「詰むや、詰まざるや」

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遅ればせながら、長谷川晶一氏の「詰むや、詰まざるや」を読むことが出来た。92年、93年の野村ヤクルトと森西武による日本シリーズのことが詳細に描かれており、非常に面白い内容となっていた。この戦いをリアルタイムで観戦していた人でも当時を知らない若い世代でも楽しめる内容になっていると思う。
ちなみに私は、このブログで何度か触れているように1988年からプロ野球を見始め、それと同時にヤクルトファンになっている。92年、93年の日本シリーズ時は、私は9歳、10歳という年齢である。まだまだ幼かったのだが、すでに強烈なヤクルトファンだったため、この2年間の日本シリーズのことは印象に残っているし、今でも92年の日本シリーズが、私が35年間プロ野球を見てきた中でのベストシリーズだと思っている。しかし当時私の年齢はまだ9歳であり、この戦いの詳細の部分までは読み取ることが出来ていなかった。今回「詰むや、詰まざるや」を読みながら、当時のことを思い出したり、当時の私では読み取れなかった部分まで感じることが出来た。「この本は、一生読み続けていきたい。」と思っている。それ程までに最高の一冊に出会うことが出来た。
92年も93年も私は小学生であり、当時デイゲームで行われていた試合をテレビ観戦できる日は限られていた。しかも92年も93年も雨天順延のゲームがあったため、第7戦が月曜日に開催されていた。そのため、勝負が決する最終戦についても最終盤以外は観戦することが叶わなかった。スポーツニュースをはしごしたり、新聞を読み込んだりはした記憶があるのだが、やはり細かな部分までは抑えることが出来ていなかった。今回「詰むや、詰まざるや」を読んで、有名なシーンはより深く学べたし、それ以外の部分は「そんな背景もあったんだ。」と新たな気付きがあり、私の頭の中で点と点が線になる部分もあった。92年、93年の日本シリーズについては、当時の記憶以外に、これまでもテレビ朝日系列で放送された総集編やフジテレビ系列で近年放送された「THE GAME」も非常に面白かった印象があるのだが、「詰むや、詰まざるや」もそれに負けない面白さだった。

★これまでも何度も振り返ってきたが、今回改めて学べた部分
・92年、93年のヤクルト、西武それぞれのチーム状況。戦前の野村監督と森監督により駆け引き。
・92年岡林の熱投。
・杉浦の代打サヨナラ満塁ホームラン
・飯田の躍動、致命的なミス、伝説の捕殺。
・西武投手陣の層の厚さと92年の郭の負傷
・デストラーデの存在感。
・難攻不落だった92年石井丈。
・92年第6戦、大塚の神走塁と秦のサヨナラホームラン
・92年第7戦の駆け引きと、西武のチームリーダー石毛。
・広澤のスライディングとギャンブルスタート
・潮崎と高津。
・93年川崎の復活劇。

★これまであまり知らなかったことを学べた部分
・岡林と鹿取の関係性。
・ドリマトーン奏者の想い。
・伊東のリード。
・92年第5戦デストラーデの打ち損じ。
・92年金沢のベストピッチ。
・93年の池山の犠牲フライ。
・93年西武のトリックプレー。

濃密な14試合が濃密に描かれており、読みごたえは十分である。個人的に最も印象的だったのは、93年に野村監督が選手の成長を認めた発言をした部分である。おそらく、読者の方によって、印象に残る場面は変わってくるのだと思う。
私は、この「詰むや、詰まざるや」を読んだ読者の方がどんな感想を持ったのか聞いてみたいし、話し合ってみたい。おそらく年代によっても、当時リアルタイムで見ていたかどうかによっても感想は変わってくるはずである。
ヤクルトの首脳陣、選手、西武の首脳陣、選手を中心に多くの方の証言を引き出し、92年、93年の日本シリーズは1冊にまとめた長谷川晶一氏のヤクルト愛、野球愛は凄いものがある。数多くの視点から語られる野村ヤクルトVS森西武の2年間、興味のある方は是非この本を読んでもらいたい。

(文庫版のあとがきには、21年、22年の高津ヤクルトVS中嶋オリックスの激闘にも触れられている。)

P.S このブログで書籍の感想っぽいことを書いたのはおそらく初めてだと思います。ネタバレ的なことは書いていないと思うのですが、不手際があれば申し訳ありません。
私自身も92年のことに関しては、このブログで少し触れたこともあるので、最後に過去記事を貼っておきたいと思います。
92年の激闘(ペナントレース編) | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)
熱投!岡林洋一! | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)




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