ヤクルト3-1広島
2020年シーズンから6シーズンに渡ってヤクルトの指揮を執った高津監督の最終戦は、高津監督の地元広島でのゲームとなった。既に最下位が確定しており、完全な消化試合ではあったのだが、最後までしっかり戦い、勝利で締めくくることが出来た。地元広島で、相手の監督は広島工業の後輩新井監督ということで、不思議な巡り合わせを感じるゲームとなった。
高津監督が今シーズンの最終戦の先発に起用したのは、アンダースローの下川だった。育成ドラフトから支配下契約を勝ち取り、プロ初勝利も上げた下川は、ベストメンバーではない広島相手に見事な投球を披露してくれた。この辺りは、昨シーズンオイシックスでも今シーズンの2軍でも十分に通用していたため、今日も下川の実力をしっかり発揮してくれたということになるのではないだろうか?
4回に3安打を集中されて、1点を返されてしまったのだが、4回以外の5イニングは、広島打線をノーヒットに抑えてみせた。ボールの威力、コントロールともに今日は良かったのではないだろうか?3つの与四死球があったことは、今現在の下川の課題ではあるのだが、それ程危ないと感じる場面もなかった。オープン戦や春先は、思ったよりもスタッツが良くないなと感じたこともあり、支配下契約を勝ち取ることが出来るかどうか心配したのだが、支配下契約を勝ち取った以降は、先発としてもリリーフとしても上手く立ち回ることが出来たのではないだろうか?今日6イニングを投げ切ったように先発としての適性も十分あるように感じる。威力のあるストレートを長いイニング投げ続けることが出来れば、来シーズンは先発候補の一角として他の投手と競争することになりそうである。
リリーフ陣は、7回を大西、荘司、8回を田口、9回を星と4人で繋いでみせた。大西はコンディション不良で出遅れたもののこれまでの経験値を活かすようにシーズンの中で状態を上げ、今シーズンも見事な数字を残したし、荘司は新人王が視野に入る成績を残してみせた。田口、星もシーズン終盤は、十分に役割を果たしてくれた。どの投手もシーズンフル回転という訳には行かなかったのだが、それでも今のヤクルトに欠かせないリリーバーとして結果を残してくれた。
個人的には、セーブシチュエーションでの登板でことごとく試合を締め括ってみせた星に大きな成長を感じた。セーブシチュエーションの場面となると普段以上にプレッシャーが掛かると思われ、こういった場面で中々結果を残せなかったのが、これまでの星だった。しかし、今シーズン石山の離脱もあり、クローザーを任された星は、セーブシチュエーションでしっかり結果を残してみせた。シーズン終了までその投球を継続できた意味は大きい。年齢は30歳を超えたのだが、是非ここから大輪の花を咲かせてもらいたい。
打線では濱田に先制ソロホームラン、中村悠にタイムリーヒットが飛び出した。濱田に関しては、シーズン後半にようやく状態を上げ、1軍でも久々にパンチ力のある所を披露してくれた。もう若手にカテゴライズされる選手ではないため、来シーズンはもう一度長打を放てるバット職人としてレギュラーを目指してもらいたい。まだまだ崖っぷちの立場である。
そして今日のゲームを持って村上がヤクルトを離れることになる。今シーズンの戦いを見れば分かるように、村上の穴はあまりにも大きい。正直来シーズンヤクルトが上位に進出するイメージは今の所全く浮かばない。村上が抜けるということはチーム作り、チームマネジメントを根本から見直さなければならないことを意味している。昨日のゲームで田中や北村恵、今日のゲームで濱田が結果を残したが、現段階で彼ら若手野手に1軍での活躍を期待することは少々荷が重すぎるようにも感じる。主力、ベテラン、若手総動員で戦っていかなければならない。来シーズン開幕時にどこまで野手陣を整備することが出来るだろうか?
今日で高津監督も退任となる。6位、1位(日本一)、1位、5位、5位、6位という浮き沈みの激しい6年間だったが、6年間という長きに渡って高津監督の色を出しながらヤクルトを率いてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいである。華のあるヤクルトのスター投手だった高津が監督としてヤクルトに戻り、日本一、リーグ2連覇に導いてくれたことにオールドファンとしてはグッとくるものがあった。6年間私達ファンを楽しませてくれて本当にありがとうございました。
今シーズンは、57勝79敗7分けの最下位でフィニッシュとなった。村上復帰直前頃からチーム状態を上げ、何とか57勝まで勝ちを積み上げたのだが、前半戦は相手チームを見る余裕もないくらいにいっぱいいっぱいのチーム状態で試合をこなさなければならない非常に苦しいシーズンとなってしまった。高津監督をはじめとする首脳陣はどうやり繰りしてもやり繰りできないようなシーズンを過ごしたのではないだろうか?苦しい時期に1軍での出場機会を得た若手選手達がこの経験を糧に来シーズン以降のヤクルトを支えるような存在に成長してもらいたい。
このブログも2011年シーズン途中からスタートし、全試合更新を継続し続けることが出来ました。全試合更新は、2012年シーズンより14シーズン渡っております。何度かブログ内で触れておりますが、私の場合は、仕事、家事もあり、他のヤクルト関係の発信者の方々に比べて詳細を見てブログの更新を行えている訳ではないため、そのなりの内容のブログに留まってしまっています。ネット関係にも疎いため、皆さまの興味を惹くような工夫もなされておりません。そんなブログを長年に渡って見て下さっている読者の皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。時には、コメントも頂き、ブログ更新の励みになっております。
ブログを書き始めた頃には20代だった私も40代に突入し、野球の見方や感性にも変化が出てきていると思います。時代の変化にも取り残され始めておりますが、ヤクルトスワローズが大好きであるという気持ちは、ヤクルトファンになった幼少期の頃からおじさんになった今に至るまで全く変わっておりません。高津ヤクルトが終焉を迎え、村上がチームを離れるということで1つの章の終わりを迎えることになるのですが、来シーズンからの新しい章も楽しみたいと思っています。
ここ3シーズンは、CS、日本シリーズの記事を更新することが出来ず、寂しい思いもしておりますが、またいつの日か、ヤクルトスワローズのリーグ優勝や日本一をこのブログで記すことが出来る日が訪れることを願っています。
今シーズンも「ヤクルトファンの日記」に付き合って下さった皆様、本当にありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。
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コメント
ヒリヒリとした順位争いとは関係なかったせいか、シーズンが終わるのが早く感じました。
多くのタレントと共にあった野村監督時代の9年間は記憶に強く残っています。同じように豪快なホームランを放った村上を擁した高津ヤクルトも「絶対大丈夫」の言葉と共に私の記憶に残ることでしょう。
バレンティンが退団した時と違い、村上が抜ける穴は直ぐに埋まる状況ではないことが、ファンにとって大きな不安ですよね。北村が一軍定着レースに先行した形になってますけど、澤井もがんばってもらいたいと思っています。
今季も全試合更新お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
シーズン終わったのでお聞きしたいのですが、ミスタープロ野球の訃報に触れた記事はなかったと思いますが、これは多忙のためということでしょうか?これまでは大物の訃報は記事になっていたと思うので、ちょっと気になりました。
超匿名さんへ
高津監督が率いた6年間は、強く記憶に残る6年間になりましたよね。
村上も抜けてしまう来シーズンからは、新たなヤクルトを作り直す時代になりそうですね。
長嶋茂雄氏に関しては、時間がなく触れることが出来なかったという部分もありますが、一度国民栄誉賞を受賞した時に長嶋氏を振り返る記事を書いていたので、同じような記事になってしまうことが考えられたため断念した部分もあります。
今年もブログを楽しませてもらいました!
毎年、本当にありがとうございます!
来年も厳しいシーズンになる予想ですが、不思議と急に上位にいくこともあるヤクルトスワローズなので、少しだけ期待して楽しみたいと思います(笑)