー田中将
石川はプロ24年目の45歳、通算188勝。田中将はプロ19年目の36歳、日米通算198勝。という実績十分の大ベテランVSベテランという構図のゲームとなった。
結果的には石川にも田中将にも勝ち星は付かなかったのだが、両投手ともに今ある実力の中でやれることはやり切るという他の投手のお手本となるような投球を披露してくれた。石川も田中将もお互いの投球から気付きや学びもあったのではないだろうか?
ヤクルト先発の石川は、今日は初回から上手くカウントを作ることが出来ていた。ストレート、多彩な変化球を初球からゾーンへ投げ込み、簡単に投手優位のシチュエーションを作る場面が目立った。まさに大ベテランの投球術を如何なく発揮してくれた。
3回に田中将に2ベースを浴びたことをきっかけに泉口に先制タイムリーを浴びたこと、5回に増田大の2ベースをきっかけに丸に勝ち越し犠牲フライを浴びたことは、勿体なくも感じたのだが、今の石川の状態からすれば、6回2失点という数字は充分合格点を与えられるものだったと思う。巨人の各打者は、石川に威圧感は感じないと思うのだが、タイミングを外したり、読みを外したりすることによって最後まで巨人打線に的を絞らせなかった。勝ち投手にはなれなかったものの、来シーズンの契約を勝ち取るためにも、今日のような投球を1試合でも多く披露することが大事になってくる。
6回表に中村悠のタイムリーヒットで追い付き、尚も2アウト2,3塁という場面で高津監督は石川に代打を送らず、そのまま打席に立たせたのだが、個人的には代打宮本を起用して勝負を賭ける場面だと感じていた。石川の球数がまだ64球だったこと、9連戦の真っ只中だったこともあり、高津監督は、この場面では前の打席で24年連続ヒットを放っていた石川のバットに期待する選択をしたと思うのだが、個人的には弱気な采配に感じたり、石川の勝ち星に少し拘り過ぎてしまっているのではないかと感じてしまい、不安を感じたのだが、その後の6回裏の石川の投球で、高津監督の采配が間違いではなかったことを石川自身が証明してくれた。泉口を三振に斬って取ると、キャベッジを歩かせた後のシンカーでピッチャーゴロダブルプレーに仕留めてみせた。この6回裏の投球は、石川が先発投手としてまだやれることを示してくれる投球だったように感じる。
野球の采配については何が正解かは分からない。石川に代打を出したことにより、勝ち越し点を奪い、石川が勝ち投手になる未来もあっただろうし、石川がタイムリーヒットを放って勝ち投手になる未来もあり得ただろう。もちろん続投させたことによって、次の回にピンチを招き、イニング途中で降板してしまう未来もあっただろうし、続投したことが裏目に出て負け投手になってしまう未来もあっただろう。
それでも高津監督をはじめとするヤクルト首脳陣は、石川を信頼し、その信頼に石川がしっかり応えてみせた。この事実が今日のゲームでは何より重要だったのではないだろうか?
今日の石川の投球は見事であった。
リリーフ陣も7回から大西ー荘司ー星と1イニングずつ繋ぎ、3投手ともにパーフェクトピッチングを見せてくれた。3投手ともに厳しいシチュエーションでの登板だったのだが、隙の無い投球を披露してくれた。1点差の9回にマウンドに上がった星は、フォークが高めに浮く場面もあり、狙い通りの投球が出来たとは言い切れなかったと思うのだが、威力のあるストレートを投げ込めていることで、失投も失投にはならなかったという印象である。思い切って腕を振れるようになった星には成長を感じることが出来る。
今日のゲームは、チームの勝利のためにも石川の勝利のためにも、巨人先発の田中将を5回までにマウンドから下ろすことが出来るかどうか?という部分がポイントになると見ていた。
しかし今日の田中は、ストレート、カット、ツーシームと似たような球速帯のボールを内外角にコントロールし、ウイニングショットのスプリットを含めて、上手く抑えられてしまった。全盛期のようなボールの威力は無くても、コントロールと微妙なボールの出し入れで打者を抑えるスタイルが今の田中将の姿なのだと思う。このスタイルにヤクルト打線が苦しみ、1巡目は完全に抑え込まれてしまった。
それでも4回に2アウトから内山、村上が四球を選ぶとオスナがフルカウントからライト前にタイムリーを放ち、同点に追い付いてみせた。打ったオスナはもちろん凄いのだが、4回2アウトまでの投球内容からすると、田中将にとっては悔やんでも悔やみきれないイニングになったのではないだろうか?6回は相手のミスでチャンスを作ると、中村悠が代わった船迫からレフト前へしぶとくタイムリーを放ち、再び同点に追い付いてみせた。
石川にしろ、田中将にしろ、全盛期のボールを投げ込むことは難しくなっているのが、それでも多彩な技で相手打者と勝負することが出来ている。しかし、2人ともにギリギリのところで勝負しており、少しでも投球に狂い生じると一気に打ち込まれてしまう。これが日本最高峰のNPBという世界のレベルの高さなのだと思う。
同点で迎えた8回は、シュートボーラーとして巨人移籍後花開いた田中瑛相手に、オスナがレフトスタンドへライナーで突き刺す決勝ソロホームランを放ってみせた。田中瑛のシュートは昨日の古賀の三振のシーンが象徴するように、かなりの切れ味で右打者の懐に飛び込んでくる、右打者泣かせのボールである。そのシュートを完璧に捉えたオスナの技術にあっぱれである。
バントミスや盗塁失敗も重なり、中々流れを掴めないゲームではあったのだが、それでも勝ち切った所にチーム力が上がってきていることを感じることが出来た。
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