原監督退任

ストーブリーグ


【巨人】原辰徳監督退任、阿部慎之助新監督が最有力(スポーツ報知) – Yahoo!ニュース

スポーツ報知引用




原監督が退任との報道がなされた。ヤクルト関係のニュースではないのだが、このブログでも原監督のことを称賛する記事は何度も書いてきている記憶があるため、今回も改めて監督原辰徳について触れておきたい。

私は、原監督を2000年以降の名将の一人と位置付けている。私は、1988年からヤクルトファンとなり、プロ野球を見るようになったのだが、当時のプロ野球界は、巨人を中心に回っており、大袈裟に言えば、「巨人とその他11球団」という時代の真っ只中だった(それ以前はもっとその傾向が強かったのかもしれないが…)。その巨人の4番を務めていたのが、原辰徳だった。巨人の4番ということでスターそのもののような存在だったのだが、それ故に批判にさらされることも多い選手との記憶が残っている。原が衰え始めるとともに、プロ野球界ではFA制度や逆指名ドラフトというものが始まった。子どもだった私は、「これまで以上に巨人を勝ちやすくするためのルールが勝手に作られてしまった。」という気持ちを抱き、子どもながらに怒りのようなものも感じていたと思う。FA制度やドラフトの逆指名が行われるようになれば、自ずと巨人が勝ち続けるのではないか?という見立てもあったのだが、事はそう簡単には進まなかった。FAや逆指名ドラフトで、能力の高い選手は確かに巨人に集まるようなったのだが、その選手達をチームとしてまとめることが出来ず、リーグ優勝、日本一に輝く年はあったものの、常勝軍団を作ることは出来なかった。他球団からエースや4番が巨人へ流出し、ドラフトの目玉が巨人へ入団する流れが出来上がったことは確かなのだが、そのことによって、育成に時間の掛かる選手は、全く育たない環境が出来上がってしまい、かなり歪なチーム構成になっていた印象がある。正直チームとしては、「隙があるチーム」という印象があり、その隙を突いた野球で長嶋巨人と渡り合ったのだが、野村ヤクルトだった。そんなツッコミどころの多かった巨人を変えたのは、間違いなく原監督の存在があったからだと私は思っている。
監督に就任した2002年は、巨大戦力を適材適所で起用し、燻っていた選手や若手も組み合わせた中で、いきなりリーグ優勝、日本一に輝いた。もちろん戦力的に言えば、巨人の戦力が最も強大だったのだが、その戦力をしっかりチームの勝利という部分で機能させた原采配に私は脅威を感じたことを覚えている。しかし翌年優勝を逃すと球団内のゴタゴタに巻き込まれるように、いわゆる「読売グループ内の人事異動」という渡辺恒雄オーナーの言葉と共に監督を辞任することとなった。
私は、02年の時点で、原監督は名将だと感じていたため、巨人という球団の不可思議なやり取りに驚いた記憶がある。しかしこの時点でも多くの巨人ファン、プロ野球ファンは、原辰徳が近い将来、巨人の監督として戻ってくることを予見していたのではないだろうか?
その後堀内監督の下で巨人は、迷走し、06年シーズンから再度原監督が指揮を執ることとなった。06年こそBクラスに沈んだのだが、07年からは、チームを立て直し、リーグ3連覇に導くとともに、09年には日本一にも輝いている。第一次政権時と同様に、主力と若手、移籍組と生え抜き、エリートと雑草を上手く融合させ、時には競わせてチーム力を強化した印象が残っている。
ちなみに09年は、シーズン前にWBC日本代表の監督となり、WBC連覇も成し遂げている。そんな中でシーズンでもリーグ優勝、日本一に輝いている。これは偉業であり、この時点で、監督原辰徳は、間違いなく日本プロ野球史に監督としても名を刻む存在となった。
その後も12年~14年まで3連覇を達成するなど、原監督の手腕で巨人を常勝球団に引っ張り上げていった。私は、11年シーズン途中からこのブログを書き始めているのだが、13年シーズン後にはこんな記事も書いている。→巨人優勝に想う | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)
この記事の中で最大限原監督を称賛する記事を書いたつもりである。

その後も一旦は高橋由伸に監督の座を譲るのだが、チームが勝ち切れない中で、19年シーズンより指揮を執ると、19年、20年シーズンもリーグ優勝を果たしてみせた。直近3年間は、リーグ優勝を逃し、ここ2年はBクラスに沈んでいたため、今回の退任はやむを得ないものと思われるのだが、原監督が監督として成し遂げてきたことは、素晴らしいものであると感じている。巨人一極集中の時代の真っ只中をスター選手として過ごしながら、時代が移り変わる中でも監督として結果を出し続けた原辰徳という人物は、いつの間にか長嶋茂雄や王貞治といった巨人の歴史を作った人物と肩を並べられるような存在になったのではないだろうか?

この稀代の名将の後を継ぐ阿部慎之助が、監督としてどういった采配をふるうのか注目していきたい。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     監督在位年数に対する優勝回数は文句無しなんですが、OBの廣岡氏にはよく苦言を呈されていたり、野村氏も認めてない感じですがここら辺はやっかみも入っていたりしますかね。
     後任が阿部なので巨人初の捕手出身監督誕生ですね。森や野村、現役では中島監督のような名将になるのか警戒しています。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      私は、原監督は名将だと感じています。

      阿部は巨人初の捕手出身監督なんですね?茨の道になると思うのですが、原監督の下で学んだことを活かしていきたいでしょうね。

  2. sabo より:

    間があるとはいえ20年監督を続けるのは凄い。しかもWBCはNPB監督と兼任。その年リーグ優勝&日本一。3連覇2回(常勝ソフトバンクホークスでも一度も3連覇したことが無いのに)。名将であるには間違いないでしょう
    またある意味二面性が出るのも様々な評価があるのも20年も監督してれば変化もあるでしょう

    とはいえやはり世間的にはWBCが全て。今の時代に巨人が9連覇しても野球ファンは増えないですから。WBCですよ。優勝できなかった山本浩二と小久保があれだけバッシングされたようにそれだけ国際試合で国技野球で日の丸を背負う重圧は凄い。栗山英樹が弱小日ハムを2度リーグ優勝&1度日本一に導いて名将だなんて思うのは野球ファンだけで、やっぱWBCで優勝したから(忘れるまで)誰もが名将だと思うしチェコにも呼ばれるんだな。

    • fiys より:

      saboさんへ

      確かに今の時代は、WBC優勝監督という肩書が世間に最も伝わりやすいかもしれないですね。
      FA制度、ドラフトの逆指名制度のスタートとともに歪になっていた巨人を強さを維持しながら改革したことは、原監督だからこそ成し得た部分だったのではないでしょうか?

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