「こどもの日神宮大花火大会」

2023試合結果


ヤクルト10×ー9DeNA

「こどもの日」というものは、野球ファンにとっても多少特別な日と捉える方が多いのではないだろうか?球界再編騒動を気に、パリーグを中心とした各球団はファンを取り込むために様々な企画を打つなどして、こどもや女性のファン層を増やしてきた経過がある。しかしそれ以前から「こどもの日」のプロ野球は、様々な企画を実施していた印象があるし、テレビ中継などでも普段とは少し違った企画がなされることが恒例となっていた。GW真っ只中ということもあり、毎年多くのファンが球場に足を運ぶ日が「こどもの日」だった。私は、幼い頃からプロ野球に興味を持っていたため、やはり「こどもの日」にテレビで観るプロ野球は普段と少し違ったものに映ったものである。ペナントレースの中では、開幕戦や優勝決定試合に次いで、注目度が高い1日が「こどもの日」のゲームなのではないだろうか?
そんな「こどもの日」のヤクルトーDeNA戦は、凄まじい打ち合いとなり、両チーム合計11本のホームランが飛び出す大花火大会となった。今日神宮球場に足を運んだ少年少女の脳裏に刻み込まれるであろうインパクト十分のゲームとなった。
おそらく10年後、15年後には、「実は私が野球に興味を持ったのは、令和5年5月5日のヤクルト対DeNA戦からだったんですよ。」というような野球ファンの話を聞く機会もあるのではないだろうか?もっと言うと「令和5年5月5日のヤクルト対DeNA戦を見て、野球をやりたくなったんですよ。そして今、WBC日本代表に選ばれることになったんですよ。」なんて話を聞くこともあるかもしれない。今日のゲームを見て野球に夢中になるこどもは間違いなく一定数いるはずである。「こどもの日」という特別な日にスペシャルなゲームを見せることが出来たのではないだろうか?


今日の両チームの先発は、ヤクルト高橋、DeNA今永ということで、勝つとしたらロースコアのゲームを競り勝つ展開かな?と予想していたのだが、全く正反対のゲーム展開となった。
高橋については、調子は良くもなければ悪くもない状態かな?と感じたのだが、それでも初回、2回と無失点で立ち上がったため、このまま試合を作ってくれそうな雰囲気も感じていたのだが、3回に佐野に同点ソロホームラン、ソトに逆転を許す2ランホームランを浴びてしまうと、味方打線が同点に追い付いてくれた直後の4回には再び佐野に3ランホームランを浴びてしまい、結局4回で被安打8(被本塁打3)、与四死球4の6失点で降板となってしまった。高橋はもう「一人の若手投手」という立場の投手ではない。ヤクルトの左のエースとして投手陣を引っ張らなければならない立場の投手である。それだけに前回、今回と先発の役割りを果たせていないことが気掛かりである。WBCに出場したことによる調整の難しさを間違いなくあると思うのだが、何とか早いうちに状態を上げていってもらいたい。
リリーフ陣ではプロ2試合目の登板となった丸山翔が2イニングをきっちり抑えてみせた。ビハインド時の登板とは言え、丸山翔にとっては大事なマウンドであることに変わりはない。今日は首脳陣にアピールすることが出来たのではないだろうか?逆に開幕時から調子が上がらない久保は、今日も京田、牧に一発を浴びてしまうなど、不安の残る投球となってしまった。左殺しとして機能して欲しい投手ではあるのだが…
前回の登板で痛い思いをした木澤は、味方が1点差に詰め寄った後の9回を任され、DeNA打線を三者凡退に抑えてみせた。しっかり切り替えが出来ていた。

投手陣は9点を失ってしまったのだが、野手陣は、前カードの巨人戦から突然つながり始めている。オスナ、サンタナの状態が良く、塩見、山田も徐々にではあるが、試合に戻ってきており、村上にも当たりが出始めている中で、レフトのレギュラーを争う青木、濱田も結果を残すことで、急に得点力が上がってきている。
今日は、1番センター塩見、2番レフト濱田、3番セカンド山田、4番サード村上、5番ライトサンタナ、6番キャッチャー中村、7番ファーストオスナ、8番ショート長岡、9番ピッチャー高橋という先発オーダーとなった。塩見、山田が先発に復帰したことで、ようやく昨シーズンの基本形に近いオーダーを組むことが出来た。
山田については、今日もスイングに元気がなく、途中でベンチに退いてしまうなど不安な状況が続いているのだが、それ以外の選手については、今日はしっかり結果を残してくれた。打者にとってフォローの風が吹く好条件ではあったのだが、今永を捉えたサンタナ、村上のホームランは「らしい」一発だったし、今永、伊勢からホームランを放った濱田は、打撃職人らしい見事なホームランを放ってくれた。反撃の狼煙を上げる中村の一発も結果として効果的なものとなった。濱田が伊勢から放った12球粘った中での3ランホームランで多少なりとも球場の雰囲気が変わったのだが、それでも9回2アウトランナーなしからの逆転劇を想像できなかった。
首位を快走するDeNAと調子が上がらないヤクルトというチーム状態もあり、1点差まで詰め寄ったが、最後は山崎に抑え込まれて、3連敗という姿しか想像することが出来なかったのだが、2アウトからオスナがヒットで出塁すると続く長岡がカウント2-0からストライクを取りに来たスプリットをすくい上げると打球はライトスタンドに飛び込む、逆転サヨナラ2ランホームランとなった。長岡のスイング軌道と山崎のスプリットが上手い具合に衝突して生まれたホームランだったのではないだろうか?長岡も開幕から打撃の状態が上がらず、苦しんでいるのだが、今日は猛打賞に今シーズン初ホームランが劇的な逆転サヨナラホームランということで、ここから状態を上げていってもらいたい。
色々なことがあり過ぎてまとまらないのだが、昨日までこのまま首位を快走する可能性もあるのではないか?と思うような快進撃を続けていたDeNAが1つ負けただけで、少し空気感が変わったように感じているのはおそらく私だけではないはずである。もちろん明日、明後日のDeNAが連勝して、今日のことが何も影響しない可能性もあるのだが、1試合の結果だけで空気感が変わるのは、ペナントレースの怖さであり、面白さである。


P.S 今日のゲームを見て、2010年のヤクルトーDeNA戦でヤクルトの川本がDeNAの山口から代打逆転サヨナラ2ランホームランを放って、13×-12で勝利したゲームを思い出したヤクルトファンもしくはDeNAファンの方もいるのではないでしょうか?私もその一人です。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     現地で観戦したファンにとっては、派手な打ち合いで最高に興奮する試合だったでしょうね。一歩引いたテレビ観戦者としては打つ方の喜び半分、投げる方の悲しみ半分と言ったところです。
     2ホーマーの濱田はこれで準レギュラーの筆頭格、さらには塩見とサンタナを除いた外野の残り1枠のレギュラー奪取に近づいたのではないでしょうか。青木も好調なので嬉しい悲鳴ですね。
     先発の高橋は散々でした。四球が多めなのは持ち味としても、被安打八に被本塁打三という結果では、彼の立場からしたら論外でしょう。こちらは文字通りの意味での悲鳴です。負け試合ではないのが救いでしょうが、このところ失点が多くなってきました。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      濱田の活躍、青木の好調ぶりは、チームにとって非常に大きいですよね。とりあえずは青木と濱田を試合によって入れ替えてくることになりますかね?

      高橋は、次1軍に戻ってきたときにしっかり修正できているかどうか?という部分に注目ですね。

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